まさるのビジネス雑記帳

勉強ノート代わりに書いています。

機能不全の指名委員会等設置会社

2015-07-06 22:04:09 | 商事法務
○ 委員会設置会社、2003年4月の商法特例法で、委員会等設置会社として導入され、その後会社法で「等」を抜いていましたが、今回の会社法改正で「監査等委員会設置会社」制度の創設に伴い、指名委員会等設置会社と名称変更されましたね。これは学者先生が、米国の上場企業で主として上場規則等で規制されている一般的な委員会制度を日本に持ち込み会社法に規定した制度ですね。目的は、コーポレートガバナンス強化の一環として導入したものですが、同じような制度として、全く機能せずいつの間にかに消えてしまった重要財産委員会という制度もありました。これは「仏作って魂入れず」とも言えますが、原因は逆で、魂が分からない学者先生が仏を作るから機能しないのですね。委員会制度が出来る前は、小手先の制度変更である監査役の任期の2年から3年に、そして4年と延長しました。このときの学者の言い分は、長期的に会社を監査できるようにすることが重要と言っていましたが、委員会制度を作ったら任期が1年に短縮されていました。手のひらを返したように、1年の制度も作りました。

○ 学者先生は頭の良い人ですが、1) 米国に留学して、米国型制度に洗脳されている人が多い、2)想像力が乏しくユニークな制度の立案創設力が無い、3)ドイツの共同決定法や監査役会制度の知識が無いということで、安易に制度を弄り回している感じです。委員会設置会社制度が、「いまいち」なので、今回「監査等委員会設置会社」制度を作ったのですね。会社法は重要な社会基盤ですから、長期的・本質的・多面的な観点と共に柔軟性が要求される難しい制度ですね。世界的には、1)米国型の委員会制度型、2)取締役会と監査役会が同レベルの国(実際は、機能しない監査役(会)を持っている日本・中国など)、3)ドイツのような取締役会の上部組織としての監査役会制度を持つ国(ドイツ・インドネシア等)の3つでしょうね。

○ 不適正会計が明るみにでた東芝は、指名委員会等設置会社ですね。監査委員会委員の社外取締役は、斉藤聖美(日系新聞・ソニーに4年・モルガンスタンレー等)、島内憲(外務省)・谷野作太郎(外務省)ですね。経歴を見て、「監査」が分かる人ではないですね。「飾り」です。監査委員会委員長は、東芝出身の久保誠取締役です。米国のエンロンにも日本のオリンパスにも立派な飾りの人がいましたね。

○ 現場が不適正会計を行っている事のチェックは、内部統制が効いていないということもあるでしょう。現場の意識の問題もあるでしょう。東芝ですから当然内部統制も行っている筈です。しかし、現場の責任者にとってみれば、どこをどのような操作をすれば、どのように社内を誤魔化せるかわかります。
  監査委員会の監査委員の社外取締役は、非常勤も多く、月に1度ぐらい出社して、事務当局の作成した、差しさわりの無い社内報告の説明を受けるだけでしょう。業務の経験もなく、企業会計の経験・知識も無い監査委員等ごまかすのは分けない事です。
  少し考えれば、監査委員会等が機能を発揮しないことぐらい誰でもわかります。これを制度として組み入れ会社法に規定するというのは如何でしょうか?制度設計自体がおかしいのですね。
コメント
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