まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
ゆる~い気持ちでお読み下さい。

『小さき町にて』私の泣きどころ

2008-08-08 00:04:33 | フランスの作家
DANS LA PETITE VILLE 
1898年 シャルル・ルイ・フィリップ

私の弱点はじいさまとばあさまにあり!!
この本を読んで実感しました。

子供や老人を中心に、小さな町の小さな物語を28篇収載。
じいさまやばあさまが出てくる話しはホントに泣けそうです。

全編通して、かなり“死”を淡々ととらえているみたです。
昔だから?フランスだから?農村だから?
理由は分からないけど、“死”は神様の思し召しみたいな感覚で
お葬式の後、いきなり仕事はじめちゃったりするのよね。

最近“死”をヘヴィに伝えすぎる傾向もあるのでね。
「助けてくださ~い!」あたりからやけにそんな気がしますけど
確かに深遠なテーマではありますけど、パターンとしては
『ある愛の詩』とか『絶唱』で完成されていると思うので・・・

じいさま、ばあさまの良い話しをいくつかご紹介します。

『質撲な人の死』
チュルパン婆さんは具合が悪くなってからも爺さんの
食事の支度を続けますが、あっという間に死んでしまいます。

『老人の死』
チュルパン爺さんは、婆さんの死後何も手につかず
3日で死んでしまいます。

『二人の乞食』
サンチュレルの老夫婦は礼儀正しく正直な乞食だったので村の人に好かれていました。
爺さんが死んでしまったので、乞食をやめると挨拶をしにきた婆さんに
村人は寂しい思いを抱きます。

『隣りどうし』
20年間意地悪をし合ってきた二人の婆さんですが
一人が娘の家に引き取られた後、愛しさが募ります。

ドラマティックなことなど何も無い、素朴な話しばかりです。
隣の奥さんが「昨日さ・・・」と言って立ち話をして帰ったみたいな
話しばかりなんですが、泣けちゃうねぇ。

2時間くらいは優しい気持ちでいられるかもしれません。

小さき町にて―フィリップ短篇集 岩波書店


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