今、ここで(Now ,here) by 中村真生子

自分探詩(じぶんさがし)& 山陰柴犬かれんとの日々

紅色の牡丹

2012-04-30 10:42:35 | 自然・植物

奥の家の庭で

紅いものが目に入り

近づいてみると

満開の牡丹の花。

引っ越しをされて

もう3か月は経つであろうか。

他の鉢植えは

持って行かれたのに

なぜだか残された牡丹の鉢。

忘れられた庭で

一輪咲く

牡丹もまた美しく。

忘れえぬ恋のように…。

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牡丹〈ボタン科〉

copyright Maoko Nakamura


木香薔薇

2012-04-29 11:02:23 | バラ・ハーブ

朝は蕾だった

木香薔薇が咲いた。

長く伸びた枝には

今にも開きそうな

まるい蕾がぎっしり。

見つめていれば

早送りした映像のように

花開く様子が見られそうな

そんなうららかな日。

足元では

桔梗が茎を伸ばし

隣の子どもは半袖Tシャツ。

夏がそう遠くないことを知る。

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木香薔薇〈バラ科〉

copyright Maoko Nakamura


柚子の花

2012-04-28 10:32:46 | 食べ物

吸い物の椀を開けると

ふんわり花の香り。

漂わせていたのは

鯛とぜんまいに添えられた

白い小さな花。

柚子の花だという。

水琴窟の音のように

香りが静かに響き渡る。

この時季ならではの

お楽しみだという。

お椀に一つ

白い小さな柚子の花。

楽しみはささやかなほど

心に深くしみわたり…。

Photo

アジュガ〈シソ科〉

copyright Maoko Nakamura


エール

2012-04-27 10:22:38 | 

笑うように

穏やかに木々が揺れる。

踊るように

軽やかに鳥が飛ぶ。

誇らしげに花は咲き

忙しそうに蜂たちは飛び回る。

海は夏を思い出し

山は冬に別れを告げる。

居るということ

それだけで幸せな朝。

三年(みとせ)の思いを

行いに移した

キミの今朝の心もかくあれ。

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エビネ〈ラン科〉

copyright Maoko Nakamura


営み

2012-04-26 15:03:07 | 気持ち

物語の上に

物語が降り…

物語の上に

物語が積もり…。

その悠久の揺籃に

今日も

物語の上に

物語が降り…

物語の上に

物語が積もり…。

ハラハラと

花の散るごとく…。

Photo

シャガ〈アヤメ科〉

copyright Maoko Nakamura


万華鏡

2012-04-25 10:43:18 | 遊び・歳時

母から譲り受けた水屋の上の

ペン差しの中に

埃をかぶった万華鏡が一つ。

ビーズや折り紙は入っていない

景色を楽しむための

テレイドスコープだ。

いつからここにあったのだろう。

なにげに

手に取って埃を拭き

部屋の中や庭を見てみる。

見慣れた風景が

パターンになってアートを描き出す。

見慣れた風景の

見慣れぬ風景に

しばし居ながらにして旅をする。

薄曇りの春の朝に。

*水屋=茶箪笥

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苧環(おだまき)〈キンポウゲ科〉

copyright Maoko Nakamura


春のご馳走

2012-04-24 22:23:08 | 食べ物

蕗の薹味噌、蕗の佃煮、

筍煮、タラの芽の天ぷら…。

こっちに住むようになって

よく食べるようになった

春のご馳走。

その名の通り

家族や知り合いの人が

春の野に走り馳せ

取ってきてくれた旬の恵み…。

食べるものが変わってきて

何かが変わってきた。

否。

食べるものが変わってきて

確かに変わってきた。

ありがたい

ご馳走に感謝!

