田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

養老孟司 諦観の心を説く

2009-11-01 21:47:34 | 講演・講義・フォーラム等
 医師であり、大学教授であり、かつ著述業でも有名な養老孟司氏の講演は私たち聴衆を煙に巻くような話でありながら、一方「なるほど…」と頷かせるものでもありました。

        
    ※ 例によって録音・撮影等は禁止。そこで養老氏登場前の演台をパチリと…。
  
 10月31日(土)午後、札幌市医師会の主催による「市民医療フォーラム」が教育文化会館を会場に開催されました。その基調講演に養老孟司氏が招かれ「病気とともに生きる」と題して講演しました。

 豊かな白髪をなびかせ、ダブルのスーツに身を包んだ養老氏はとても72歳には見えなく、ダンディーで若々しい印象でした。

 養老氏は、この歳になると病気の一つや二つ抱えているのは当たり前で、自分も糖尿病と白内障を患っているがあまり気にはしていない、と言います。
 そしてデーター的にいって、60歳過ぎの糖尿病のあるなしは寿命の長さに変わりはない。また節制することで寿命が延びるというデーターもない、と述べます。

 ここからの養老氏の話が面白い。
 うまく伝えられるか自信はないが、養老氏の話を要約してみます。

 人間の意識と身体は別物である。
 日常、身体は四六時中働いているが、意識は途切れるものである。(睡眠の時間)
 身体は身体の都合で動いていて、意識に動かされているわけではない。
 したがって、身体に良いことをしなければ、ということは意識が言っていることであり、身体が言っているわけではない。

 養老氏が伝えようとしたことは、世の中健康ブームであるが、身体のためにと懸命に節制し、シャカリキになることはないのではないか。
 ボチボチと自分の身体と付き合い、その日その日を楽しむことが大切ではないか、ということでした。

 養老氏の話は、私にとって現在はともかく、もし病を得たときには忘れないでいたいなぁ、と感じたお話でした。