見知らぬ女

明日は花見がある。
夜、そのための材料を買いに愚妻とスーパーへいった。
飲み物や紙コップなどを買い、さらに各自一品持ち寄りなので、そのための食材も選
んでいく。
いろいろ検討した結果、ボクはゆで卵にすることにしたのでタマゴを購入。
と、その時。
「こんばんわ～」という声。
うしろを振り返ると、見知らぬ女性がこっちを見ている。
誰だ？
ボクの母親と同じくらいの女性だけど、誰だか分からないのだ。
面識あるような気もするけど、全く思い出せない。
「さっき入り口で見かけたから、慌てて戻ってきたのよ～」と言っている。
う～ん…。
どうしたものか…
と思っていると、後ろから愚妻が
「あ～、こんなところで～」と言い出した。
どうやら愚妻の知っている人のようだ。
そしてボクも面識があるらしい。
とりあえずニヤニヤしながら「ご無沙汰してます」とは言ってみるものの、全然誰だ
か分からないままだ。
せめて愚妻との会話からこの人物が特定出来ればいいと思い、真剣に２人の会話を聞
いていくが何も分からぬまま。
結局、そのまま別れてしまいましたよ。
あとから愚妻に聞くと、愚妻の親戚らしい。
ボクの結婚式にも出席してくれてたらしい。
う～ん…。
申し訳ないが、名前は思い出せたけど他は全然思い出せないわ。
たぶん向こうもニヤニヤしているだけのボクを見て「こいつ思い出せてないな」と思
ってただろうなぁ。
ニヤニヤしながらも目がおよいでいるのがバレてただろうなぁ。


こういうことってたまにあるんだよね。
今回は愚妻がいたからよかったけど、一人だったら絶対に思い出せてなかった。
失礼だよなぁ。
今度から会う人全員を写真に撮って卒業アルバムのような感じの名簿を作成して持ち
歩いてたほうが無難だわ。
あ、思い出せなくて相手の目の前でその名簿からその人を探しているってだけで十分
失礼か。
国民全員がサザエさんのカツオくんやマスオさんみたいに『Ｋ』とか『Ｍ』とかイニ
シャルいりのトレーナーを来てくれたらヒントになって助かるんだけど…。