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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

いっすんぼうし メアリー・スミス

2019-03-15 17:25:02 | ひらきよみ(読み聞かせ)

本日は今年度最後の読み聞かせ当番でした。
3年生のクラスで2冊読んできました。

最初に、今回の「届ける絵本」『いっすんぼうし



先日原画を観てきたばかりで、なんか親近感‥ふふ。


こどもが欲しいと思ったおじいさんとおばあさんが、「おてんとうさま」に
お願いをするところから、お話が始まるのがとてもいいなあと思います。
冒頭を端折ることもできると思うのですが(こどものいないおじいさん、
おばあさんのところに小さな男の子が生まれました‥とか)、やはり願わなくては
何事も叶わないなあというか‥。そしてそのお願いを「おてんとうさま」に
するというのもとても自然に思えます。

都へのぼるまでも、とても丁寧に描かれています。
途中、ありに尋ねると、ありは、「たんぽぽよこちょう、つくしのはずれ」
応えます。いいですよね~この感じ笑。そして、そのとおり歩いていくと

おおきなかわが、まんまんと ながれていました。


みやこへのぼってからのいっすんぼうし、実に堂々していて凛々しいです。
姫をさらっていこうとする鬼が現れた時も、
「そうは させぬぞ。いっすんぼうし ここにあり!」とさけびました。

うちでのこづち
で大きくなり、最後は姫と結婚してしあわせに暮らした
いっすんぼうし。なによりのエンディングです。



むかし話っていいなあと思いながら、読みました。
聞いている3年生も、時折笑いながら、物語の成り行きを楽しんでいる
ようでした。



もう1冊は、東京こども図書館編『よみきかえのきほん』に載っていた
こちらを読んでみました。

メアリー・スミス



今回初めてこの絵本も、絵本に描かれているような「職業」があったことも
知りました。

労働者階級の家々に、まだ目覚まし時計が普及がしていなかった頃、イギリスで、
一軒一軒訪ねては、起こしてまわるというお仕事をしている方々がいたそうで‥
表紙に描かれているメアリー・スミスは、ストローに豆を詰めて、それを勢いよく
吹いて、窓ガラスに当てて起こしていました。
(ご本人の写真がとっても説得力ありますねー)


読み始める前に、「私たちの周りには今はこういう職業の人はいないと思うのですが、
その昔、イギリスで本当にあった職業のおはなしです」と言って、写真を見せると
「おおっ」と軽くどよめきが笑。
読み終わったあとに、何のお仕事か訊くので、よくお話聴いててね、と言ってから
読み始めました。

英語では ノッカー・アップ というそうで‥日本語では「めざまし屋」と
訳されています。
「起こし屋さん」とか、「早起きさせるしごと」とか口々に言う子たちの中で
ひとりだけ正解者が居ました。



昨年の5月から始まった今年度の活動も、本日で終了です。
私は32冊の絵本を読みました。
自分の娘はとうに小学校を卒業しているので、学校行事とともに
1年間を過ごしている感覚は年々薄れていき、気が付くと季節が変わり、
3学期も終わろうとしているといった感じですが、絵本に接し、声を出して
読む練習をし、クラスで読み、読み終わったあとに、仲間と話し合ったり
情報を交換したり、共有したり‥といった時間は自分にとっては
なくてはならない大切なものだと、あらためて思う次第です。
新しい絵本は次々と出てくるし、知らない絵本はまだまだあるし、
どの学年の子供たちの瞳も、いつのときも輝いているし。
楽しみは尽きません。

 

コメント
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