今日は、クリスマス。街中は華やいだ雰囲気です。1年前の今日、大手広告代理店・電通の新入社員だった高橋まつりさん(当時24歳)が、東京都内の寮から飛び降り自殺しました。今日の「しんぶん赤旗」に高橋さんのお母さんの手記が掲載されています。「会社の深夜の仕事が東京の夜景をつくっている」という言葉には涙が出ます。徹底して「自己責任論」を刷り込まれている若い世代の苦しみの象徴のような事件です。
いま、過労自殺、精神疾患に苦しむ人の数は計り知れません。アルコール中毒、過食症、拒食症、ネット依存、児童虐待、いじめ、引きこもり、パワハラ、セクハラ…。いったい、この国はどこへいくのでしょうか。腐敗する独占資本主義は、大企業の巨額の利潤を生み出す一方で、この地球上で生きている人間を破壊し、人間性をズタズタにしています。
政治的には、野党と市民の本気になった共闘にこそ未来があります。しかし、たとえ野党連合政府が樹立できても、それだけで自動的に、人間性が回復される理想社会ができるわけではありません。人間性を回復するための、意識的な努力が必要です。
いま、多くの人びとは、困窮、病気、様ざまなストレスに苛まれています。しかし、その心の中の苦しみを誰かに受け止めてもらうことがほとんどできていません。本来、人間をささえる家族も崩壊寸前です。この人間の絆、愛着が壊されていることが、今日の人間の危機の「本質」です。心の中のどろどろとした思い、苦しみを誰かにしっかりと受けとめてもらえるならば、どれだけ救われることでしょうか。人間には心の「安全基地」が必要です。しかし、特に若い世代は、「自己責任論」が強烈に刷り込まれていることもあり、自分から助けを求めることができません。それだけに、上の世代は彼らに親身に寄り添う姿勢が必要です。
まず、私たち自身が変わらなければなりません。