宮城県大学関係者日本共産党後援会は、本日午後、共産党中央副委員長で国際委員会責任者の緒方靖夫さんを迎えて、「世界とアジアの中の日本」と題して学習講演会を開催しました。
緒方氏は、冒頭、世界を回っていて発展途上国が非常に元気であると述べました。先進国の指導者は、世界の未来を悲観的に見ているが、途上国の指導者は未来を実に明るく見ていることが特徴で、その背景には、途上国の経済発展、ソ連の崩壊、世界の構造変化があると強調しました。
緒方氏は、アセアン諸国と中南米の構造的な変化にふれた後、いま世界で最も危険な地域が北東アジアであることを指摘。アメリカは、「集団的自衛権の行使容認は歓迎」という態度表明はするものの、日中間の紛争が勃発し、アメリカが巻き込まれることを最も恐れています。
緒方氏は、安倍政権の集団的自衛権の行使容認の絶好の口実となっている中国の現状に話をすすめました。緒方氏は「これは『しんぶん赤旗』でも報道していませんが」と前置きし、自らが定期的に訪中して行なった中国指導部との話し合いの様子を報告しました。その中で、尖閣諸島の問題や防空識別圏の問題で、中国に覇権主義の現れを感じること、特に2008年の北京五輪の頃から、中国自身に「(中国の覇権主義的行動を)他国がどうみるか」という発想がなくなり、民族主義的な発想が強くなっていること、日本共産党として一つ一つの問題で中国にきちんと申し入れをしていることが報告されました。
質疑応答では、「世界の共産党では、マルクス、エンゲルスなどの古典研究の現状はどうなっているのか」「『インドネシアは、共産党が潰されてから経済が発展した』という学者がいるが実際はどうか」「北朝鮮の現状をどうみるか」などの質問が寄せられ、緒方氏は一つ一つに丁寧に答えました。
全体として、非常に知的な刺激に満ちた講演会となりました。
緒方氏の講演後は、後援会の世話人代表の刈田啓史郎・東北大学名誉教授があいさつ。日本共産党県会議員団を代表して、横田有史県議団長が、先日閉会した6月県議会で、自民・公明会派が「憲法改正をもとめる意見書」を強行したことを安倍政権の暴走とともに糾弾し、来年の地方選挙にむけて全力でがんばる決意を表明しました。