ひろの映画見たまま

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「消えた絵 クメールルージュの真実」、当事者が語るクメールルージュ

2014-10-03 18:22:59 | 日本映画
おススメ度 ☆☆

クメールルージュの真実を知りたい方 ☆☆☆☆

カンボジア・フランス合作

幼少期にポルポト率いるクメールルージュによる粛清で、自分の父母や親友を亡くしたリティ・パニュが自ら演出。パニュは収容所を脱出後フランスへ、そこで映画を勉強、そこから故郷へ帰って、クメールルージュの後始末をしている。

アメリカ、ソ連、中国、ベトナムの冷戦下の争いに巻き込まれたカンボジアの悲劇。中国毛沢東の実施した文化大革命を見習った、徹底的な文化破壊。ましてや粛清の嵐は想像を絶するものがある。

本作は、粛清の拷問や虐殺などの悲惨な画面はなく、むしろ、飢えと疲労でなくなった場面が多い。それにしても、ことごとく文化を否定され、乏しい食料の中重労働に苦しむ様はこれまた悲惨なるものがる。

その死体の埋められた土から作った泥人形(これはカンボジアの民族的なものか)を使い当時の状況を語りと合わせて描写。人形から苦しみがほとばしり出ている。

楽しかった、クメールルージュ前の生活と対比しながら、悲惨な状況が語られる。

殆どのフィルムが紛失した中、ポルポトのにこやかな姿がやけに印象に残る。

どの世界も、働かされるのは大衆で、監督者は別世界という図式が出来上がっている。

地味な映画なので、ナレーションについていけず、置いてきぼりにされかねない。

だが、真摯にこの現状を受け止め、再びこのような世界が来ないよう、足元(日本もという意味)も注視すべきだろう。


蛇足 プノンペンの繁華街が、クメールルージュ時代閑散とした姿が映されショックを受ける。
コメント
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