まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
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『見えない日本の紳士たち』今後はまる予感…

2013-06-21 01:28:54 | イギリス・アイルランドの作家
THE INVISIBLE JAPANESE GENTLEMEN AND OTHER STORIES 
グレアム・グリーン

以前読んだ『二十一の短篇』同様表紙に惹かれ買ってしまいました。
訳者が違うのかな? 全然違う印象のような気がします。
と思って見てみましたら、編者は同じで訳者も数人は重複していました。
テーマが幅広い作家ということになるのでしょうか? 
執筆活動の期間が長いことも影響しているのかもしれません。

印象に残ったお話しをいくつかあげてみます。

表題の『見えない日本の紳士たち』は『短篇小説日和』で読んでいました。
同じ物語でも訳者によって印象が変わることがあります。
それも翻訳小説を読む面白さのひとつですね。

『過去からの声(Mortmain)』
カーターは10年にも渡るジョセフィンとのすったもんだの末ジュリアと結婚しました。
ハネムーン先にジョセフィンから心のこもったお祝いの手紙が届きました。
ロンドンに戻ると部屋はジョセフィンが心地よく整えていてくれて
温かいメッセージも残されていました。

こわいよ~  考えつくされた復讐劇… になっていくのでしょうか?
まだまだ序の口というところで終わっています。
その後を想像するのが楽しいような怖いような…
復讐を考えている人には参考になるかもしれないね! おすすめはしませけれどもね…

『ショッキングな事故(A Shocking Accident)』
ジェロームは小学生の時寄宿学校で、大作家のように美化して崇拝していた父が
執筆旅行中のナポリで不幸な事故に遭って亡くなったことを聞きました。
ジェロームはその後、父の死について語る時には細心の注意を払って生きてきました。

どうリアクションしたらいいのかわからない死因…
言う方もつらいでしょうが聞かされる方も困っちゃいますね。
その苦労が、小学生に父親の死を告げる舎監先生の姿に滲み出ております。

『慎み深いふたり(Two Gentle People)』
公園のベンチに離れて座っている見ず知らずの男女がいます。
若者の振る舞いをきっかけに会話を始め、会話がはずみ、一緒に食事することになりました。
楽しいひと時を過ごした後、二人は夫と妻がいる各々の家に帰って行きます。

どことなく、大好きなマンスフィールドテイストのお話しでした。
あえて “ 夫と妻が待つ家 ” と書きませんでしたが、そこがこの二人のポイント。
韓国ドラマならなぁ… きっと再会して惹かれあって… なんて展開になるのでしょうが
どうにもならなそうなラストがつらいわ… でもどうにかなってほしい。

性をテーマにしたものから宗教をテーマにしたものと一見両極端に見える物語をはじめ
様々なテイストの短篇が一冊の本におさまっている違和感…
2冊しかグリーンを読んでいない私には、まだまだグリーンらしさがわかっていないようです。
好きな話も嫌いな話もありましたが、好きなものはかなり好きです。

ハヤカワepi文庫には、グレアム・グリーン・セレクションというのがあるらしく
他にも数冊短篇集が出ているようなので読んでみるつもりです。
今からアマゾンで探してみるね。

ひとことK-POPコーナー
BIGBANGの東京ドーム、友達がファンクラブ先行予約に応募してくれたんですけど…
もう12月の公演の予約ですよ! 1年て早いのねぇ…

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