消費税は暮らしも経済も破壊する

2014-03-31 08:48:42 | 今日の活動

いよいよ明日から4月です。いつも新鮮な気持ちになれる4月1日も今年は大増税開始の日となり、怒りの日となりそうです。今朝は、高橋ちづ子衆院議員が仙台市内の街頭で通勤のサラリーマン、労働者に訴えました。いま、声を上げなければ、来年10月には10%です。共産党は、今日、明日と全国でいっせいに怒りの宣伝行動に取り組んでいます。

本日の「しんぶん赤旗」の主張です。

「消費税の増税 この強行に道理も大義もない」

 

 安倍晋三政権が国民の反対を踏みにじって、あす4月1日から、消費税の税率の5%から8%への引き上げを強行しようとしています。原則としてあらゆる商品やサービスに課税され、最終的には消費者が負担する消費税の増税は、低所得者ほど負担が重く、国民の暮らしも経済も破綻させるものです。中小商店や下請けにとっても売り上げが減り、価格に転嫁できなければ身銭を切らされることになります。消費税増税後の経済の先行きに不安が高まっています。増税分が社会保障の充実に回る保証はありません。この強行には道理も大義もありません。

 

収入も消費も減っている

 

 消費税増税は、民主党政権時代に民主党と自民、公明の両党が談合して決めたものです。増税は17年ぶりです。4月に8%に増税した後、来年10月からはさらに10%への増税をねらっています。

 

 一昨年末の政権復帰後、安倍政権は経済状況の「好転」を増税実施の条件に掲げましたが、異常な金融緩和や公共事業の追加、大企業向け減税などの「アベノミクス」にかかわらず、国民の所得は増えず、雇用も拡大せず、経済成長は昨年夏以降、逆に鈍化しています。「アベノミクス」が大企業のふところを豊かにし、国民には「おこぼれ」を期待するだけだからです。増税実施の根拠はありません。

 

 総務省の最新の家計調査によると、勤労者世帯の2月の実収入は実質1・3%の減少、消費支出は2・5%の減少です。大雪があったにしても季節調整した前月比でも1・5%の減少です。国民の収入が減り、増税前の駆け込み需要どころではありません。

 

 消費税増税が強行されれば、消費がさらに冷え込みます。共同通信の世論調査では4月1日からの消費税増税後、支出を「控えようと思っている」という人が65・7%を占めています。国内総生産(GDP)の6割を占める個人消費が落ち込めば、経済成長がさらに悪化し、税収も減るのは明らかです。消費税増税は文字通り、暮らしと経済、財政の破綻の道です。

 

 消費税が増税されれば売り上げが減るのではないか、下請け単価がいっそう切り下げられるのではないか―中小業者の懸念は深刻です。信金中央金庫が全国の信用金庫を通じて聞き取った調査によると、39・5%の中小企業が消費税の増税で売り上げが減少することを懸念しています。増税分を販売価格に「すべて反映できる」というのは3社に1社です。

 

 規模の小さい企業ほど価格に転嫁する見通しが立たず、対応に苦慮しているのが現実です。

 

増税の押し付けに血税

 

 安倍政権は国民に何とか消費税の増税を押し付けようと、12・6億円もの巨額の費用を費やして政府広報を繰り広げました。国民が望まない増税のために血税を費やすなど、本末転倒のきわみです。

 

 政府広報は増税による増収分5兆円はすべて社会保障に使われるといいますが、あらたに社会保障の充実に回るのは増収の1割、5000億円です。来年度予算を見ても増収の大半は軍事費や不要不急の大型公共事業、大企業減税に費やされています。

 

 道理も大義もない消費税増税をウソで押し通す安倍政権の責任は、いよいよ重大です。増税反対の声を高めていくことが重要です。

 

 

 

 


消費税増税を歓迎する国債ビジネス

2014-03-22 21:37:48 | 経済

消費税の増税を10日後に控え、ニュース番組は消費者の駆け込み需要やスパーの特売場のことを毎日毎日放送しています。消費者のみなさんの気持ちは本当によくわかります。しかし、いま、冷静になって、消費税の増税で本当に得をしているのは誰なのかを考えてみる必要があるのではないでしょうか。

 政府も、マスコミも、「日本の財政がこれだけの赤字なのだから、増税やむなし」と盛んに宣伝しています。巨額の財政赤字が、増税圧力になっていることは確かです。

 日本共産党は、「消費税に頼らない別の道がある」という経済提言を発表しています。消費税増税では、景気がいっそう冷え込んで、法人税も所得税も減収になります。巨額の利益をあげている大企業や高額所得者への応分の負担、賃上げや社会保障の拡充など、経済の底上げで財政を立て直すことを提案しています。

 同時に、今日の巨額の財政赤字、国債依存財政は何故に生まれたのか。

 日本全体の総債務残高は、昨年4月で、1237兆6726億円。このうち、政府短期証券を含む国債発行残高は943兆5187億円です。IMFによれば、世界の政府総債務残高(対GDP比・2011年)ランキングで、日本はトップの230%、2位はユーロ圏の財政危機国として世界の注目を浴びたギリシャで165%です。

 90年代以降に膨らんだ財政赤字の大きな原因に景気対策を口実とした大型公共事業、船の来ない港、飛行機の飛ばない空港、車の通らない赤字の高速道路…。アメリカとの公約で630兆円もの公共事業をやるという、無謀な公共投資基本計画に財政赤字の大きな原因があることはよく知られています。

 しかし、それだけではありません。財政赤字や政府債務の側面だけで国債問題をみていると、金融商品としての国債が大銀行など金融機関の国債投資家にとっていかに巨額の利益をもたらしているか、見落とすことになってしまいます。国債は、国の借金であるだけでなく、国債ビジネスなのです。確実に安全が保証されている政府相手の金融ビジネスなのです。

