ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「共喰い」、芥川賞作家田中慎弥の小説の映画化です

2013-09-27 18:28:55 | 日本映画
おススメ度 ☆☆☆☆

ただ、この映画、暴力と性がテーマの映画なので、その向きの嫌いな人にはすすめません。

原作者の田中慎弥氏は、芥川賞受賞の時、「もらっといてやる」の発言で話題になった人です。

監督は青山真治、ロカルノ映画祭でダブル受賞しています。

下関、川べりの街の物語。当然、方言で

主人公は男子高校生、彼には恋人がいるが、父の性暴力癖が自分にもあるのではないかと悩んでいる。

母親は、父親の暴力を避けて、向かい岸で魚をさばいている。戦争で腕を亡くし義手だ。

今父親と住んでいるのは新しい愛人だが、暴力のため、いつも顔にあざがある。

しのつく雨とどよんだ川。物語をじめじめさせる。たまたま見た日が暑い盛りで、この映画のむんむんさが、応えた。ギターとピアノが奏でる哀愁のメロディ。昔のロマンポルノっぽい。

当然、男と女が入り乱れての性描写もある、それも暴力付きで。

しかし、人間の性というか、血のつながり、根源的なものを見つめさせます。

後半は、ガラッと変わって、母親が主役。

魚を片手で裁く、臓物は川へ、その川で釣った鰻をうまそうに食べる父親。

小説をうまく映像化。心憎い。

逃げた女を求めてさまよう夫。

とどめは包丁。

昭和の終わりの物語。

母親役の田中裕子と父親役の光石研が、手練れた好演を見せます。





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