私の決意

2015-06-11 19:41:31 | 私の主張

戦争法案の審議では、政府の推薦した大学教授までもが「戦争法案は違憲」と述べられ、政府与党が窮地に追い込まれています。「戦争法案は、今国会で廃案しかない」という世論が急速に広がっています。

 

 さて、話は変わりますが、いま多くの若者や子どもたちの心は、戦争法案が通ったわけではないのに、すでに非常に深く傷つけられています。若者の心の中は、見えない「空襲」、「銃弾爆撃」を受けています。その結果、自分を肯定できない若者がものすごく増えています。

 これは、他人ごとではなく、我が家の問題です。

 息子が不登校になったことを前回書きました。私は、この数ケ月、この問題を徹底的に勉強し、福島県いわき市まで足を延ばし、この問題では日本で最も研究を深めている専門のカウンセラーの先生のお話を伺ってきました。

 その結果、私自身が到達した結論。つまり、「人間にとって最も大事なものは何か」ということ。それは、お金でもなく、学歴や地位や名誉でもないということ。もちろん外見でもない。

 それは、一言でいうと、「自己信頼感」「自己肯定感」、つまり「自分が自分で大丈夫」という感覚、言葉を換えれば「根拠のない自信」。何とかなるという感覚です。

 「根拠のある自信」とは、「僕は他人より勉強できるから自信がある」「私は、他人よりスポーツができるから自信がある」「私は、美人だから自信がある」。でも、これは、非常に脆弱です。自分よりも勉強のできる人、スポーツのできる人、美人は世間に山ほどいる。優越感は、劣等感と紙一重です。そうではない、「根拠のない自信」が人間にとって最も大事な感覚です。

 「自己信頼感」があれば、いまはうまくいかなくても、必ずうまくいきます。何とかなります。

 これが持てなくなることが、不登校や引きこもり、心の病気の最大の原因です。では、なぜそうなるのか。

 それは、子どものころから、親や学校、まわりの大人たちから、マイナス言葉をかけられ続けてきた。「こんなこともできないのか」「○○ちゃんはできるのに、なぜお前はできないのか」等など。そして、自分の思いや気持ちに共感してもらえない、自分の気持ちを話しても共感してもらえなければ、子どもは話す気力を失います。やる気がなくなります。無口になります。それが、不登校や引きこもりになる根本的な原因です。

学校の人間関係やいじめが、直接のきっかけになることが多いし、いかなる理由があるにせよ、いじめは絶対に許すことができないものです。そのことを前提にしつつ、その原因をつくり出しているのが、子どもへのマイナス言葉と共感不足です。

 私は、長年青年運動に携わり、いまも青年運動の援助担当をしています。運動の中で「聞く力」の大切さは、ずっと言われ続けてきたことですが、わが家自身、実践できていなかった。息子には申し訳なかった…。事情はいろいろあるのですが、50歳を超えて私自身の未熟さを痛感しています。

 この失敗を生かす道はあるのか。それは、息子も含め、いまの社会で傷つき、苦しんでいる子どもたち、若者を一人でも救い出すことです。救い出すだけでなく、生きる勇気と未来への展望をつかめる学び、科学的社会主義を一人でも多くの若者に知ってもらうことです。それが、私の「コア」。そこに私のこれからの人生をかけていきたいとあらためて決意をしています。戦争法案を阻止することも、政治を変える活動もすべてはここに行き着きます。

 

 

 


私たちの人生は「ヒーローズジャーニー」(英雄の旅)

2015-05-31 20:55:31 | 私の主張

 最近、「ヒーローズジャーニー」(英雄の旅)という言葉を知りました。これは、米国の神話学者であるジョセフ・キャンベル氏が、古今東西の神話、民話にみられる「英雄伝説」を研究した結果、そこに共通のストーリーモデルがあることを発見したものです。


