地味な香港映画の小品ながら佳作。
冒頭、多くの人物が次々にスクリーンに映り、これから何かが起こるらしい期待感が観客の心をとらえる。ちょっとブライアン・デ・パルマ作品を思わせる滑り出しだ。
犯罪の捜査陣が細かく役割分担されており、これはその監視班なる組織の新米女性と先輩の物語。その採用試験を兼ねた実地訓練のさなか即事件となる。
監視と追跡が役目なので、決定的ななにかを目撃しても、そこから先の逮捕劇は別の部隊に譲らなくてはならないもどかしさがドラマを生む。
それにしても日常のハイテク監視システムがここまで進んでいれば、もはや犯罪の生まれる余地はないのではと思えるが、悲劇は毎日のように起きている。
降りしきる雨の俯瞰撮影で、傘の花が咲くが「シェルブールの雨傘」とは色調が違う。ノワール映画だから。
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