今、ここで(Now ,here) by 中村真生子

自分探詩(じぶんさがし)& 山陰柴犬かれんとの日々

高原の町へ

2014-08-31 23:48:17 | 

8月最後の日

秋が舞い降りはじめた

高原の町へ。

久しぶりの母との遠出。

花を見て食事をして

ソフトクリームを食べたりした。

ありふれた

楽しい思い出が

また一つ。

写真は撮らなかったけど

心のアルバムに

貼っておく。

かけがえのない

楽しい思い出の

一つとして。

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タンジー〈キク科〉                      今日は野球部の「かれん」

copyright Maoko Nakamura


きらめく。

2014-08-30 14:00:43 | 自然・植物

上着を羽織らないと

寒くなった朝の散歩。

草むらには

夜明け前に降った

雨粒がぎっしり。

そのひと粒ひと粒に

秋のたよりきらめく。

こんなふうに

目には見えないけど

塀からはみ出した

サルスベリの紅い花や

畑仕事のお年寄りの

麦わら帽子にも

土を耕すクワ音にさえも

秋のたよりきらめく。

夏の思い出が座っている

公園のベンチや

わたしの日焼けした腕にも…。

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千日紅〈ヒユ科〉                     大山と「かれん」

copyright Maoko Nakamura


足跡

2014-08-29 16:43:52 | 「かれん」

キミは

その足跡が

自分のものであることを

知っている。

キミは

その足跡を笑うことなく

ただ受け止める。

それがどんなに青く幼くても

それがいかに茶色く老いていても。

寸分の疑いもなく

自分のものだと…。

青だの茶色だのの

色をつけることなく

ただ受け止める。

自らがもっとも信頼する

その嗅覚で…。

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キバナコスモス〈キク科〉                  ぽりぽり中の「かれん」

copyright Maoko Nakamura


虫の声

2014-08-28 22:06:35 | 自然・植物

虫の声に見送られて

散歩に行き

虫の声とともに

散歩をし

虫の声に迎えられて

散歩を終える。

今年、最初で最後の

今日の花火は

涼しい風の中。

朝と夕はすっかり秋。

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キンミズヒキ〈バラ科〉                  良い子のポーズの「かれん」

copyright Maoko Nakamura


海・雲・山

2014-08-27 11:54:00 | 自然・植物

海は雲を食べ

雲は山を食べ

いつもは

遠く見つめ合うだけのものが

一つとなる。

海は喜び

ごうごうと喝采を送り

雲は歓喜の涙を

しと降らせる。

山はすべてを受け入れ

体をくねらせる。

おまえたちの

極まる歓喜の中にあって

わたしたちは

極まる悲哀の中に佇む。

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山で見かけた紫陽花〈アジサイ科〉        サッカーボールと「かれん」

copyright Maoko Nakamura


2014-08-26 10:23:23 | 「かれん」

車の車体に映った

自分の姿に

「ウォウォ…」と吠える犬よ。

車の後ろに回って

その正体を

確かめようとする犬よ。

安心せよ。

自分の影におびえるのは

おまえだけでないことを

知っている。

そしていつか

影に吠えることが

自分を疲れさせる以外の

何ものもたらさないことに

おまえが気づくことも。

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ルリヤナギ〈ナス科〉                    「かれんちゃん」「は~い」

copyright Maoko Nakamura


2014-08-25 14:40:08 | 気持ち

おまえは旅を続けているか。

初めて見る風景に

声を上げるほど

笑いがこぼれた時のように。

おまえは旅を続けているか。

思いがけない出来事に

とめどもなく

大粒の涙を流した時のように。

おまえは旅を続けているか。

遠くに行こうが

留まっていようが。

おまえは旅を続けているか。

毎日違う風景に出会うような

瑞々しい気持ちで

毎日違う日に出会うような。

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クサギ〈シソ科〉                     空と大山と「かれん」

