まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
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『王女マメーリア』今に活かそう、過去の詐欺

2010-04-08 23:01:34 | イギリス・アイルランドの作家
NEW ROALD DAHL'S COLLECTION OF SHORT STORIES 
1990年 ロアルド・ダール

なぜか本棚に2冊あったロアルド・ダールの1冊を読んでみました。
ユーモアの効いた9篇が収められてはいるものの
犯罪・ほぼ犯罪の話が多くて、楽しんでる場合かしら?と心配になってきました。

『アンブレラ・マン(Umbrella Man)』
急な雨の日に会ったおじいさんは、足が痛くてタクシーに乗りたいので
1ポンドいただけないか?とママに言いました。
そのかわり20ポンドはするという絹の傘を譲ると言います。

すごく面白いお話で、最後のママのひと言も茶目っ気たっぷりなんですけど
完全に犯罪です。 でも笑える…困ったわね。

『古本屋(The Bookseller)』
いつも閑散としていて店員さえもいない古本屋があります。
奥の事務所では別の仕事が行われ、経営者のバゲージと事務員のトトル嬢は
大金を手にしています。

彼らが行っていたのは、まさに振り込め詐欺のルーツとも言える犯罪。
とても用意周到なふたりでしたが、とうとうしくじるんです。
詐欺師が皆彼らのようにしくじってくれるとよいのだが…

『外科医(The Surgeon)』
富や名声に無頓着な外科医サンディは、事故に遭った留学生の王子の命を救って
とんでもないダイヤモンドを贈られました。
うろたえたサンディ夫妻は製氷皿にダイヤモンドを隠して出かけますが…

泥棒って、だいたいの隠し場所は分るらしいよ!
冷蔵庫、米びつ、布団の下なんかは隠したことにならないらしい…テレビで言ってました。
正直者の宝石屋さんに頭が下がる、けっこういいお話です。

3篇ともほんのさわりだけを書いてみました。

他にも、何千人にひとりしかできない一流のお仕事をする方や
侮辱されたセレブを救う青年、俗物の主人に我慢ならない一流執事
国王の罠をも恐れぬ勇敢な青年など、様々な犯罪者が登場します。

してやられるのが鼻持ちならない人で、命がからんでいないだけに
つい悪戯の延長みたいに思えてしまうんですけどね。

ユーモアと皮肉がお得意の作家にサキがいますね。
ロアルド・ダールは、サキより意地悪度が低いような気がします。
根が優しい人だったのかしら?

もう1冊も早々に読んでみることにします。

王女マメーリア 早川書房


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