当初、明石駅前にある「明石魚の棚」商店街で明石焼の食比べをしようと思っていた。
この商店街だけで明石焼の店が10軒近くあるが、この明石焼は値段の割には一人前の量が多く、
2・3軒で腹一杯でダウンしそうなので諦める。
淡路島の代表的な食材の一つに「由良の赤ウニ」があるのを知った。
東日本でいう寒帯性の赤ウニ(エゾバフンウニ)とは異なり産卵期も遅いという。
由良の赤ウニは直径、5~8cmで棘の短い扁平な形をしている温帯性のウニで、
関東ではほとんど入荷することが無いという。明石でも食べさせて貰えそうな店に予約した。
このウニ、淡路島の各漁協のH・Pをみても禁漁になる時期がハッキリせず、
不安だったが、前日電話で店に確認したら大丈夫という事で明石に出かけた。
和歌山の「加太」や「由良」と云う地名には特別な感情を持っている。
戊辰鳥羽伏見の戦いに敗れた会津藩士が和歌山に逃れ、会津藩士千八百五十八人が
由良から五百八拾一両弐朱を支払い船で南下して逃れた。
この金額が和歌山に集結した会津藩士千八百五十八人の命拾いの値段だった。
紀淡海峡を挟んだ対岸の淡路島にも由良の地名があるのを知らなかった。
そういえば、夏に行った若狭宮津にも由良川という川があった。
広辞苑によると由良は砂地、風や波でゆり上げられた所を云うらしい。
お邪魔したのは「明石魚の棚」商店街の中にある「鮓希凛」二号店。
カウンター12席のみの小さな店だったが、昼は板前さん一人と若い女性の一人で客に対応していて、
数組の客だけで見ていても気の毒になるくらい、てんてこ舞いの忙しさだった。
頼んでいた箱ウニは通常のウニと表裏を逆に並べる通称「逆さのウニ」とも呼ぶ
由良の「川勝」の本ウニで、蝦夷ウニみたいな濃厚な甘みというわけにはいかなかったが、
非常に上品な味わいのあるウニだった。
玉子焼と明石焼の違いは判らなかったが、とにかく一回は本場で食べたいと
商店街の端にある玉子焼と暖簾の下る店に入る。お腹が一杯だったせいか出し汁が薄く、
味はこんなものかと店を出た。
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