今、ここで(Now ,here) by 中村真生子

自分探詩(じぶんさがし)& 山陰柴犬かれんとの日々

光のハグ

2011-08-31 10:53:57 | 自然・植物

情熱的な「赤」

元気な「橙」

明るい「黄」

心落ち着く「緑」

爽やかな「青」

和みの「藍」

神秘的な「紫」。

光の中に佇むと

七色の光が抱きしめるよ。

それぞれを輝かせて。

あなたも

わたしも

分け隔てなくだれもみな。

光の中に佇むと

七色の光が抱きしめるよ。

それぞれが精一杯。

喜びも

悲しみも

分け隔てなくすべてみな。

そうして命は守られてきた。

そうして心は癒されてきた。

ずっとずっと昔から。

光の中に佇むと

七色の光が抱きしめるよ。

それぞれが一つになって。

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朝顔〈ヒルガオ科〉

copyright Maoko Nakamura


「コルチャック先生と子どもたち」Ⅱ

2011-08-30 12:33:59 | 

コルチャック先生は

子どもたちと死んだのではなく

子どもたちと生きた。

最期の最後まで

子どもたちを愛しながら・・・。

そして

今もなお生き続けている。

四つ葉のクローバーを見つけた時の

幸せにも似て・・・

一輪の花が咲いた時の

歓びにも似て・・・

心寄せる人のすぐそばで・・・。

コルチャック先生は偉大だった。

それは

子どもたちとの

死を選んだからではなく

子どもたちとの

生を選んだからだった。

ひたすら

生を選んだからだった。

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ペチュニア〈ナス科〉

copyrigit Maoko Nakamura


秋の歓び

2011-08-29 20:54:03 | 自然・植物

秋は空も芸術家になる。

青いキャンバスに

すぃーと刷毛で絵を描く。

あれは翼を広げたフェニックス

これは踊る乙女たち・・・。

秋は風も芸術家になる。

日焼け残るうなじに

いたずらな羽で詩を綴る。

あれはケンカのビターな詩

これは仲直りのおいしい詩・・・。

秋は夜も芸術家になる。

夕べから朝まで

虫たちの賑やかなコンサート。

あれは情熱的な恋の歌。

これは涙を誘う失恋エレジー・・・。

秋は人も芸術家になる。

空を見上げ

風に立ち止まり

虫の声に耳傾けて

さて、わたしは何を創ろうかと・・・。

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ガーベラ〈キク科〉

copyright Maoko Nakamura


「コルチャック先生と子どもたち」

2011-08-28 23:34:05 | 気持ち

幸せになると聞き

子どもの頃

原っぱで探した

四つ葉のクローバー。

今日

久しぶりに

それを見つけた。

けれど

原っぱではなく

都会のビルの劇場で。

野原だけでなく

人もまた

育むことができるのだ。

大きな大きな

四つ葉のクローバーを。

幸せになると聞き

子どもの頃

ノートに挟んだ

四つ葉のクローバー。

今日

心のノートに挟んでおいた。

大切に・・・。

「コルチャック先生と子どもたち」/

劇団ひまわり 創立60周年記念公演

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アザミ〈キク科〉

copyright Mako Nakamura


あの子だった。

2011-08-27 08:13:00 | 

講演に先立ち

コンサートがあるとかで

登場したのは

中学3年生の女の子だった。

歌い始めた途端

あまりのうまさにびっくりした。

完全に素人の域を超えていた。

聞けば

3歳で歌い始め

4歳でステージに立ち

今はプロを目指して

レッスンをしているとか。

あとで聞いて

もっとびっくりしたことは

近所の子どもだった。

ほら、一斉清掃の時に

これ以上の普通の中学生はいない

という面持ちで

一緒にゴミを運んでくれた

あの子だった。

庭に出ると

時々、聞こえてくる三味線も

あの子だった。

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露草〈ツユクサ科〉

copyright Maoko Nakamura


黄花コスモスの想い出

2011-08-26 10:03:58 | 自然・植物

幹線道路から海へと

真っ直ぐ伸びる

道路の一角に空き地があって

夏の終わりになると

黄花コスモスが咲いていた。

一面をまばゆい黄金色に染めて。

通りかかった人は足を止めて眺め

あるいは少々摘んで持ち帰り

晩夏限定の町の花畑を楽しんだ。

ところがある日

ユンボがやってきて(トンボではなく)

