まりっぺのお気楽読書

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『ザ・ベスト・オブ・サキ』英国流ユーモア?

2008-10-23 02:12:38 | イギリス・アイルランドの作家
THE BEST OB SAKI
1912年 ~  サキ(ヘクター・ヒュー・マンロー)

なーんというブラック! なんというアイロニー!!

機智に富んだ悪戯好きの、クローヴィスという青年が度々登場しますが
作者自身がこんな人だったんじゃないのかしら?
ものすごく茶目っ気がある人か、根っからの冷笑家か悩むとことろです。

(1) (2) 併せて86篇のショートショートが収められていますが
ほとんどがちょっとしたイタズラに翻弄される人の話しや
慌てふためく人の滑稽さを描いたものです。
イタズラといっても悪意はなく、愉快なものが多いのですが
やられてる方はそう言っていられないでしょうね

なにしろ86篇なので、よく似た内容のものもありましたが
概ね楽しい気分で読み通せました。

(1) (2) から3篇づつ抜粋します。

『女性は買い物をするか』
男性から見ると、非常に不可解で不条理な女性の買い物。
女性の判断基準はいったい何でしょう?

『トバモリー』
人間の言葉を話すようになった猫がパーティーを掻き回します。
なにしろ猫はどこにでも入り込めるんですから・・・

『あけたままの窓』
神経質な青年に、少女が亡くなった叔父たちの話しを聞かせている最中
開いた窓の向こうに当人たちが姿を現します。 
陽気に口笛を吹きながら・・・

『ルーイス』
飼い犬のルーイスを盾に、どこまでもわがままを通そうとする妻。
夫とその妹は、犬を殺してしまおうと思いますができませんでした。
それはどうしてかというと・・・

『クリスピナ・アムバリーの失踪』
家庭内で絶大な力を持つアムバリー夫人が失踪します。
しばらくして金を要求する手紙が届けられます。
一家が打った手とその顛末はいかに。

『ミセス・ペンザビーは例外』
長期滞在用の気持ちよい館で、ミセス・ペンザビーは
相手構わず失礼なことを言って女性陣から嫌われます。
でも経営者のレジーはまったく気にかけません。

しゃべる猫欲しいなぁ。
意地悪なことを微笑しながら言いそうですよね。
旦那さんとかにビシッと言ってほしかったりして・・・

上にあげたお話以外にも、選挙権を欲しがる女性に対して王がとった奇策の話しとか
小銭をかすめ取ろうとする人とだまし取られたくない人の攻防とか
クリスマスの礼状書きにうんざりする夫婦の戯れごととか
“ フッ ”と笑いが口元に浮かんでしまう話しが満載です。

この、真面目な顔で冗談を言われてる感じ、英国流でしょうか?

サキ短編集 新潮社


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こちらはさらに抜粋された短篇集

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