「題名のない子守唄」をBSで観ました。
2006年のイタリア映画。
あの「ニュー・シネマ・パラダイス」のジュゼッペ・トルナトーレ監督の作品です。
北イタリアを舞台に忌まわしい過去を持つイレーナ(クセニャ・ラポポルト)の愛と謎に満ちた物語。
おもな内容は・・・
北イタリアのトリエステに長距離バスでやって来たイレーナ(クセニャ・ラポポルト)は、貴金属商を営むアダケル家のメイドになる。
家事を完ぺきにこなす彼女は、アダケル夫人から瞬く間に信頼を得るようになる。
また、4歳になるアダケル家の娘テア(クララ・ドッセーナ)とも心を通わせ合うようになるが・・・。
(シネマトゥデイより抜粋)
物語の最初からミステリアスな雰囲気で惹きこまれました。
仮面をかぶって並べられ品評される女達・・・
その一人が主人公のイレーナ。
そんな過去をフラッシュバックさせながら現在のイレーナの計画が描かれていきます。
ターゲットになったアダケル家を監視できる部屋を借り、あらゆる手段でアダケル家に入り込もうとするイレーナ。
彼女自身の謎の苦しみや心境をうまく映像に表現できた事はすごいな~と思いました。
ただ・・・(ここから辛口)
イレーナがアダケル家の娘テアに対する強い気持ちはその後の描写で理解できるけど。
それでもテアを紐でグルグル巻きにして何度も床に叩き倒す場面は私にはわからない。
たとえイレーナが実母であったとしても(その後DNAでは母子ではない事がわかる)子どものためとは言え、あそこまで非情に叩く事ができるのか。
それにアダケル家は夫婦仲は元々悪かったけれど、アダケル夫人が事故死をし、家族がバラバラになったのはイレーナのせいです。
イレーナにどんな過酷な過去があったとしても、手段を選ばずに人を怪我させたり不幸にさせてしまうのは絶対におかしいと思ったのです。
過去のボス、通称「黒カビ!」はあれだけ凶器で襲われてもなぜ生きていた?!
血を流すグロいシーンが多すぎた感じもします。
そしてラスト。
テアがイレーナを待っていたシーンはあまり納得がいかなかった。
血の繋がりよりも絆が強かったのか・・・
ラストに未来への希望を描きたかったのかもしれないけれど。
そんな訳で、作品の作りは最初だけ惹きこまれたものの、終わってみれば感動はなかった。
今回の評価は・・・ 星2つ ☆☆
9人産んだ子どもを全部奪われた過去・・・なぜ最後の子にだけ執着するのか?