黒点病や
シジミの幼虫などに食べられて
棒のようになったバラの枝に
赤子のような葉が生まれた。
銅色のやわらかな。
赤バラにも黄色のバラにも
ピンクのバラにも白いバラにも・・・。
「舞踏会に間に合うよう
素敵なドレスを仕立てなくては」と
張り切っているかのように。
バラたちはしばしば
気の毒なくらい葉を落とす。
そして幹や枝だけになって
しばし意気消沈して佇んでいる。
けれど再び
随所から瑞々しい葉を芽吹かせる。
何かをふっ切った後のように
グングンと力強く。
大変な作業であろうが
むしろそれを楽しんでいるかのように・・・。
ああ、秋には
どんな舞踏会が開かれるのだろう。
主催はスレイン鉢に住んでいる
カエルの王様か。
そうだ!
招待者リストにそっと私の名前を記しておこう。
バラ〈バラ科〉
copyright Maoko Nakakura