まりっぺのお気楽読書

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『国境の向こう側』やっぱり買っちゃった

2014-03-22 19:47:17 | イギリス・アイルランドの作家
THE OTHER SIDE OF THE BORDER AND OTHER STORIES 
グレアム・グリーン

以前『見えない日本の紳士たち』を読んだ時に知った
早川書房のグレアム・グリーン・コレクションを近所の書店で見つけたので
わくわくしながら買ってみました。

結論から言うと、面白かったのですが、政治色がやや強いような気もするし
テーマも、どちらかというと男性が好きそうなものが多かった気がします。
故に、私は『見えない~』や、以前読んだ『二十一の短篇』の方が好きかしら。

いくつか紹介しますね。

『最後の言葉(The Last Word)』
老人は何年か前の事故以来記憶を無くして、何者かから年金をもらい
監視を受けながら、誰とも接触することなく生きてきました。
しかし、ある日、いきなりパスポートとビザを渡され、部屋から連れ出されます。

近未来小説なのかしら? 「世界はひとつ!」っ言ってるのが恐ろしくなります。
争いを無くし、地球上の国々をひとつの国家にするためには
こんなにめちゃくちゃな過程を通過しなければならないのかしら?
この物語に登場する指導者は名君なのか、暴君なのか? 疑問が尽きない物語です。

『英語放送(The News in English)』
ドイツからの英語放送を聞いていた老ビショップ夫人は、臆病博士というあだ名の男性の声が
自分の息子デイヴィッドのものだと気づいて怒りだします。
妻メアリーは、放送を聞いているうちにあることに気がつき、陸軍省を訪ねます。

第二次大戦中の話で、もちろんフィクションなのでしょうけど
こういうことが実際にあったのではないかなぁ、と思わされる話です。
英雄談ですが、すごく切ないなぁ。
妻としては「そんなことはいいから帰って来て! 」と言いたくなるかも…

『宝くじ(The Lottery Ticket)』
気弱なミスター・スリプローは、ベラクルスで何気なく一枚の宝くじを買い
旅行の目的地である陰鬱な熱帯の町に向かいました。
そこで宝くじが大金を当てたことを知って困惑したスリプローは
賞金はいらないと口走ってしまいました。

最初はね、笑える話かと思っていたのね。
そしたら、かなり危険と隣合せな展開で、教訓になる話に思えてきました。
まず、旅先は慎重に選ばなくちゃでしょ、宝くじが当たったら黙ってろ!でしょ、
そして、寄付すること=善とはなりえないこともある、ってことでしょうか?
これからは心して募金しよう。

グリーンも、モームのように諜報活動をしていた時期があったそうで
この一冊には、その頃の体験が書かれているのかもしれませんね。
モームもそうでしたが、グリーンも敵国が悪という見解から書いているわけではなく
かなり中立な立場から書こうと努力しているように見受けられました。

“ ドラマを見据えて ” というつもりで書いていたのかどうかは知りませんが
『二十一の短篇』同様、映像化されそうな内容のものが多かった気がします。
だけどロケーション的にも、政治的にもドラマ化するのが難しそうに思えるけど…
ドラマになっているのかしらね?

読み応えはありました。
テーマは幅広いし、多重人格的に様々なタイプの表情を見せていて
飽きも感じませんでした。

ただ、いまだに長篇に手が出せずにいます。
一冊読み通すのがしんどそうでね… 私の勝手な思い込みなんですけど。
もう少し短編を読んでから考えます。

ひとことお薬コーナー
急にタコっていうの? ウオノメっていうの? が3つもできちゃって、小さ~いんだけどすごく痛いんです
笑いごとじゃないの! 靴を履くのさえ痛ッというわけでイボコロリを購入…本当に3日後にポロリととれてほしいぞ

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