まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
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『夢の女・恐怖のベッド 他六篇』劇場型・・・ですかね?

2009-01-22 01:05:52 | イギリス・アイルランドの作家

ウィルキー・コリンズ

ウィルキー・コリンズは『白衣の女』の作家でしたね。
劇作家でしょうか? お父様は有名な風景画家らしいです。
だからなのか、読んでいて脳裏に舞台装置や台詞のやりとりが浮かんできました。
日常に潜む謎や心理的な恐怖というよりは、ストーリーを練って練り上げたような・・・
ビジュアル型っていうのかしら?
背景を見られることを意識したお話しという感じを受けました。

『家族の秘密(The Family Secret)/1857年』
優しかった叔父さんが失踪した理由を追い続け、やっと外国の墓地で手に入れた真実。
叔父がイギリスを去ったのは、幼い頃亡くなった姉の首の腫瘍が関係していました。
医師だった叔父は姉の手術の執刀をしますが、手術は失敗に終わったのです。

『夢の女(The Dream Woman)/1855年』
自分が女に殺されそうになる夢を何度も見ていたアイザックは、
その内容を克明に母親に語っていました。
7年後に美しい女性と恋に落ちたアイザックですが
息子の夢の話しを覚えていた母親は、その女が夢の女だと気付きます。

『狂気の結婚(A Mad Marriage)/1874年』
メアリーの結婚相手は父親の手で精神病院に入れられていました。
しかしそれは莫大な財産を渡さないための策略だったのです。
二人はアメリカで幸せに暮らしているという手紙を友人に送ります。

以上、家族を題材にしたものを3篇あげてみました。

最後の『狂気の結婚』では、当時の精神病院のあり方や法律を非難していますが
これは『白衣の女』でも少しふれられていましたね。
彼のライフワークだったのでしょうか?

ちなみにこの精神病に関しては、今は知りませんが “ 精神を病んだ配偶者とは離婚できない ”
という法律があったようで、割と物語に登場していますね?
『ジェイン・エア』のロチェスター氏もそうでしたし
アガサ・クリスティーのミステリーにもそういうものがいくつかあった気がします。
なんの根拠でそんな法律があったのか知りませんが、悪法ですよね?

好きか嫌いかと問われたら、あまり好きではないですね。
けっして面白くないわけではないのですけれども
「物語にしよう!」という意気込みがありすぎて・・・

夢の女・恐怖のベッド―他六篇 岩波書店


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