私が選挙に立候補し、マスコミのアンケートで「愛読書」「好きな作家、本」という質問を受けるたびに、「山崎豊子 沈まぬ太陽」とずっと答え続けてきた。この本が、単行本で出版されるたびに買い求め、一気に読んだのは10年近く前だった。山崎豊子さんの著作は、これまでも「不毛地帯」「大地の子」など、読んでいたが、いずれもかなり気合を入れないと読めない力作だったが、「沈まぬ太陽」もまさに、そんな本だった。「御巣鷹山」も衝撃だったが、会社の不当な報復人事で海外勤務を強要されながらも筋を曲げない主人公に、「自分だったらここまでたたかえるのか」と自問自答しながら読んだ記憶がある。家族の苦労は、想像を絶するものがあったろう。党の仕事をしていると「妻や子どもに本当にすまない」と思うときも少なくないが、「お父さんのようはなりたくない」と子どもに思われないように、できる限りの努力はしたいと思っている。
さて、そんな「沈まぬ太陽」だが、今回映画化されたことには本当に驚いた。さすがに、これだけは映画化はできないだろうと思っていたからだ。この映画を作製した関係者のみなさんには心からの敬意を表したいと思う。3時間20分、期待通りの力作だった。