 実際、国債の金融市場としての影響力は凄まじいものがあります。2007年度の国債売買高は、1京2323兆円(これに先物売買高2806兆円を加えるとほぼ1京5000兆円)です。京は兆の1万倍ですから、凄まじい額の国債が毎日毎日取引されています。国債売買市場は、他に例のない超巨大金融市場であり、内外のマネーが一瞬の価格変動を狙うマネーゲームと投機の大舞台になっています。

 三大メガバンクの2012年3月期決算を見ても、業務利益の総額2兆7121億円のうち、国債の売却益の合計が5727億円に達し、業務純益の21・1%を占めています。これを見ても、政府の発行する国債が近年の大銀行の利益の主要な源泉となっています。

 

 レーニンの「帝国主義論」は、「資本主義の寄生性と腐朽」という凄いタイトルで、大銀行による資本主義経済の支配を告発していますが、今日の国債ビジネスを見たら、さすがのレーニンもびっくりするのではないでしょうか。

 

 「財政赤字だから増税も仕方ない」などという「お人好し」の考えとは決別すべきです。

 


「実り多き、稲穂のように」

2014-03-18 13:08:49 | 雑感

先日、他界された俳優の宇津井健さんのことを本日18日の「しんぶん赤旗」の「潮流」が論じています。

 

いまの世の中、ときにまじめさや実直さが軽んじられたり、からかわれる風潮があります。そんな生き方は損だとばかりに。しかし実際に社会をつくり、支えているのは、多くの人びとのまじめな生活です▼亡くなった宇津井(うつい)健(けん)さんは、その誠実な生き方が役柄からもにじみ出ていた俳優でした。1970年代のテレビドラマ「たんぽぽ」や「赤い」シリーズでは、厳しくも優しい兄や父を熱演。背筋を伸ばし、正義や道理を説く姿を懐かしく思い出します▼本紙にもたびたび登場。90年代に車椅子の弁護士を体当たりで演じたときには、役を通して障害者の大変さをわかってもらえれば、と語っていました。そして「役者には現在あるのみ、過去の栄光はない。最近の作品は、そのつど最新の『遺書』のつもりで」と▼昨年放映された「渡る世間は鬼ばかり」が遺作になりました。5人の娘の良き相談相手となる小料理屋の主人、2代目岡倉大吉役。板前について勉強し、懐の深い演技を見せていたのに…▼プロ意識も高く、体を鍛え、節制に努めていた宇津井さん。長い芸能生活で休んだことは一度もなかったそうです。社会にも目を向け、テロにも軍事報復にも反対するアピールに名を連ね、平和や憲法9条を守る集会に足を運びました▼温厚で気配りの人は、誰からも愛され、慕われました。同じ事務所に所属する藤原紀香さんも忘れられない言葉をもらったといいます。「有名になればなるほど頭(こうべ)は垂れるもの。実り多き、稲穂のように」

 


気仙沼、大崎…春はたたかいの季節か

2014-03-14 21:55:22 | 日々のこと

この数日間、実に忙しい日々を送っています。

先週のことになりますが、3月6日には、夜仙台市で秘密保護法の廃止と原発再稼働反対の集会、アピール行進が行われました。寒い中でしたが、250人近い市民が参加していました。

3月8日には、4月に市議選がたたかわれる大崎市で共産党候補の事務所開き、決起集会が行われ、高橋ちづ子衆院議員とともに、半日で鳴子、古川、松山と4ケ所回ってきました。大崎市は、2名はみ出しですが、いずれも有力候補であり、それぞれ500票以上得票をふやさないと勝利できない実に厳しいたたかいです。(写真は、鳴子の遊佐辰雄さんと高橋ちづ子さんです)

昨日13日は、3・13重税反対全国統一行動です。私は、党を代表して、気仙沼集会で挨拶をしてきました。150名近い業者の皆さんが元気に参加していました。気仙沼の民主商工会は、被災業者を救済する気仙沼市独自の制度をつくらせるなど、全国的にも注目されています。全国商工新聞の拡大でも、大奮闘しています。ここも、4月に市議選があるので、秋山善治郎市議への支援のお願いもしてきました。

気仙沼の市内は、旧市街地が広大な更地になっており、復興もまだまだこれからです。こんなときに、消費税の増税がされたらどうなるのか。

今日の大門実紀史参院議員の質問でも、非正規の若者が生活苦からアコムやプロミスなどの消費者金融に手を出していることが紹介されていました。三大メガバンクの資金提供を背景に、若者を食い物にする消費者金融にも大きな問題がありますが、それ以上に、若者を貧困に追い込むいまの政治の責任は極めて重大です。

「何も言わないで、何も行動しないで、暮らしが、社会がよくなることはない」とはネルソン・マンデラさんの言葉。

たたかわずにこの現状を変えることはできません。

 

追伸

本日、14日午後6時5分、俳優の宇津井健さんが慢性呼吸器不全で逝去されました。82歳でした。宇津井さんは、私が子どもの頃ずっと見ていたTBSの「赤いシリーズ」で山口百恵さんと共演され、憧れの俳優さんでした。いま、「相棒」で主役を務めている水谷豊さんと共演した「赤い激流」は、生涯忘れられないドラマの一つです。ドラマに触発されて、一時期、独学でピアノに挑戦しかけたこともありました。あっけなく挫折しましたが…。また、若い頃には、共産党員の故山本薩夫監督の映画「松川事件」にも、弁護士役で出演しております。20世紀の名優がまた一人亡くなり、寂しい限りです。ご冥福を心からお祈りいたします。