「やさしい嘘と贈り物」をDVDで観ました。
予備知識は一切持たずに観て「これは10年以上前の作品かな~」と思ったら何と2008年の製作?!
ちょっと驚きました。
つまり作品自体にまったく新鮮さがなかったのです。
主演は良かったです。
アカデミー賞を受賞しているマーティン・ランドーとエレン・バースティンの確かな存在感は感じました。
監督はニコラス・ファクラーでまだ若干24歳!
これが初監督作品だそうですが、表現の手法とか挿入される音楽にあまり若さや新鮮さを感じなかった私。
おもな内容は・・・
雪の降るアメリカの小さな町。
たった一人で暮らしている老紳士ロバート(マーティン・ランドー)は毎日同じ時間に起き、歯を磨き身支度をしてスーパーの仕事に出かける。
そんな彼がある日出会った老婦人メアリー(エレン・バースティン)。
二人が意気投合してデートをしたり心を躍らせて親しくなる。
初めて出会ったように思えた二人だけれど、本当は・・・というお話。
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この作品は予告やその他で最初からネタばれしていたとか。
そんな状態で鑑賞したらどんな気持ちで観られるんだろう・・・
私は何も知らずに観たから少しは救われたけど。
(ここからネタばれ)
つまりロバートは認知症になっていて妻のメアリーも子ども達も認識できない状態だった。
年老いて動きの鈍いロバートになぜスーパーの経営者が理解を示すのか、それは観ていてわかったけれど。
ただ、認知症の老紳士が一人で暮らしていける訳はないと思う。
(いない時に食料や薬の管理を家族がしていたけれど)
それに認知症でも運転をしていたのか。
お二人の名演技は心に響きます。
ただどこかが物足りない。
ロバートの家のあちこちに貼ってあった「毎日一錠ずつ飲む」・・・などのメモも最後しかなかった。
夫婦や家族の老いの問題を描きたかったのだろうけれど、奥行きのないシナリオに思えてしまいました。
認知症になった相方を描いた「きみに読む物語」は良かったな。
それから老いを描いた「黄昏」なんて素晴らしかった。
それに比べると今回の作品はいろんな意味でちょっと残念でした。
今回の評価は・・・ 星2つ半 ☆☆★
エレン・バースティンは「アリスの恋」がなつかしいな。