まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
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『牝猫』こんな女がいちばん怖い・・・

2008-12-13 00:23:55 | フランスの作家
LA CHATTE 
1933年 シドニー・ガブリエル・コレット

よく浮気相手の女性に「この、泥棒猫っ!」なんて言ったり
危険そうな女性を「女豹」なんて形容したりしますけど
猫ってそんなイメージなんでしょうかね? 可愛いのに・・・

『牝猫』は、そんなふうに擬人化された猫ではなくて
正真正銘の牝の猫を愛する男性と、その妻の物語です。

若く、美しく、裕福な娘カミーユと結婚したアランという青年が
生家から都会のアパートに連れてきた牝の猫サアに愛情を注ぐのを見て
妻が嫉妬するというお話しです。

そんなバカな! って思いますが、夫が女性以外のものに熱中して
ほっぽらかしにされるって、妻としてはやっぱりちょっと哀しいかも。
ブリキのおもちゃでも、永ちゃんでもなんでもいいけど
「お前よりこいつだろ」とか「どっちかなんて選べない」って言われたら
カチーン ときますよね?

特にカミーユは19歳の一人娘ですから、大事に育てられてきたのだし
美しいから人気者だったわけだし、そりゃ怒るでしょ。

カミーユはアランが居ない間に、サアを10階のバルコニーから落としますが
奇跡的に助かったサアの様子を見ていたアランは真相に気がつきます。

アランは即家を出て、結婚前にサアと住んでいた郊外の母の家に帰ります。
翌日カミーユが訪ねて来ますが、どうやら二人の仲はもとに戻りそうもありません。
結婚からわずか3ヶ月でした。

でも、サアが居ても居なくても二人はうまくいかなかったんじゃないかしら?
一言多くて愛情深くて、じっとしていられないカミーユと
冷徹なほどクールで寡黙で、すぐ一人になりたがるアランでは・・・
お互いが見目麗しいってことだけではねぇ、歳もとるんだし。

しかし、サアみたいなタイプの女性がいたら強敵です。
媚びないし、はしゃがないんだけど、愛らしくて愛らしくて
かまわずにはいられない女性なんて!!
じーっと座ってて自分からは来ないわけ、でも男は寄っていってしまうの。
ヒェ~! 夫や恋人の半径200キロぐらいにはいてほしくないですね。

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