万福寺 大三島のつれづれ

瀬戸内・大三島 万福寺の日記です。
大三島の自然の移ろいと日々の島での生活を綴ります。

盆法座

2010年08月19日 | Weblog
8/18日(水)午前10時より「お盆法座」を営みました。
ここ数年恒例となっております、若院と住職が1席づつご法話をすることになっています。
 若院は「二種の回向」(にしゅのえこう)についてお話を進めて行きました。ご本典、教巻冒頭の
「謹んで浄土真宗を案ずるに、二種の回向(えこう)有り、一つには往相(おうそう)、二つには還相(げんそう)なり。往相の回向に就いて真実の教行信證有り」がご讃題に引かれました。
 お浄土に往生することも、お浄土から迷える衆生を救済するためにこの世界へ再び還えってくることも阿弥陀さまの懇切な御はたらきによることを伝えてくれました。
 阿弥陀さまの回向のはたらきをスポーツの試合での審判、アンパイヤーとレフリーとの違いでもって話していました。レフリーはどこまでも選手と一緒に行動し、一瞬も選手から目を離すことがない。そのように如来さまはいつでも、どこでも私とともに歩んでくださいますと・・・・。

 後席は住職の私がお取り次ぎに演台に立ちました。
讃題はお正信偈の「まさに如来如実の言(みこと)を信ずべし、よく喜愛の心を発(おこ)せば、煩悩を断ぜずして涅槃(ねはん)を得(う)」
 先日、広島平和公園での「原爆記念式典」に参列したことに関連して被爆死した兄綜智の本年は66回忌に当たることでもあり、兄の被爆から亡くなって行くまでのことをお話いたしました。
 父三智の当時の日記の記述(8/12ブログに紹介いたしました)について触れ、13才で人間としての命を終わったわが子綜智の死を「還相の菩薩」(げんそうのぼさつ)と数年後に受け取っていることを紹介させてもらいました。
 その記述には原爆を投下した米国のことも、無謀にも近い大戦を起こした日本のことについても全く触れていません。如来さまのご本願といのちの世界についてのみ記述されています。大悲の世界にはわれわれ人間にとっての善悪、損得、悲哀喜愛などすべてが取捨整理されることなく全てが忍受され、包みあげられていることをお話いたしました。

 画像は法座後皆様に呈した清食、冷やし素麺と西瓜。仏婦役員さんのお世話です。

 期せずしてお盆の法話は如来さまからの「回向」について二人とも語っていました。参詣のある方が、回向について「総論」と「各論」が聞けてよかったです。と、云ってくれた方があったのは嬉しいことです。

 それにしても毎日毎日残暑が厳しいことです。皆様十分にお気を付けください。お願いいたします。
コメント (1)
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