チェック

こないだボクが撮影したイベントの映像チェックの為に、関係者３人が来た。

関係者と言ってもよく知る人達なので、ラーメン鍋と唐揚げを食べながら気軽に映像を見る。
一通り見終わった後は、もう一度念入りな確認の開始だ。

メインは、出演者の名前のテロップ。
ほぼこの為に来ていると言ってもいいかもしれない。

出演者が２５０人くらいいるから、毎年どこか間違っちゃってるんだよね。

まあ以前はそこまで念入りに事前確認せずにこの日を迎えていたから仕方ないんだけどさ。
どうせ確認するんだからと思ってね。
でも間違いを見つけた時、Ｒ氏とＹ氏が随分喜ぶもんだから悔しくって、年々念入りに事前チェックをするようになってきた。
しかし毎回やっぱり一カ所ほどミスがある。
ノーミスだったのは今までで１度きり。

このイベントを撮りだして１３年目だけど、それで１回だけなのだ。

ノーミスだった時の嬉しさ、そしてその時のＲ氏とＹ氏の悔しそうな顔といったらなかったな。

あの感動をもう一度。
と、今回もしっかりと準備しておいた。
ハラハラしながら、Ｓ氏と一緒に最終チェックしていく。

以前はこの確認はＹ氏とＲ氏がやってたんだけど、去年からこのイベントの責任者になったＳ氏が一人でこの確認も受け持つようになったんだよね。

あれ？
ということは？

２人は何しに来てるんだ？

いや、Ｙ氏のほうはまだ他の部分の確認をしていたからいいけど…
Ｒ氏はただ普通に鍋を食べ、ただ普通にイベント映像を楽しんで見ているだけだぞ？

毎年当たり前のようにいるから気付かなかったけど、タダ飯食べにきているだけじゃないのか？
そしてボクのミスが見つかったら喜ぶ為に来ているだけだよ。

まあいいや。
そんな感じで確認が進む。

もう既に文字データ以外での変更点があったから、ミスがあろうがなかろうがどっちみち作り替える事になるんだけどね。
だからもしミスがあっても今回はショックはないよ。

なんて思いつつ確認。

２５０人のうち２３０人くらいが終わり、ここまで完璧！

どうよ。
今回はかなり本気でチェックしたから、さすがにノーミスでしょ！
２度目の勝利は目前だ！

と安心しきってる時…

「あれ？里の字が果になってますよ？」

との指摘。

くぅ～！！
間違えてた～！！

人のミスで大喜びする３人。
チェックしたＳ氏は普段はかなり控えめで真面目な男なのに、
「これは嬉しいものですねぇ！」
なんて言いながら、ボクをあざ笑うかのように興奮している。

ボクのほうも「どうせ作り直すから」なんて言ってたけど、やっぱり悔しいわ！

今年もまた負けてしまったよ。
毎年言ってる気がするけど、来年こそはノーミスでいきたいものだな。