障子がなくなって
障子張りのボランティアがなくなり
庭が整備されて
草むしりのボランティアがなくなり
部屋が個室となって
自習時間のボランティアがなくなり・・・。
「ボランティアの内容も
時代とともに様変わりしたよね」と
それぞれが思い出を
懐かしく振り返った年度の大晦日。
新しい年度も
元気で続けられますように・・・。
カランコエ
copyright Maoko Nakamura
正月は大雪のため
出雲大社に行くこと叶わず。
なんとか年度内にという
母の願いでお参りに行く。
高速が延びて
大社まで１時間ちょっと。
昔に比べて
随分近くなった。
平日にも関わらず
境内はたくさんの人。
曲がっていた母の背が
お社の前で
しゃんと伸びる。
いつまでこうして行けるのか。
それを思うと
ありがたさがいっそう心に沁みる・・・。
おだまき
copyright Maoko Nakamura
光が引いていく
黄昏時に
時間の中に留まって
辺りの気配を感じる。
光を感じ
闇を感じる・・・。
静けさを感じ
音を感じる・・・。
寒さを感じ
温かさを感じる・・・。
確かな春を感じる。
水仙
copyright Maoko Nakamura
不平は金の鉱脈。
その土くれを
感謝の気持ちで洗うことで
心はピカピカと輝く光を放つ。
不満はダイヤモンドの原石。
その塊を
感謝の気持ちで磨くことで
心はキラキラと輝く光を放つ。
不平不満は宝の山。
感謝の気持ちで洗い、磨くことで
人を内から輝かせる宝の山。
ボケ
copyright Maoko Nakamura
花だけ見れは
バラと見間違うのは
一輪の椿。
しかれど
やはり椿である。
椿として
生きてきた経験が
咲かせる花なれば・・・。
椿
copyright Maoko Nakamura
ルッコラの
伸びた花芽を摘んで
部屋に飾る。
ロザリオのような
薄紫色のその花に
安らかな春を祈りつつ・・・。
ルッコラ
copyright Maoko Nakamura
晴れたり
雨が降ったり
雪になったり
また晴れたり・・・。
朝から
めまぐるしく天気が変わる。
喜びと不安と期待と
さまざまな想いが去来する
花嫁の心のように・・・。
そして
大地から
ベールのような
やわらかな霧が立ち上る。
春の訪れを奏でるように・・・。
ラッパ水仙
copyright Maoko Nakamura
世界の人が流した
涙を集めると
どれくらいの量になるのだろう。
世界の人が口ずさんだ
祈りを数えると
どれくらいの数になるのだろう。
その量りきれない涙が
その数え切れない祈りが
確かな力となって
１日も早く
すべての人が
安らぎを取り戻せますように・・・。
椿
copyright Maoko Nakamura
「ぼくらの理由」。
盛岡市の近くの巣子にその喫茶店はある。
詩人の大坪れみ子さんがされており
店内には全国から寄せられた詩集や同人誌が並んでいる。
拙著を送り、いつか行ってみたいと思っていた。
そんな折、所用で仙台に行くことになり
大坪さんに連絡を取った。
盛岡駅まで迎えに来てくださり、方々を案内してくださり
初対面にもかかわらず、一宿一飯のお世話にまでなった。
2月の凍てつく日だったと思う。
山陰の2月も寒いが、もっと底の深い寒さだった。
お母さんが用意してくださった湯たんぽの温もりが忘れられず
帰って湯たんぽを買った。
あれからもう十年近く経つだろうか・・・。
＊
復興の石鎚が聞こえ始める中、
「東北は日本でいちばん素晴らしい地域になる」。
そんな声が聞こえてきた。
否、世界でいちばん素晴らしい地域になるのだ。
＊
灯油不足が解消されるだろう来週当たりから
「ぼくらの理由」も再開する。
それぞれの歩みが始まっている・・・。
沈丁花
copyright Maoko Nakamura
名残の木枯らしとも
春一番ともわからぬ
強い風の中に舞う白きもの・・・。
雪のようにも思えたそれは
梅の花びら。
正月の雪で
枝を割かれながらも
たわわに花を咲かせた
古梅の花びら。
名残の木枯らしとも
春一番ともわからぬ
強い風の中に舞う白きもの・・・。
涙のようにも思えたそれは
ここにある春の萌し。
梅
copyright Maoko Nakamura
人のために
喜んだり
楽しんだりして
何かをさせてもらうことほど
気がつけば
自分を元気に
してくれるものはなく・・・。
喜んだり
楽しんだりして
させてもらうことで
元気の貯金が増えていく・・・。
ヒヤシンス
copyright Maoko Nakamura
出口が見えない日々に
守ってくれた言葉。
「あなたは粘り強いから
乗り切れるよ」。
ともに過ごしてきたあなたの
わたしに向けられた
励ましの言葉は
心に深く沁み入り
その言葉に守られて
わたしは自ら出口を見つけていく。
ジュリアン
copyright Maoko Nakamura
「生きていてくださってありがとう」。
会ったこともなく
これからも
会うことはないだろう私の
この言葉が
あなたに届くことは
ないかもしれないけれど・・・。
それでも
あなたに言いたくて・・・。
「生きていてくださってありがとう」と。
こでまり
copyright Maoko Nakamura
クリサンセマム
ジュリアン
こでまり・・・。
買った花は
気がつけば白い花ばかり。
久しぶりの
温かなか陽光の中で
花たちを庭に迎え入れる。
あの悲しみと
ともに生きるために・・・。
クロッカス
copyright Maoko Nakamura
心の中に芽生えた
思いを育てよ。
赤子のような小さな思いを。
見守りながら
励ましながら
十分に育つまで辛抱強く・・・。
心の中に芽生えた
思いを育てよ。
やがて
大きく花開き
辺り一面に春の香りを放つ
未だ赤子のような小さな思いを・・・。
クロッカス
copyright Maoko Nakamura