まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
ゆる~い気持ちでお読み下さい。

『女だけの町』不覚にも号泣 ゜゜・(>_<;)・゜

2008-10-23 22:44:40 | イギリス・アイルランドの作家
CRANFORD
1853年 エリザベス・ギャスケル

登場人物のほとんどが婆さまで、こんなにも起伏のない物語に泣かされるとはっ…

なぜか未亡人やオールド・ミスばかりになってしまう社交界を持つ
田舎町クランフォードを舞台に、婆さまの井戸端会議的会話と
ささやかな出来事が書き綴られた物語です。

ね! すごく退屈そうでしょう?
でも、つい微笑みが浮かんじゃうって感じで楽しく読み進めました。

物語の中では、泥棒が出た(らしい)というだけで大騒ぎになり
奇術師がやってきただけで町中が浮き足立つという、のどかでのんきな暮らしぶりや
若い頃の恋や古い手紙から読み取れる
オールド・ミスのマチルダの家族や人生が綴られています。

ある年、町では大事件が3っつおこります。
義妹を訪れていたグレンマイア男爵夫人(未亡人)と家柄の良くない町の医者の結婚
亡き牧師の娘マチルダの破産、そしてマチルダの行方不明の弟で
軍人になっていたピーターの帰還です。

男爵夫人の結婚に関しては、今後どうゆうふうにお付き合いしたらよいか
悩みに悩む婆さまたちの姿が滑稽でもありますが、
マチルダの破産に対して町の人たちがとった行動が…

もうラスト30ページ、女中マーサの “ プディングのくだり ” から号泣ですよ。
しかも電車の中で。(普段は通勤時間にしか本が読めませんでね…)
最後は弟ピーターが帰ってきてめでたしめでたし、です。

田舎町が舞台の上流階級の話しといえば、ジェーン・オースティンが断然有名ですが
彼女が少し辛辣で皮肉を含んでいるのに対し
この物語には、多少からかうようなところがあるとしても
善良で穏やかな感じが満ちあふれています。

絵空事のような話しに鼻白む方もいるでしょうが
この物語はギャスケルが少女時代を過ごした町や住人がモデルになっていて、
ここまで平和ではないにしても、こんな町が存在していたのかと思うと
あながち全てが作り事ではないような気がします。
「昔は良かった」と言う気はサラサラありませんが、少し羨ましいですよね。

こんなに善い人ばかりのユートピアのような町はないでしょうけど
婆さまになったら、こんなところで暮らしたいわ

ここだけの話し、爺さま抜きで女ばっかりでワイワイやってる方が気楽じゃない?
ごはんの時間とか掃除とか気にしなくてもいいしさ。


あくまでも婆さまになってからの話しですけどね

女だけの町 岩波書店


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