瞬く間に今風のアパートができ

ベランダには洗濯物がなびいた。

黄花コスモスはもう咲かない。

けれどその下には

おびただしい数の種が眠り

いつか咲くことを夢見ているのだ。

こんな穏やかな名残りの夏に・・・。

園芸店に並んでいた

黄花コスモスを庭に植えた。

なんだかあの風景が懐かしく・・・。

そして

どこかで今まだ眠っている

あなたの夢がいつか花開きますようにと・・・。

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黄花コスモス〈キク科〉

copyright Maoko Nakamura


ご飯と結婚と

2011-08-25 10:33:59 | 

「この人と結婚して良かった」

と思ったのは

食べ終わって

ご飯が一粒も残っていない

茶碗を見た時だった。

都会育ちで

男兄弟ばかりで

米は貴重品だったのだろうが

なんだかいい人に思えた。

生活の中で

互いの印象は互いに変わり

消え失せてしまったものも

新しく生まれたもののあるけれど

この習慣は

変わらず続いている。

そして年を取るほどに

ご飯がますます好きになってきた。

今は5分づきの米に

もちきびを少し加えて炊いている。

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稲〈イネ科〉

copyright Maoko Nakamura


未来への追憶

2011-08-24 10:03:58 | 気持ち

遠い昔、あなたはわたしだった。

もっと昔、わたしはあなただった。

わたしたちは入れ替わる。

こころのシッポを残して。

その証しに

あなたが嬉しいとわたしも嬉しく

あなたが悲しいとわたしも悲しい。

遠い昔、わたしはあなただった。

もっと昔、あなたはわたしだった。

わたしたちは入れ替わる。

こころのミズカキを残して。

その証しに

手をつなぐと気恥ずかしく

手をつなぐと心安らぐ。

あなたはわたしだった。

わたしはあなただった。

今も未来も・・・。

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  ホテイアオイ〈ミズアオイ科〉

copyright Maoko Nakamura


わたしのカケラ

2011-08-23 10:04:01 | 自然・植物

大きな瞳のような海よ。

キミはとてもオシャレだね。

毎日、色を変えて

楽しませてくれる。

今日はシックなグレイと

時折見える白いフリルで。

そんなキミに恋をして

ここに住むことを決めたのだ。

ああ、あの日は

目の覚めるような碧いドレス。

けれど今、

瞳に探しているものは

その深み潜んでいる

魚や珊瑚の喜び

難破した船の悲しみ

竜宮城の不思議。

大きな瞳のような海よ。

瞳に探しているものは

その深みに潜んでいる

わたしのカケラ。

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ルリヤナギ〈ナス科〉

copyright Maoko Nakamura


ウグイス道・サクラ道

2011-08-22 10:13:59 | 自然・植物

ウグイスは

同じ歌いを歌い続け

サクラは

同じ花を咲かせ続け

カエデは

同じ葉で装い続ける。

きっぱりと。

すっきりと。

なりたいのは自分。

なんでもなく

だれでもなく。

途中、道に迷ったとしても・・・。

ウグイスは

サクラは

カエデは

自分への道を歩み続ける。

今日もまた。

明日もまた。

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クレオメ〈フウチョウソウ科〉

copyright Maoko Nakamura


秋の温もり

2011-08-21 09:43:59 | 遊び・歳時

山の麓のあずま屋で

コーヒーを仲間といただく。

炒った豆を

挽いてくれたのは子どもたち。

カリカリ挽くのが面白いらしく

手挽きのミルは奪い合い。

「仲良く挽かないと

おいしいコーヒーにならないよ」。

ミルの引き出しを開けると

ふんわり芳ばしい香りが広がる。

お湯を注いで出来上がり。

「外で飲むコーヒーっておいしいよね」。

賑やかな声や笑い声に混じって

もうやってきていた秋の風が

ひんやりと肌を通り過ぎていく。

カップ片手に

海の方を眺めれば

それぞれが歩いてきた道のように

すそ野の風景が続いている。

山の麓のあずま屋で

ただいたのは

コーヒーの温もりと

人の温もり。

来年のこの時まで

またそれぞれが

それぞれの道を歩むのだ。

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ツリガネニンジン〈キキョウ科〉

copyright Maoko Nakamura


ゲーテに教わった神社での祈り方

2011-08-20 08:54:01 | 

「幸せ」「健康」「平和」「成就」・・・。

神社にお参りして

いろんなことを祈願してきた。

ところが

今まで考えもしなかった

祈りの仕方を

ドイツの、200年前の詩から教わった。

ゲーテは記した。

「気持ちよくする生活するには

くよくよしない、腹を立てない、

今を楽しむ、人を憎まない」と。

そして

「未来を神さまに任せる」と。

(「処世のおきて」より)

「神さま、私の未来をお任せします」

今度、神社にお参りしたら

そうお祈りしてみよう。

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ポーチュラカ〈スベリヒユ科〉

copyright Maoko Nakamura


秋の匂い…

2011-08-19 11:14:03 | 自然・植物

8月の終わりの

雨が運んできたものは

秋の匂い・・・。

古い本の

引いたことすら覚えていない

ラインのような、

新しい本の

これからきっと引くに違いない

ラインのような、

懐かしくて新しい

秋の匂い・・・。

レモンの香りのする

紅茶を煎れれば

秋の匂いと混じりあう。

8月の終わりの

雨が運んできたものは

秋の匂い・・・。

草むらではもう虫が鳴いている。

夏を惜しむかのように

少年たちが雨の中を駆け抜ける。

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マンデビラ〈キョウチクトウ科〉

copyright Maoko Nakamura


お盆の赤飯

2011-08-18 10:33:59 | 食べ物

お盆で赤飯をいただく。

栗が入っていた。

小豆もたっぷり。

小豆も栗もほっくり。

日向のやさしい味がする。

もち米は噛むほどにしっとり。

めでたい時や別れの時

また季節行事に

女たちは手間暇かけて赤飯を炊き

気持ちととに噛みしめてきた。

いつの頃からかずっと・・・。

願わくば

途切れさせることなく

次の世代につないでいけますように。

ささやかであり大きな

刹那であり変わらぬ

女たちの願いが込められた

そのやさしい日向の味を・・・。

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タイマツバナ(ベルガモット)〈シソ科〉

copyright Maoko Nakamura


願い

2011-08-17 22:53:59 | 気持ち

あなたの悲しみを取り去る

魔法の言葉があったなら

春の雨のように

やさしくあなたに注ぐだろう。

あなたに喜びを与える

魔法の言葉があったなら

秋の木洩れ日のように

あたたかくあなたを包むだろう。

けれど

そんな言葉は見つからず

ただうろうろするばかり。

されど

あなたは見つけるだろう。

心を解かす魔法の言葉を。

自らの目で

自らの耳で。

足元の野の花に気づくように。

木立の鳥の声に気づくように。

きっとあなたは見つけるだろう。

あなたの心の奥底に。

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ガガイモ〈ガガイモ科〉

copyright Maoko Nakamura