田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

北海道低山紀行 11 銭函天狗山 後編

2011-05-29 23:21:45 | 北海道低山紀行 & Other
 小さな銭函天狗山だったが後半の尾根コースは十分に登り応えのある山だった。吹き出る汗、乱れる呼吸、何度も何度も立ち止まりながらピークを目ざした。するとそこには極上の山頂(ピーク)が待っていてくれた。 

 ようやく尾根コースに出てホッとしたのもつかの間、そこから厳しい上りが待っていた。
 その日22℃まで上がったという気温と無風の中、ぐんぐんと高度を上げる登山路に私の額から汗がしたたりに落ちた。
 暑さ、そして無風、汗の臭いに誘われて蚊が体の廻りにまとわりつく。

        
        ※ 尾根から林間を見ると新緑が目に眩しかった。

 標高わずか536mの山である。
 私は円山か藻岩山程度と思っていたのだが、その想像とはまったく違っていた。
 斜度の緩まない登山路はたちまち私の体力を奪っていった。(それは私の体力がかなり劣っていたことも表すのだが…)
 10歩登っては一息入れ、20歩登っては一息入れるといった調子だった。
 前半のように写真を細かく撮ることも忘れていた。

          
          ※ 尾根コースはこのような登りの連続だった。

 相変わらずニリンソウの花が目立ったが、その中でちょっと違った白と薄紫の花が一厘ずつ咲いていたのが目立った。(何という花かは残念ながら分からない)
 やがてコースは土からガレ場に変わってきた。トレッキングシューズを履いてきたことが正解だった。普通の靴では足を挫いたりする恐れがある。

        
        ※ 名も知らぬ鮮やかな白い花が目に飛び込んだ。

        
        ※ 上の花と色違いの同種かと思っていたが、写真をよく見る
         と葉の違いから別種と分かる。

        
        ※ コースはやがてガレ場の登りへと変わった。          

 困難を極めながらも徐々に高度を上げ、やがて遠くに大きな岩場が見えてきた。
 近づいてみると垂直に屹立した岩壁がそそり立っている。
 この岩壁は地元の山岳会や大学の山岳部などの岩登りの練習場として知られているそうだ。この日は残念ながら練習しているクライマーには出会わなかった。

        
        ※ 山頂直下に屹立している岩場である。

 その岩壁の斜面を巻くようにして山頂を目ざす。
 その後も厳しい上りが続いたが、尾根コースに出てからペースが落ちつつも約45分でようやく山頂に到達した。
 山頂には数組の先着の登山者が憩っていた。(この日はやはり登山日和と見た人が多かったようで20数人の登山者と出合った。)

        
        ※ 無事山頂に着き、愛用のザックと記念写真を撮る。

 山頂は木が少なく、360度見渡せる素晴らしい光景だった。
 石狩湾と手稲の街並みが一望でき、方向を変えると手稲山をはじめたくさんの山々を望むことができた。
 山頂も風はなく、気温もちょうど良い。私は汗にまみれたシャツを脱ぎ、岩場に腰を下ろした。
 重い思いをして背負ってきたコンロと水で湯を沸かしコーヒーをすすった。
 最高の気分である。ふだんはそんなことをしないのに、あまりの気分の良さに私は妻と息子にメールを入れていた。

        
        ※ 山頂から石狩湾方面を望んだところ。

        
        ※ こちらは反対側、正面に見えるのが手稲山です。

 沸かした湯でインスタントみそ汁を作り、おにぎりを頬張った。
 私としては珍しく1時間半ほども山頂にとどまり、その後下山したのだった。

 小さな山と軽い気分で、足慣らしになどと思っていた山が意外にタフな山だった。
 なまっていた私の体はその後2日間も筋肉痛に悩まされることとなった。
 今年もぼちぼちと低山登山に取り組もうと思っている。

【銭函天狗山 登山データー】
標 高  536.7m
駐車場  登山口に約10台ほどが駐車できる。
行 程  登山口→(35分)→尾根→(45分)→銭函天狗山山頂→(30分)→尾根→(20分)→登山口  ※あくまで私の場合である。
時 間  登山(約1時間20分)、下山(約50分)
登山日  ‘11/05/26