天命を知る(Calling
まず、物語の始まりとして主人公は何かのきっかけで、旅へ使命(自分の生きる意味や役割)と出会う。

そのきっかけは、主人公が自分で見つける場合や、誰か(神、老人、天の声)との出会いや、不運な事故などさまざまだ。
主人公が不運な事故で生死を彷徨っている時に天の声を聞くみたいなパターン。
決断して旅を始める(Commitment
主人公は、天命によって旅に導かれるが、そこで困惑する。
「自分はその道に進むべきなのか?」と、そして多くの場合、天命を受け入れることができず一旦は旅に出ることを拒否する。
そこに自己との対立が生まれ、主人公の弱さが露呈する。
最終的には「現在の世界に留まるのか?それとも新しい世界へと踏み出すのか?」という問いかけに対して、「踏み出す」という決断をして旅を始める。
この決断は物語において重要なシーンとなる。
なぜなら、人間は誰しもが変化を受け入れることに抵抗感を覚えるもので、読者の多くは新しい世界に踏み出せずいるからである。
だからこそ、自己との葛藤に打ち勝つ新しい世界へ踏み出す主人公に感情移入して応援したくなる。
境界を超える(Threshold
旅を始める決断をした主人公だが、新しい世界とこれまでの世界を境界まできたところで、最初の試練にぶつかる。
本当に新しい世界へ踏み出す覚悟があるのかどうか試されるわけです。
「この線を超えたらもうあと戻りはできないぞ。お前にはこの線を超える勇気はあるのか!」といった感じで試されるとき、メンター(助言者)と出会い、その励ましを受けて、乗り越ええいく。
仲間との出会い(Guardians
新しい世界へ突入した主人公は、新しい経験を始めていきます。その過程で、信頼できる真の仲間と出会って、さらに成長を遂げていく。

最大の試練とぶつかる(Demon
旅を続ける主人公は、ついに最大の試練とぶつかる。多くの物語では、その試練の相手が敵(悪魔、怪物)や強力なライバルだったりする。

このシーンも重要で、主人公が「もうダメだ。」と崖っぷちに追い込まれることで、読者は物語に引き込まれていく。
変容・成長する(Transformation
最大の試練を克服した主人公は、英雄へと成長をしていく。

ごくごく普通の人であった主人公が、旅立ち、困難を乗り越えることで技量や洞察力を身につけ、英雄へ成長することになる。
読者は、その姿に感動し、勇気をもらう。
試練の達成(Complete the task
英雄へと変化を遂げた主人公は、これまでの自分の旅を振り返り、その意味を悟る。

旅の過程で経験した苦労(自己の葛藤、敵の戦いなど)や得た事(仲間との信頼など)が、統合されていき1つの結論に達する。
その結論が物語で一番で伝えたいメッセージとなる。
帰還(Return home)
そして、旅は終わり、主人公は元の世界へと帰還し、物語は幕を閉じる。

 

日本の桃太郎も金太郎も、ギリシャ神話も、インド神話も、また世界中の各民族や各地方で語られている英雄伝説も、すべて同じ構造から成り立っているというものです。

 人種も文化も言語も違うのに、すべての英雄伝説が同じストーリー構造を用いられているのは、驚くべき話です。

 これは、人間が共感し感動するストーリーの構成が、人種や文化、言語を越えて同じであることを証明しているとともに、人間が潜在的にこういう生き方を望んでいるということでしょう。

 確かに、言われてみれば、私が子どものころからテレビで見てきた特撮ヒーローものも、こうこう構成のドラマが非常に多いことに気がつきます。

 でも、これはテレビや映画の世界だけの話でなく、私たちの日常でもよく見られることです。

 私は、共産党の仕事をしていて、ここでいう「ヒーローズジャーニー」によく出会います。

 ある青年は、自らの勤務していた職場で解雇され、組合に入ってたたかい共産党と出会う中で、「今度は自分が、非正規雇用で苦しんでいる若者を救いたい」と共産党の議員候補者になっています。

 私は、共産党の予定候補者の個人リーフを作成する仕事にも携わってきましたが、そこで見聞きする若い共産党員の生きざまは、まさに「ヒーローズジャーニー」(英雄の旅)を現実に歩む姿です。決して、ギリシャ神話や特撮の世界の話だけではありません。

 

 考えてみれば、私自身もこの仕事を「天命」だと思って活動しています。若い時代、まったく空っぽだった自分を救ってくれたのが、民青同盟であり日本共産党でした。共産党綱領と科学的社会主義を勉強したことで、自分を苦しめてきた元凶(端的にいえば、財界と自民党政治)を知り、それとたたかうことなしに、自分と同じように苦しんでいる青年を救うことはできないと考え、民青同盟の専従者の道を選択しました。これは私の「天命」だと思っています。

 

 私はいま、息子の不登校という難しい問題にぶつかっていますが、この4ケ月間、この問題に真剣に向き合い勉強する中で、これまでの自分の人生では知りえなかった方に直接、また書物を通じて出会い、多くの知見を学んでいます。人間に対する洞察は、この4ケ月で非常に深まったと感じています。息子の不登校は解決途上なので安易なことは言えません。息子につらい思いをさせた親の責任も感じてはいます。しかし、息子のおかげで、私たち家族のあり方を根本からふり返る機会になりましたし、私も人間的に成長させてもらっていると日々感じています。「英雄の旅」とは、試練をくり返しながら進んでいく、こういうものかと思います。

