今、ここで(Now ,here) by 中村真生子

自分探詩(じぶんさがし)& 山陰柴犬かれんとの日々

さりげない知恵

2012-12-31 09:13:12 | 遊び・歳時

温泉の湯船の中。

「じゃあ、10数えよう」

と母親が言った。

「1.2.3.4.5…」

子どもは大きな声で

数を数える。

「6.7.8.9…」

「10!」

と同時に

勢いよく湯船から上がる。 

数を学びながら

約束事や我慢を学び

心の通い合いも学ぶ。

しっかり温まることで

風邪なども遠ざける。

日本の暮らしには

野の花のような

さりげない知恵がいっぱい。

来年も

そんな知恵が元気に咲く

良い年になりますように…。

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山茶花〈ツバキ科〉

copyright Maoko Nakamura


食べ納め

2012-12-30 12:01:03 | 食べ物

誘われてカレーを食べに行く。

年配の女性が二人で切り盛りしている

カウンターだけの小さな店だ。

ハンバーグカレーのハンバーグなど

その場で玉ねぎを切ってこねて焼く。

どんどんやって来る客の

どしどし出されるオーダーに

女性たちは休む暇なく動き

カウンターに手早くオーダー品が並んでいく。

その間、もちろんレジもこなす。

インドカレーは450円

手作りハンバーグカレーは650円。

時折り、常連客の「良いお年を」

という声が店内に響き渡る。

年納めの大事な行事が

また一つ終わったかのような

満足した声で…。

スパイスでポカポカした体で

入ってきたガラスの扉を

開けて外に出れば

冷たい風に混じって

新しい年の足音がひたひたと…。

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アリッサム〈アブラナ科〉

copyright Maoko Nakamura


今年の年越し

2012-12-29 20:58:42 | 遊び・歳時

いつもなにげなく

見送ってしまう行く年。

いつもなんとなく

迎えしまう来る年。

今年は

一つ決心をした。

笑いながら行く年見送り

笑ながら来る年迎えようと。

何も長く笑っている

必要はなく

カウントダウンが

始まったら笑えばいいのだ。

ほんの10秒ほど

何もかも忘れて。

終わりよければすべてよし。

笑う門に福来たる。

やってみない手はないと思う。

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ジュリアン・プリムラ〈サクラソウ科〉

copyright Maoko Nakamura


幸せの種

2012-12-28 17:00:25 | 気持ち

気づきは一粒の種。

気づきの種を

育てることで

自分ならでは

花が咲き

実が実る。

気づきは一粒の種。

それぞれの中に

尽きることなく

存在している

一粒ずつの種。

気づきは一粒の種。

気づくことで

自らを咲かせ

実らせてくれる

幸せの種。

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金魚草〈ゴマノハグサ科〉

copyright Maoko Nakamura


大掃除

2012-12-27 14:49:10 | 遊び・歳時

新年まで

あと4日とちょっと。

それでも

そんな気分にならないのは

きっとまだ大掃除を

していないからだろう。

掃除をしながら

いろんなことを思い出し

捨てるものを捨て

残すべきものを残し

一緒に気持ちも整理する。

きっとそんなことを

まだしていないからだろう。

立ち止まって

まんべんなく周りを見渡し

しみじみと過去を振り返り

さあ、大掃除。

そして

すっきりした部屋と心で

新しい年を迎えるのだ。

さて、何から始めようか。

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葉牡丹〈アブラナ科〉

copyright Maoko Nakamura


昼間の星

2012-12-26 09:17:45 | 遊び・歳時

クリスマス会に

およばれに行く。

バイキング形式のランチで

お腹が満たされ

子どもたちの笑い声で

胸が満たされる。

子どもたちの

楽しそうな笑い声は

星のようにきらめき

会場を輝させる。

昼間の室内を

満天の星空に変えて…。

ここを訪れるようになって15年。

ともにこの時を過ごす

幸せに感謝する。

時が紡いでくれた

特別なクリスマスのプレゼント。

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ガーデンシクラメン〈サクラソウ科〉

copyright Maoko Nakamura


歌いながら人は…

2012-12-25 10:38:45 | 自然・植物

人は

歌に包まれて育っていく。

光の歌

風の歌…。

人は

歌をこだましながら育っていく。

花の歌

鳥の歌…。

やがて人は

自らの歌を口づさむ。

眼差しの中に

微笑みの中に

生き様の中に…。

人は

歌いながらともに生きる。

光と風と花と鳥と人とともに…。

すべてのものの一部となって

すべてのもののすべてとなって…。

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野イバラの実〈バラ科〉

