相模原事件を考える

2016-08-09 15:55:35 | 学問、文化

今日の「しんぶん赤旗」に、竹内章郎さん(岐阜大学教授)が、「相模原事件を考える 重度障がい者との日常と優生思想の克服」という論文を投稿しています。様々な障害をもった人を排除する優生思想は、程度の差はあれ、この国にかなり浸透しているのが現状です。今日の竹内さんの文章は、実にいろいろなことを考えさせられます。

 

 

 

 


今年は宮本百合子没後65周年、平和は眠りを許さない

2016-05-07 11:09:32 | 学問、文化

今年は、宮本百合子の没後65周年。私も最近は、あまり読めてはいませんでしたが、若い頃は、全集を買い込み、宮本百合子の小説、評論を読み込み、自分の「精神的支柱」といってもいいくらい大ファンでした。特に、戦後の5年間の時期の百合子さんの評論、エッセーは、その数も内容も、他の知識人を圧倒するものだったのではないでしょうか。いま、百合子さんが生きていたら、それこそ、精力的に執筆や講演活動を行なっていたことでしょう。

今年の1月に文芸評論家の澤田章子さんが「宮本百合子没後65周年に寄せて」を「しんぶん赤旗」に寄稿しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


山本有三氏の言葉

2014-05-31 17:31:44 | 学問、文化

今日の「しんぶん赤旗」日刊紙の「潮流」に文学者の山本有三さんのことがふれられています。

「たった一人しかない自分を、たった一度しかない一生を、本当にいかさなかったら、人間、生まれてきたかいがないじゃないか」

「いのちを投げ出すことを、最高の道徳と考えたり、それをほめたたえる思想は、封建主義的な思想です。やくざ仁義の思想です。軍国主義的な思想です」

小説『路傍の石』は、たしか中学生のときの夏休みの課題図書で、読書感想文を書いたと思いますが、いま考えると実にお粗末な感想文でした。同じ『路傍の石』を読んだ、当時私が大好きだった一級下の女の子(佳子ちゃん)の感想文がお昼の校内放送で流されたのですが、彼女は実に感性豊かで、吾一少年に感情移入しており、自分が本当に恥ずかしくなった記憶があります。

それはさておき、山本さんが、こうした活動をしていたことは、私も十分には知らなかったので、今後、機会をみていろいろ調べてみたいと思います。

今日の「潮流」

「たったひとりしかない自分を、たった一度しかない一生を、ほんとうに生かさなかったら、人間、生まれてきたかいがないじゃないか」。逆境を生き抜く吾一少年の成長を描いた小説『路傍の石』の一節です▼著者は山本有三。真面目で勤勉な人間像を理想とした作家は、国語改革にも情熱を注いだことで知られています。没後40年を期し、東京都三鷹市の山本有三記念館では「山本有三と国語」展を開催しています▼戦前から「ふりがな廃止論」を唱え、ふりがながなくても誰にでも読める文章を書くこと、美辞麗句や難解な漢字を使わず、やさしい言葉で表現することを自らも実践しました▼敗戦直後、発表された新憲法草案がカタカナ文語体だったことに反対し、ひらがな口語体試案を政府に提出。「これからは少数の者だけが国を支配すべきものではない」「もじやことばを、是非とも民衆のものとしなければならない」「それではじめて、政治に対しても、社会に対しても、文化に対しても、国民はもれなく目を開かれることになるのである」と訴えました(「もじと国民」)▼憲法を国民の血肉とするため口語化に尽力した有三は、戦争放棄をうたった9条についても「裸より強いものはない」と記しています。「いのちを投げ出すことを、最高の道徳と考えたり、それをほめたたえる思想は、封建主義的な思想です。やくざ仁義の思想です。軍国主義的な思想です」(『竹』)▼有三の言葉に今、平和憲法の初心が鮮烈に立ち上ります。