大佗坊の在目在口

見たり、聞いたり、食べたり、つれづれなるままに!!

妙心寺塔頭 退蔵院

2019-04-17 | 

退蔵院は通年公開しているので何度か訪れた。10年ぐらい前、秋の夜に退蔵院に尺八と琴の演奏を聴きに行った。
 
また、東林院も7.8年前に「小豆粥で初春を祝う会」に参加させてもらった。
 
非公開寺院の特別公開も毎年のように開催していると何か有難味が薄れてくるような感じがする。江戸時代の妙心寺領は塔頭分を含め四百九十一石余(元和元年、1615)とある。一石は大人一人が一年に食べる米の量だという。妙心寺当住領の石高が約八十八石、退蔵院が約七十五石、養源院が約四十二石、最も少ないのが聖澤院の約八斗(0.79石)。明治四年、社寺領上知令によりに寺領が廃止され全て政府に帰属し、寺の宗教活動及び経済活動に大きな影響を及ぼした。妙心寺とその塔頭寺院もおおきな墓域があるわけでもなく、全国の末寺への賦課金を課しても経済的に大変なのは変わりないところだと思う。妙心寺の塔頭や末寺は妙心寺六祖雪江宗深の法嗣である景川宗隆(龍泉派)、悟渓宗頓(東海派)、特芳禅傑(霊雲派)、東陽英朝(聖沢派)の四名を派祖として「四派」分かれ、龍泉庵、東海庵、霊雲院、聖澤院を四本庵と呼び、①美濃正願寺、②尾張瑞泉寺、③龍泉庵、④東海庵、⑤霊雲院、⑥聖澤院を由緒寺院六ヶ寺として本派寺院の首班に置いている。塔頭寺院については、①天授院、②退蔵院、③養源院、④如是院、⑤衡梅院の順位で祖塔微笑庵(開山堂)に次いで推尊せよとしている。
2018年冬の特別拝観は天球院、麟祥院、龍泉庵の三寺であったが、時間が早かったので通年公開されている退蔵院に行く。
 
退蔵院は国宝「紙本墨画淡彩瓢鮎図」と「元信の庭」と呼んでいる枯山水庭園が名勝史跡記念物に指定されている。
 
瓢鮎図の原品は京都国立博物館に寄託され模写したものが展示されている。
 

如拙による日本最古の水墨画で、瓢箪で鯰をどうして捕らえるかという禅の公案(問題)を描いていて、上部に大岳周崇の序と禅僧三十一人による画賛がある。元は足利義持の「座右小屏」の表裏に絵と賛がそれぞれ表されていたものだという。この公案と賛は何を云っているのか意味不明で、まったく理解できなかった。参考に第一偈から第三偈まで挙げてみた。
(周崇)
用活手段瓢捺鮎
留更欲得妙重著
滑油
(梵芳)
瓢壓鮎尾可以羹之
奈何無飯欲把沙炊 
(妙冲)
一瓢因甚欲捺鮎魚
江湖水濶道術有餘
禅問答の珍重、万歳の世界は難しい。大辞林に禅問答「何をいっているのかわからない難解な問答」というのがあった。解らないのが普通なのだと安心する。
 
 
もう一つの庭「余香苑」。

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