今、ここで(Now ,here) by 中村真生子

自分探詩(じぶんさがし)& 山陰柴犬かれんとの日々

海の響き

2017-05-31 09:52:07 | 自然・植物
波が寄せ返す音は
羊水の中で
胎児が聞いている音に似ていると
何かで読んだことがある。

そして
羊水の組成は
太古の海水の組成に似ているとも。

海辺に佇み
波の音を耳するするとき
想像してみる
羊水の中にいたころ。

確かにあった
今は老女となった母の
腹の中にいたころを。

頭の両側の
貝の殻をそばだてながら。

cf
「わたしの耳は貝の殻。
 海の響きを懐かしむ」
(ジャン・コクトー/堀口大学訳)


皆生海岸。

きみは言う

2017-05-30 10:15:28 | 「かれん」
ほら見てごらん。

きみは言う。

言葉ではなく心で
きみは言う。

きには言う。
静かに静かに
きみは言う。

この静寂を
壊さぬよう。

きみは言う。
しゃべらないことで
きみは言う。

ほら見てごらん。


夕焼け色の海

黄昏色の海

初めてのしつけ教室

2017-05-28 15:47:01 | 「かれん」
犬のしつけ教室に行くと言うと
「かれんちゃんは行く必要あるの?」
と言われる。
確かに散歩や外で遊んでいる時
人に吠えたり
犬に吠えたりということは
ほとんどない。(たまにはあるが)

時々、引っ張ることはあるが
それなりの理由がある。

それ以外の時は
問題なく散歩できる。

でも、気になるところもあり
また興味もあったので行ってみた。

がしかし。
超びびり~なのである。
プラス志向で言えば
超用心深いのである。

なので
しつけ教室に行ったものの
中になかなか入れず。
やっと入っても尻尾をたらしたまま。
先生からも
「無理にはしないほうがいい」と言われ
見学だけすることに。

出産子育てを体験しても
肝っ玉母さんにはなれないかれん。

けれど収穫がひとつ。
行きは初めて乗る友人の車で行ったが
(後部座席では友人の犬が吠えていた)
かれんは自分から乗ってくれた。
乗ったあとは少し震えていたが
それも落ち着いた。

かれんもかれんなりに努力をし
少しずつ克服しようとしているのだ。

一緒にいろんな体験をし
そうしてわが犬をまた少し好きになる。




今朝、しつけ教室へ行く前のかれん。

鳥だった頃

2017-05-27 15:27:24 | 気持ち
子どもの頃は
鳥に似て
実のなるところを
知っていた。

ゴブの実
クワの実
ゆすらうめ。
名前が思い出せない
紫色の実。

食べごろになると
友と行き
鳥のように
競って食べた。

確かにあの頃は
鳥だった。

ゴブの実
クワの実
ゆすらうめ。
名前が思い出せない
紫色の実。

友と一緒に
どこへでも
自由に飛んで
遊びに行った。


ゆすらうめ〈バラ科〉

五月の光

2017-05-26 12:02:29 | 自然・植物
寝転んで
仰ぎ見れば
光戯れる
木の葉の上。

ひとりぼっちで
寂しいならば
わたしが遊んであげようと
光の精が
キラリキラ。

お気遣い
それはどうも
ありがとう。

いえいえなんの。
愛を咲かせる
五月の光の役目です。


藤〈マメ科〉

イチゴとソラマメ

2017-05-25 10:48:51 | 食べ物
もしわたしがイチゴなら
あなたはソラマメに違いない。

もしわたしがソラマメなら
あなたはイチゴに違いない。

路地で色づく真っ赤なイチゴ
緑のさやの大きなソラマメ。

イチゴとソラマメを食べなければ
5月になった意味はない。

あなたにとってのわたしが
わたしにとってのあなたが
喜びの源であるように。

5月のイチゴとソラマメ。
初夏を彩る喜びの赤と緑。


ハマボウフウ〈せり科〉

ミステリーツアー

2017-05-24 12:07:39 | 自然・植物
ミステリーツアーを
待っている
赤い実が一つ。

他の実たちは
もうすでにご出発。

鳥のおなかの
飛行機に乗って。

飛行機代は
真っ赤な果肉。

降りる時は裸一貫
新天地で再出発。

ミステリーツアーを
待っている
赤い実が一つ。

行き先はわからない
ミステリーツアー。


ソメイヨシノのサクランボ〈バラ科〉