copyright Maoko Nakamura


いつもの場所で

2012-12-24 11:23:00 | 気持ち

いつもの場所に座って

いつもの風景を見ながら

細胞たちを整える。

いつもの気持ちで

いつものようにいられるようにと。

パーティーは終わった。

出会い語り合い

互いの想いを確かめ合って…。

またもう少し深く

互いの想いを感じ合って…。

いつも場所に座って

いつもの風景を見ながら

細胞たちを整える。

昨日生まれた

大切な気持ちが

いつものようにいられるようにと。

今日の気持ちの

自然な一部となって…。

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ジュリアン〈サクラソウ科〉

copyright Maoko Nakamura


餅つき

2012-12-23 10:56:10 | 遊び・歳時

餅つきの手伝いに行く。

20㎏以上もの

ふかれた餅米を

杵や餅つき器でつき

ちぎって丸めて餅にする。

餅をつくのは近所のおじさん。

おばさんがタイミングよくひっくり返す。

私はつきあがった餅をちぎる役。

杵つきのものは

温度もほどよくなっており

腰がある。

餅つき器のものは

熱く腰もあまりない。

ひたすら餅をちぎり

出来上がったお餅を

豚汁と一緒に

お裾分けでいただく。

また一つ

年末の行事が終わり

また少し

お正月に近づく。

2

ストック〈アブラナ科〉

copyright Maoko Nakamura


ごめん

2012-12-22 18:12:13 | 

ごめん。

キミの気持ちを

受け取ることができなくて。

断った後

小さな後悔が生まれた

その時すぐに

追いかけて

受け取ればよかったと

悔やんでいる。

ごめん。

キミの気持ちを

受け取ることができなくて。

しようと思えば

できなくはなかったのに。

でも

ありがとう。

相変わらず未熟な

自分自身に気づかせてくれて…。

大切なことを教えてくれて…。

無駄にはしないよ。

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ストック〈アブラナ科〉

copyright Maoko Nakamura


少女の発見

2012-12-21 14:02:53 | 

レストランの窓側の席。

その向こうには滑走路。

動き始めた飛行機を見て

幼い少女が言った。

「見て、飛行機が動き始めたよ」。

大人たちのしゃべり声に

かき消されながらも

少女は再び言葉を発した。

「見て、飛行機が動き始めたよ」

まるで何か大発見したように。

少女に発見され

大人たちがほんの一瞬だけ

気に留めた飛行機は

滑走路を走り

青い空に消えていく。

小さな胸に生まれた

大きな感動に見送られて…。

少女に発見された

特別な飛行機として…。

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ジュリアン〈サクラソウ科〉

copyright Maoko Nakamura


いつもの道

2012-12-20 17:51:18 | 自然・植物

旅から帰ってきて

いつもの道を歩いて家へと向かう。

すると

街路樹の根元に咲いている

ツワブキたちが

「キミがいなくても

寂しくなんかなかったよ」と。

しばらく行くと

今度は信号のそばで

電線の2羽のカラスが

「ボクたちも

寂しくなんかなかったよ」と。

いよいよ家に近づき

庭のガーベラが言った。

「ワタシも

寂しくなんかなかったよ」と。

旅から帰ってきて

いつもの道を歩いて家へと向かう。

それでも

「帰ってきたよ」と言いながら

いつもの道と解けていく…。

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パンジー〈スミレ科〉

copyrigt Maoko Nakamura


旅の証

2012-12-19 07:03:43 | 自分

与えられた選択肢の中で

今まで

もっとも選ばなかった

だろうものを選んでみる。

運ばれてきた声に

素直に従って。

新しい自分と出会う

旅の証なればこそ。

Photo

金魚草〈ゴマノハグサ科〉

copyright Maoko Nakamura


ふと…

2012-12-18 10:33:20 | 気持ち

いのちあるものとして

自らを労(いた)わり

他を労(ねぎら)い

いのちあるものとして

いのちあるものを

慈しみ讃えあう。

いのちあるものとして

いのちのことをふと想う。

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瑠璃柳(るりやなぎ)の実〈ナス科〉

copyright Maoko Nakamura


よいお年を

2012-12-17 11:45:40 | 遊び・歳時

久しぶりの友との

電話での会話。

切る時の挨拶は

「よいお年を」。

まだまだ

実感がわかないけれど

これからは

別れる時ごとに

その言葉を口づさみ

年の瀬を感じていくのだろう。

今年も今日を入れて

あと15日。

残りの日々を大切に迎えて

「よいお年を!」

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唐辛子〈ナス科〉

copyright Maoko Nakamura