copyright Maoko Nakamura


つゆくさ

2014-08-24 10:49:43 | 自然・植物

あちらこちらで

始まった虫の音楽会。

それを聴くために

今年もやってきた

常連さん。

コバルトブルーの

オーガンジーで着飾った

妖精たち。

人はそれを

つゆくさと呼ぶ。

仕度に手間取り

いつもやってくるのは

夜が明けてから。

そでも

朝いちばんでやってきて

午睡の時間まで

虫たちのコンサートを

たっぷりとご堪能。

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つゆくさ〈ツユクサ科〉                「かれん」のアップ

copyright Maoko Nakamura


大山滝へ

2014-08-23 23:20:59 | 自然・植物

沢の音に導かれ

夏の終わりの

森を歩く。

見上げれば

満開のクサギの木に

幾羽ものクロアゲハ。

傍らには

シシウドの

線香花火のような

白い花。

沢の音に導かれ

夏の終わりの

大山滝へ。

そうして

ごうごうと流れる落ちる

滝壺にて

山の精のような

白いミストに包まれる。

その清らかさ!

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シシウド〈セリ科〉                    朝日と「かれん」

copyright Maoko Nakamura


小さな店

2014-08-22 22:14:45 | 

夕方になると

そわそわした

金曜の夜。

毎週のように通った

カウンターだけの

小さな店。

今日もきっと

レコードで

ジャズが流れ…。

今日もきっと

ママがいて

常連さんがいて…。

金曜の夜になると

ふと思い出す

小さな店。

若い日の

たくさんの涙とため息と

ほんの少し喜びが

カウンターに

こぼれたお酒と一緒に

染み込んだ

小さな店。

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ハナトラノオ〈シソ科〉                  「かれん」の横顔

copyright Maoko Nakamura


あなたの心へ

2014-08-21 14:49:36 | 気持ち

野を越え、山を越え、違いを超え

あなたの心へ。

川を越え、海を越え、違いを超え

わたしの心へ。

涙はいつか

心を潤す恵みの雨となり

悲しみはいつか

喜びを連れ戻す風となり…。

野を越え、山を越え、互いを超え

互いの心へ。

そして

そっと差し出す手と手。

懐かしくて真新しい手と手。

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ニラ〈ヒガンバナ科〉                    爆睡中の「かれん」

copyright Maoko Nakamura


紅い花弁

2014-08-20 11:48:11 | 自然・植物

うつむき加減に歩く

足元に

紅い涙のような

小さな花弁。

見上げれば

紅色の百日紅の木。

残りの花も

あとわずか…。

はらりはらりと

夏が過ぎてゆく。

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サフランモドキ〈ヒガンバナ科〉              砂浜で遊ぶ「かれん」

copyright Maoko Nakamura


出会い

2014-08-19 21:32:44 | 気持ち

出会っている人との

新たな出会い。

人は

新しい自分に

出会うたびに

友のなかの

新しい友に出会う。

今日もこうして…。

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ポーチュラカ〈スベリヒユ科〉             大山と日野川と「かれん」

copyright Maoko Nakamura


2014-08-18 14:27:13 | 自然・植物

山のいで湯。

頭の上で

蝉が鳴く。

その鳴き声は

町で聞くより

大きく力強く…。

無為~ん、無為~ん、

無為~ん、無為~ん

無為~~~~~~ん。

そしてぱたりと

声は消え

待てど暮らせど

もう聞こえてこない。

あとは

自分で考えろとでも

言わんばかりに…。

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コスモス〈キク科〉                       堤防の上を歩く「かれん」

copyright Maoko Nakamura


航路

2014-08-17 12:39:54 | 

あの日

船は港を出て

それぞれに航路をとった。

あなたがとった路は

いつも優しさにあふれていた。

時折りやってくる海鳥に

休む場所と餌を与え

大波の時には波に寄り添い

凪の時は波と戯れ

太陽に笑い月に涙し…。

あの日

船は港を出て

今日

こうして同じ港に集いあった。

あなたがとった路は

いつも温かさにあふれていた。

波と風と鳥の声と

魚の跳ねる音とを

すっかり包んでほほ笑んでいる

朝靄のような…。

そして再び船は出る。

それぞれの航路へと…。

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パンパスグラス〈イネ科〉                   天使の梯子と「かれん」

copyright Maoko Nakamura