今、ここで(Now ,here) by 中村真生子

自分探詩(じぶんさがし)& 山陰柴犬かれんとの日々

逢魔が時

2015-06-30 09:40:51 | 自然・植物
鳥か獣か
夕暮れの空を
魔物が駈ける。

その先には
紅い珠。

「もしも、おまえが
あの紅い珠を捕まえたなら
時のすべてをおまえにやろう。
そしておまえは
不死鳥となる」

「おお、わたしは
あの紅い珠を捕まえよう。
時のすべてを手に入れ
そしてわたしは
不死鳥となるのだ」

鳥か獣か
夕暮れの空を
魔物が駈ける。

その先には
黒い闇。


空と雲

なんだか、なんだか

2015-06-29 09:06:21 | 気持ち
なんだか
楽しい。
なんだか、なんだか。

なんだか、なんだか
楽しい。
なんだか、なんだか、なんだか。

なんだか、なんだか、なんだか
楽しい。
だんだか、なんだか、なんだか、なんだか。

そう思うと
なんだか
楽しい。

なんだか、なんだか、なんだか、なんだか
楽しい。
だんだか、なんだか、なんだか、なんだか、なんだか。

きっと
おてんとうさまが笑っていたから。
きっと
木の葉が笑っていたから。
きっと
あの子が笑っていたから。

なんだか
楽しい。
なんだか、なんだか。


大山と日本海(鳥取県)




