田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

講演 嶌信彦 明日の日本を語る

2011-05-13 19:37:54 | 講演・講義・フォーラム等
 嶌信彦氏は言う。「日本には“底力”がある」と…。失われた10年、いや20年を経た上に、大震災という未曾有の困難に遭遇しているが日本はきっと復活すると力強く語ったが…。
 
 毎年、日本の経済界をウォッチする識者を招いて開催する札幌信用金庫の経済講演会の今年の講師はジャーナリストの嶌信彦氏だった。
 5月12日(木)東京ドームホテルにおいて「これからの10年~日本は再成長できる」 と題しての講演会が開催され参加してきた。

          

 嶌氏はまず、1990年の東西冷戦終結以降の世界の経済のグローバル化の中で、日本経済が凋落していった姿を描いてみせた。
 その凋落の要因について氏は詳しくは指摘しなかったが、政財界のリーダーの時代を見通す先見性に欠けていたことを暗に指摘していたようだ。
 その凋落の中で今回の東日本大震災という未曾有の困難が日本を襲ったのだ。まさにダブルパンチ、トリプルパンチである。

        

 しかし、と氏は言う。
 日本がかつて経験した太平洋戦争敗戦直後の惨状は、今回の比ではないと…。
 何もかも失った惨状の中から逞しく復活した日本は、わずか20年強(1968年)で世界第二位の経済大国までにのし上がり、東西冷戦終結以降は凋落が続いたとはいえ今年初めまでGDP世界第二位を確保し続けてきたと氏は強調します。

 そのように復活できた要因は、世界がまねのできない日本の技術力であり、発想力、構想力だった。さらには科学と自然を融合する日本人の精神性でもあると語った。

 氏はそこにこそ日本の“底力”があるとした。
 その“底力”を発揮すれば必ず復帰し、再成長できると…。

        

 確かにこれまでの日本には成功事例がごまんとあるだろう。
 その成功事例を信じたい、すがりたい思いは私も同じである。
 しかし、過去の成功事例が現代の環境の中でその再現は可能だろうか?
 BRICsをはじめ、ASEANなど中後進国といわれた国々の台頭は著しく、太平洋戦争直後とは環境が一変している。
 そのことに若干の不安はあるものの、嶌氏が唱える楽観論(?)に与したいと思った今回の講演会だった。