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リスタートのブログ

住宅関連の文章を載せていましたが、メーカーとの付き合いがなくなったのでオヤジのひとり言に内容を変えました。

鈍感な時代

2014-03-16 08:25:00 | オヤジの日記
浦和のサポーターが、人種差別的横断幕を掲示したことが問題になっている。

人種差別がいけないことは、常識的な大人ならわかる。

当事者は、「ゴール裏はサポーターの聖地だから、外人に入ってほしくない」と言っているらしいが、それが非論理的だということに気づかないのは、きっと数多いサポーターの中でも、自分だけは特別だと思っているからだろう。

Jリーグとしては、差別撲滅のために厳しい対処をして、再発防止に努めたいこともあって、思ったよりも早く処罰が決まった。
ただ、拙速に処罰して、解決方法をチーム側だけに委ねただけでは、根本的な治療にはならない気がする。

差別に関して、人は鈍感だ。

誰でも差別意識を持っているから、意識せず、悪意も感じないで、差別をすることがある。
もちろん、私もある。

指摘されて初めて気づき、罪悪感に苛まれることがある。

差別に敏感すぎる社会は嫌だが、鈍感すぎる社会はもっと嫌だ。


話は違うが、マタニティマークというのがある。
自分が妊婦さんだということを、世間に告知するためのものだ。

ついこの間まで知らなかったのだが、このマタニティマークでトラブルになることがあるらしい。

故意に腹を蹴られたり、足を引っかけられたり、「妊婦が電車になんか乗るなよ」と罵倒されたりすることがあるらしい。
どこにも、一部ではあろうが、危険な感情を持った人はいる。

99パーセントの人のマナーが良くても、残りの1パーセントの人が要注意人物だった場合、明らかに、1パーセントの人たちの方が目立つ。

ただ、マタニティマークの記事を読んだとき、本当にこんなことをする人がいるのかな、という軽い疑問を持った。
それは、マナーや常識以前の「犯罪者予備軍」の行為ではないかと思った。
いくらなんでも、あちこちに、そんな人がいるわけがない。

だから、都市伝説の一種ではないか、と勝手に判断した。

しかし、先日山手線に乗ったら、7人の男子高校生の集団と居合わせた。
私は立っていたが、全員が、一列に座っていた。
そんなに柄の悪い高校生ではなかった。
話す声も大きくなかった。

常識的な子たちだな、と思った。

そのとき、妊婦さん2人が電車に乗ってきた。
高校生たちは、妊婦さんの存在を認識していたが、誰も席を立たなかった。

他の席に座っていたサラリーマンが立ち上がって二人を呼んだので、妊婦さんは、頭を下げながらそちらに移った。
それを見ながら、高校生の一人が、「でっかい腹して恥ずかしくないのかね」と言った。
その言葉につられるように、他の高校生が、「前なんか、車内が、そこそこ混んでいたから、邪魔になって押してやったよ」と得意げに言った。

それを聞いても、他の高校生は、ただ笑っていただけだった。

つまり、ネットで読んだ記事のようなことが、現実に起きているということだ。
しかも、罪悪感がない。

鈍感な犯罪者予備軍。

心の中の鈍感の面積が大きくなったら、ひとは他人の尊厳を傷つけることは、平気でやる。

鈍感だから、人の痛みを想像できない。
なぜ人が嫌がるのかも想像できない。

怖いことだ、と思う。


浦和レッズは鈍感だった。
だから、何年も前からサポーターがトラブルを起こしても、鈍感なままのチーム経営で、一部サポーターをのさばらせた。

たった数人の行為でも、悪は目立つ。
そして、悪いことは、真似しやすい。
いいサポーターが大勢いたとしても、それは簡単に駆逐されてしまうこともある。

スポーツに限らず、それは、どこでも起こりうる現象だ。

おそらく、STAP細胞に関わった研究員の方々も、鈍感だったのだろう。
頭脳明晰でも鈍感な人はいるということだ。


偉そうなことを言っても、私もかなり鈍感になっていると思う。
だから、自分の鈍感さを意識しながら、少しずつマナー、モラルに敏感な自分を形成していこうと思う。


そうとう時間がかかりそうな気がするが。