兵とは詭道なり

2016-05-25 15:26:25 | 私の愛読書

私もときどき目を通す中国の古典が「孫子」です。中国の春秋時代の孫武が著し、2000年以上も世界で読み継がれてきた兵法書は、これしかありません。

「孫子」には、「兵とは詭道なり」と書かれています。つまり、戦争とは敵をだます行為である、と。戦争の本質は、いかなる伝統的形式とも倫理的美徳とも無縁な、ルールなき騙し合いにこそ存在する、と孫子は断言しています。実際、古今東西の多くの戦争は、幾多の騙し合いの産物です。

これは、政治の世界とも共通性があります。安倍首相は、「衆院解散の『か』の字も考えていない」と言っていますが、多くの人はその言葉を信じてはいません。安倍首相の胸の内は固まっていると思いますが、どうなるかは外部からはわからない。とにかく、いきなり解散に打って出てきた場合でも、返り討ちできる準備だけは、整えておく必要があります。

多くの戦国武将も座右の書にしていた「孫子」。兵法書として書かれたものですが、実は”哲学書”といってもいい。「孫子」は、個人の力でどう勝つかではなく、徹底して集団の力、組織の力で勝つために英知をしぼった書です。「兵法書」というと、私たちからは対極にあるものですが、「哲学書」と考えれば、私たちの側からも、学びとれる部分の多い、歴史的名著だと思います。

 

NHKの動画です。

 https://www.youtube.com/watch?v=Sa3FFBAWZiU

 

 

 

 

 


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