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ミツバツツジ〈ツツジ科〉

copyright Maoko Nakamura


キミは語りき

2012-04-23 10:13:16 | 

キミは語りき。

「生とは奇跡なり」と。

キミは語りき。

「今とはかけがえのなき時なり」と。

キミはキミの希望通り

ひっそりと先に逝く。

遅れてやってきた

桜の盛りに。

キミは語りき。

「生とは奇跡なり」と。

「今とはかけがえのなき時なり」と。

在りし日を輝かせて。

思い出すは

ともに過ごした懐かしい時間。

合掌。

Photo

プリムラジュリアン〈サクラソウ科〉

copyright Maoko Nakamura


夕べの雲と朝の雲

2012-04-22 06:53:13 | 自然・植物

温かく穏やかだった

昨日の夕方。

バスを待ちながら空を見上げると

ビルとビルの間に

急ぎ足で旅する雲たち。

夜になって風が強まり

一夜明けて

今もゴーゴーと吹き荒れている。

こんな風の中を

雲たちはどんな勢いで

旅しているのだろうと思って

カーテンを開けると

否、どっしり腰を据えていた。

まるでお茶でも飲みながら

静かに見下ろしているように。

木々は揺れに揺れ

川さえも海のように波立っているというのに。

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木瓜(ぼけ)/バラ科

copyright Maoko Nakamura


花の輝き

2012-04-21 11:15:48 | 自然・植物

青い光、赤い光…

黄の光、紫の光…

緑の他の

いただいた光で

体を養い

その光で

花びらを染め

それぞれの光となって

大地を輝かせる花々よ。

花は輝く。

いただいた光の

お返しをするように…。

お日様に向かって

あるいは

照れくさそうにうつむき加減に

「ありがとう」と。

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芝桜〈ハナシノブ科〉

copyright Maoko Nakamura


雨の記憶

2012-04-20 10:22:46 | 自然・植物

喧噪は雨粒に吸収され

雨粒は和音となって

大地の鍵盤をやさしくたたく。

小鳥たちは控えめで

きっと木立の中で

雨粒の音楽を聴いているのだろう。

木々や花々は身を清め

銀の飾りを付けて

誇らしげにすくっと佇む。

ミモザはとりわけ美しく

黄色い花や羽の葉に

いっぱいの銀の玉。

4月の雨の朝。

絶え間のない雨粒に

天と地が結ばれて

天と地が

ひとつであること思い出す。

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ミモザ〈マメ科〉

copyright Mako Nakamura


闇と光の呼吸

2012-04-19 10:33:01 | 自然・植物

闇のあとに陽は昇り

闇のあとに芽は吹き

闇のあとに花は開く。

闇はあらゆるものの

生まれいずる故郷。

人もまた

闇のあとに目を覚ます。

そして光の中で

ともに輝く。

ひとつに溶け合って…。

さりげなく

ここにある闇と光の呼吸。

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紫系のチューリップ/鬱金香(うこんこう、うっこんこう)〈ユリ科〉

copyright Maoko Nakamura


然りの道

2012-04-17 10:33:02 | 気持ち

想いがゆらぎ

互いのゆらぎが重なって

重なりの密度が増し

今日もかしこでビッグバン。

それぞれの

新しい物語が紡がれていく。

偶然のように。

けれど

時が経ち

振り返れば

そこに

ゆるぎなき必然の道。

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チオノドクサ(雪解百合)〈ユリ科〉

copyright Maoko Nakamura


雑草ガーデン

2012-04-16 10:44:01 | 自然・植物

今、庭でいちばん勢いがあるのは

カラスノエンドウ。

ピンクの小さな花が咲く草花だ。

その繁殖力にはすさまじいものがあり

確実にテリトリーを増やしつつある。

抜かなければと思っていたところ

“バラは雑草と育てよう。

カラスノエンドウは土壌改良に欠かせない。

絶対抜かない大切な雑草”という記事が目に留まる。

確かに伸び放題のカラスノエンドウの中で

バラばかりか

ムスカリやハーブ類も元気に育っている。

虫を食べてくれる七星てんとう虫の姿もちらほら。

雑草は土を耕し、有機肥料を供給し

枯れるとマルチングや肥料の効果もあるという。

ドクダミやクローバーやナズナもしかり。

きっと草花たちは

寂しがり屋だったり

おせっかい好きだっりするのだろう。

だからきっと仲間といると元気になるのだろう。

私たちがまたそうであるように…。

そんなわけで今年は雑草ガーデンにトライ!

草取りをさぼろうというわけでも

半分ありますが…。

*『花ぐらし』(家の光協会)2012春号 鈴木せつ子さんの記事より

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花桃〈バラ科〉

copyright Maoko Nakamura