まりっぺのお気楽読書

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オランダ女王 ヴィルヘルミナ

2009-10-16 01:09:56 | オランダ王妃
2回の大戦をサバイブした
オランダ女王 ヴィルヘルミナ


1880~1962/在位 1890~1948

ヴィルへルミナ女王は1890年に即位して1948年に退位、在位58年。
オランダ王室で最長です。
しかも正式に王位を王女ユリアナに譲ったのは亡くなった時なので
在位72年、ヴィクトリア女王より長くなってしまうんじゃなくて?
      
ヴィルヘルミナはウィレム3世の63歳の時の子供で、ものすごく可愛がられ
たいへんなパパッ子だったそうですが、10歳で父王を亡くし女王に即位します。
その時に訪問を受けたヴィクトリア女王は
“ とても優雅で可愛らしい。賢くて英語も上手に話すし、振る舞いもチャーミング ” と
書き記しています。絶賛ですな!

21歳の時にメクレンブルク=シュヴェリーン公ヘンドリクと結婚しました。
この結婚に愛はないと言われていたものの、ヴィルヘルミナは常に夫を気遣い
ふたりはお互いを思いやっているように見えたということです。

ただ、ヴィルヘルミナはヘンドリクに、オランダの政治について口を出させず
女王の夫にはつきものの “ 妻の後ろに従う夫の立場 ” を守らせました。

さらにふたりにはユリアナ以外の子供ができないのに
ヘンドリクが他所でお子様をこしらえたことが、度々夫婦に争いをもたらします。

例によって、政治的なことは学者の方々におまかせするとして…
なにしろふたつの大戦を、強国ドイツとイギリスの間で生き延びた女王です。
激しい気性の持ち主だったと言われるのもむべなるかな…

ヴィルヘルミナはボーア戦争を起こして植民地を奪ったイギリスのことが
大っっっ嫌いだったそうです 親戚なんだけどね…
20歳の時には大統領ポール・クリューガーを援護するため
オランダ艦隊をトランスヴァールに差し向け、尊敬と賞賛を浴びました。

第一次世界大戦も、良好だったドイツとの貿易維持のため中立を貫き
戦後には共産主義の台頭をおさえたものの
第二次大戦ではナチスに侵攻されて亡命することになりました。

この時女王一家に救いの手を差し伸べたのが大嫌いなイギリス…
けれどもイギリスに落ち着きBBC放送でオランダ国民に語りかけたヴィルヘルミナは
少しイギリスを見直したようです。

その後従姉妹アリスが住むカナダに疎開しましたが、従者なしでオタワの街を歩いたり
一般人と同じ汽車に乗ってアメリカを訪ねる姿が見られたそうです。

1948年には王権を放棄して人気者だった娘ユリアナに譲り
国中を旅して国民に勇気と意欲を与えて歩き、1962年に亡くなりました。

在位72年はヨーロッパではルイ14世についで2番目、世界では7番目
女性では世界一の在位期間を誇ります。

             
                  晩年の女王
              激動の時代を乗り越えてホッとなさっているのかしら?


ナポレオンの台頭と第二次世界大戦で各国の王制のあり方は大きく様変わりをしています。
日本も例外ではありませんが、王制が残っている国と廃止された国、
その経緯にはおおいに興味がありますね。
今後の課題にしてみたいと思います。

(参考文献 Wikipedia英語版)

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2 コメント

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Unknown (cucciola)
2009-10-16 05:32:01
まりっぺさま、

こんばんは。
ヴィルヘルミナというお方、まさに生れながらの女王だったんですね。
2004年というとつい最近までご存命だったんですね。
世界大戦中に王位にいた人たちの苦労というのは、どの国に関係なく大変なものがあったと思われます。軍が政治力を持ってしまえば王や女王といえどもノーとは言えないことも多かったと思われますし。昭和天皇もしかり。

お若いころの肖像画、凛としておきれいですね。
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ごめんなさい (まりっぺ)
2009-10-16 08:34:09
こんにちわ。

わたくし、大変なミスを…
2004年に亡くなったのは娘のユリアナ女王の方でした。
124歳になってしまふ…本当にすみません。

大戦をはさんで君主制はガラっと変化していますよね。
存続している王室ももはや象徴にすぎないし、婚姻や私生活も激変したように見えます。

一致団結してナポレオン旋風をなんとかおさめた欧州の王室も、やはり時代の流れには逆らえなかったんでしょうか?

1900年代というとそんなに遠い昔には思えないのですが、写真や肖像画をみても急に現実味を帯びてきて“お姫様”感が薄れます。
なんとなく残念ですが、政略結婚がほぼ消滅して良かったとも言えますよね。
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