ある光景

2015-06-28 09:35:18 | 
時間が迫る中
彼は一人のために
その傍らにたたずんだ。

そして
時間が迫る中
彼はしばしその一人と
時をともにした。


すべての人の傍らに佇み
すべての人と時をともにした。
その場にいた
二千人近い人々の。

たった一人に
そうすることで。

その光景を
胸に焼き付けた。

思い出すべき時に
いつでも
思い出せるようにと。

彼との時間は終わった。
そして
新しい歩みが始まった。


振り向き「かれん」

雨の朝

2015-06-27 09:24:29 | 「かれん」
犬は食み
雨はこぬか。

空も大地も
いまだ弔いの中。

天を目指して
飛翔し
星々とまじりて
空(くう)を焦がし
地へと落ていった
幾万もの蛍たちの。

犬は食み
雨はこぬか。

人恋しき
雨の朝。
秋のような。


雨の日の「かれん」

親戚のおばあさん

2015-06-26 08:51:52 | 
時々思い出す
親戚のおばあさんのこと。

家が近くだったので
よく遊びに行った。

いつも優しい
小さなおばあさんだった。

けれどそれは
悲しい想いを
たくさんした故か。

女手一つで娘を育て
畑と田んぼの他の
どこへも行かなかった。

けれど
ある日、思い立って
遠くに出かけた。
まだ見ぬ実の母に会うために。

帰ってくると
畑と田んぼの他の
どこへも行かなかった。

そうして
ますます小さくなって
天国へと旅立った。
自分の家で安らかに。

時々思い出す
親戚のおばあさんのこと。
優しい笑顔と優しい言葉。
生前は知ることのなかった
その胸のうち。


バラ〈バラ科〉

人、人に出会う

2015-06-23 09:19:40 | 気持ち
人、人に出会って
心に湧き上がるものあり。

その湧き上がったものをみるに
どうもおさまりどころがよくない。

別のものを湧き上がらせてみる。
すると、いかようにでも
湧き上がらせることができることを知る。

いろいろと湧き上がった想いを比べて
心のおさまりどころを調べてみる。

おさまりどこのよきものを
標準として脳に記憶させる。

人、人に出会って
自分に出会う。


堤防の上に立つ「かれん」

心の鏡

2015-06-22 09:54:11 | 気持ち
何を映そう
心の鏡に。

旅する雲たち
風にそよく木々
花とミツバチ
悠々と舞う鳥…。

何を映そう
心の鏡に。

カメオのネックレス
オレンジ色のスカーフ
二番咲きのバラたち
上弦の三日月…。

何を映そう
心の鏡に。

意識を向けたものは
なんでも映してしまう
心の鏡に。

映したものが
その糧ともなる
心の鏡に。


池に映った空

父親似

2015-06-21 09:38:56 | 「かれん」
「かれん」の父親は。
ちょっとワイルドな感じで
学ランが似合いそうなタイプだ。
決してブレザーではなく。

母親はもの静かだけど
芯の強そうなタイプ。

この頃
父親に似てきたなと思っていたら
散歩で出会う方から
同じようなことを言われた。
「かれんちゃんは父親似だね」と。

春に行った「山陰柴犬物語」の
「かれん」の
お父さんとお母さんの写真を
見ていてちゃんと
覚えていてくださってたのだ。

そんな優しい気持ちを感じてか
「かれん」は
手をペロペロとなめ始めた。

その「かれん」の目が
潤んで見えたのは
気のせいだろうか。

そう思って
もう一度見ると
やっぱり潤んで見えた。


お気に入りのおもちゃで遊ぶ「かれん」

散歩のあとで

2015-06-20 09:32:05 | 「かれん」
散歩から帰って
スペースに入れようとすると
まだ入りたくないと
踏ん張って
ブレーキをかける。

玄関先に腰かけて
なでてあげる。

つやつやとした毛
たるみのない体。
伝わってくる
若犬のエネルギー。

きみは時折
傍らに
とどまって立つ。

今を
互いに感じるために
こんな時間こそ
大切なんだよと。


鳥を見上げる「かれん」

散歩の途中で

2015-06-19 09:37:39 | 「かれん」
散歩の途中で
きみは何度も振り返る。
わたしの様子をうかがうように。

「ちゃんといるかな」
「このまま行っていいのかな」
「怒ったりしていないよね」

犬が人と暮らし始めて
1万5000年から2万年という。

互いのDNAの中に
互いの想いを刻みながら
重ねた日々は
およそ550万~600万日。

散歩の途中で
きみは何度も振り返る。
わたしの様子をうかがうように。

「いつも一緒だよ」
「いっぱい散歩を楽しんで」
「大好きだよ」

人が犬と暮らし始めて
1万5000年から2万年という。

互いのDNAの中に
互いの想いを刻みながら
新たな1日を重ねていく。

散歩の途中で
きみは何度も振り返る。
犬と人との時間を
振り返るように。

わたしはきみに
何度でも笑顔を向ける。
人と犬との未来を
見つめるように。


堤防にたたずむ「かれん」

わんことDNA

2015-06-18 10:00:58 | 「かれん」
犬は
タイリクオオカミが家畜化したのが
その始まりとされ
共に暮らし始めて
1万5000年から2万年の
歴史を持つという。

その後
特徴のある犬を掛け合わせることで
さまざまな犬が作り出され
今では350~400種いるという。
ただし、そのほとんどは
200年以内に作られたものである。

DNAを調べ
「オオカミ系」
「牧畜犬系」
「猟犬系」
「使役犬系」に分けた時
最も「オオカミ系」のDNAを
持っているのが柴犬であった。
その率は9割を軽く超えている。
残りの分は猟犬、牧畜犬、使役犬の順。

そして
柴犬はDNA的に縄文犬であるが
山陰柴犬は
珍島犬などに近いDNAを持つため
弥生時代に渡ってきた
弥生犬とされている。

ところで
調べられた85種の中で
秋田犬を抑えて
2番目に「オオカミ系」のDNAを持っていたが
チャウ・チャウであった。
あの毛がふわふわで目が小さい。

ちなみに
DNA的な特徴は犬種の特徴であり
個体差はあるよう。

参考:『ナショナル・ジオグラフィック日本版』2012年2月号


公園で遊ぶ山陰柴犬「かれん」
山陰柴犬は、山陰の優れた犬を残そうと、
鳥取県の因幡犬と島根県の石見犬を掛け合わせ、戦後に作られた犬。
因幡犬の特徴が多く出ている。

時標(ときしるべ)

2015-06-17 14:00:03 | 自然・植物
いつものように
散歩に出かけた
いつもの公園。

いつもと違うのは
すっくと伸びた
ピンクと白の螺旋の花。

今年初めての
ネジバナ。

ネジバナが咲くと
思うのは
誕生日が近いこと。

野の花は
巡る季節の
時標(ときしるべ)。

ネジバナが咲き
ネジバナと
ともに迎える誕生日。


犬、猫に出会う

2015-06-16 10:02:44 | 「かれん」
いつも公園に
子猫の先客。

やってきた「かれん」を
じっと見ている。
逃げる風もなく。

「かれん」が近づいて
伏せをしていると
猫もソロリソロリと
「かれん」に近づき
けれど
あとわずかのところで
猫は例によって背中を丸め
明らかな戦闘態勢。
かなり本気な。

引き離せば
互いに定位置に帰り
互いに半ば気にしながら
「かれん」はボールを追いかけ
猫は「かれん」の様子を見ながら
時折、藤の木に登ろうと爪をかける。

猫はどこへでも行けるのに
どこへも行かず
じっと「かれん」を見ている。

「かれん」は猫に近づけるのに
ボール拾いという
自らの仕事にいそしむ。
それが淑女たる犬の
あるべき姿である
といわんばかりに。
ふと、猫を追いかけたくなる
むずむずした気持ちを抑えて。

そして、
「かれん」が帰ろうとすると
猫もどこかへ引き上げた。

「やれやれ、やっと行ってくれた」と
言わんばかりに。

犬、朝の公園で
猫に出会う。
平和裏に別れる。


猫と「かれん」

さんぽ。

2015-06-15 09:44:11 | 「かれん」
ありがとさんぽ。
きらきら太陽 おはようさん。

ありがとさんぽ。
ずんずん歩くの うれしいな。

ありがとさんぽ。
くんくんにおうの 楽しいな。

ありがとさんぽ。
どきどき出会い よろしくね。

ありがとさんぽ。
わくわく1日 始まるよ。

ありがとさんぽ。
さんぽのあとは
ご飯とお昼寝。

ありがとさんぽ。
わくわく1日 始まるよ。



「ロック」さんと「かれん」

シナプス

2015-06-14 09:27:18 | 気持ち
シナプスの
先端には
川のような隙間。

想いが
その隙間を泳ぎ切り
向こう岸に
想いを届ける。

あなたのことを
想っていると。

シナプスの
先端には
川のような隙間。

わたしが
わたしでありながら
あなたと
つながることのできる
川のような隙間。


花と「かれん」