 


消費税大増税の正体見えた

2012-07-30 20:31:47 | 私の主張

「将来の世代に借金を残さないために、今こそ消費税増税が必要だ」。こういって、民主、自民、公明も、そして大手マスメディアも消費税大増税の大キャンペーンを張ってきた。ところが法案が衆議院を通過するや否や、民主、自民、公明は、「防災」「減災」の名で、大型公共事業の無駄遣いを言い始めている。

 民主、自民、公明の3党は、消費税増税法案の附則18条2項に「成長戦略並びに事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分する」と書き込んだ。消費税を増税すれば「財政による機動的対応が可能」として、増税による“ゆとり”財源を「成長戦略」「防災」「減災」に使うということか。

 野田民主党政権は、増税法案が衆院を通過するや、整備新幹線の未着工三区間(北海道、北陸、九州長崎ルート)の着工(3兆4千億円)を認可。自民党は「国土強靭化基本法案」で「10年間で200兆円」、公明党は「防災減災ニューディール」と消費税増税を当て込んだ巨大公共投資の競い合いだ。

「防災」「減災」の基盤整備は必要だが、それは住民の身近なところから整備をすすめるべきで、不要不急との批判が強い大型開発の復活ではないはずだ。

 多くの国民は、「自分の暮らしも大変だが、孫の将来を考えると増税も致し方ないのか」と考えている方も多い。そうした国民の心配につけ込んで、消費税増税法案を強行し、通ってしまえば、大型公共事業に税金を使い放題。それはゼネコンを潤し、政治献金として民主、自民の懐に入る。「国土強靭化」とは「民主党強靭化」「自民党強靭化」なのだ。

これでは、「振り込め詐欺師」もびっくりの「政治詐欺」ではないのか。

こういう政治家を絶対に許してはならない。

 

 


日本の学生・高校生を見捨てるのか!

2011-01-22 12:33:57 | 私の主張

私がいま、「しんぶん赤旗」の次のよく読んでいる新聞が「日本経済新聞」です。財界がいまどんなことを考えているのかが、系統的によくわかるので、スクラップをつくりながら読んでいます。

最近、非常に憤りを感じていることが、大企業の新卒採用です。大学関係者の声、国会での日本共産党議員団の論戦などがあいまって、大学を卒業した既卒者の採用の拡大とか、会社説明会や内定を出す時期の見直しとか、若干改善されたようにみえる部分もありますが、根本的なところは何も変わってはいません。

とくに、これだけ大卒者の就職難が深刻化し、社会問題化している中で、日本の大学生を採用しないで、アジアの学生をどんどん採用していることです。ソニーが2013年をめどに新卒採用に占める外国人の割合を30%にする、楽天が2011年度の新卒社員600人の3割を外国籍とする、パナソニックは、すでに採用の8割前後を外国人にするなど、到底日本の雇用問題への社会的な責任を果たす姿勢がみられません。

いまの就職難は、単に不況だからというのでなく、まさに大企業の身勝手な雇用戦略によってつくり出されています。菅内閣には、雇用不安を解決する真剣さが感じられません。「1に雇用、2に雇用、3に雇用」といっても、実際は雇用破壊をすすめる政策を実行しています。


就職難を学生の自己責任と大学の自助努力にまかせていては、問題の解決はできません。政府と経団連を社会的に包囲するような、たたかい以外に、若者の雇用は、未来はありません。


心にひびく言葉

2010-10-21 10:01:52 | 私の主張
先日、「しんぶん赤旗」に掲載されていたある方の言葉に共感しました。
「悩みを抱えて落ち込んでいるときに、否応なくしなければならない仕事があることは、大きな救いになります。悩みはとりあえず引出しにしまって、目の前の仕事を片付けているうちに、気持ちの切り替えができているのです。どんな仕事でも、少しずつ小さな実績を積み重ねることで自信も育ちます。最初は「こんな仕事はむいてないな」「大変だな」と思っていても、あるときふと気付くと、そう思わなくなっている。急に楽しくなるわけではないけれど、いつの間にか慣れて、負担感が減っているというのは、自分の力が確実についている証拠です。そのうちに、今やっていることが物足りなくなる。それは自分が成長して、次のステップにすすむ準備ができているということです。小事をおろそかにせず、目の前の一事一物に集中すること。コツコツ続けるまじめさは、かけがえのない才能です。その積み重ねによって築かれる幸せこそが、確かなものです。手持ちの細い糸を何本かより合わせることで、太く強い綱になるように、自分の特技や好きなことを組み合わせて、能力を作り上げていくこともできます…」