[5月9日10時30分 天候:曇 沖縄県南城市玉城前川 おきなわワールド]
善場「私の配慮が足りませんでした。申し訳ございません」
高橋は喫煙所でタバコを吸っている。
私は自販機で飲み物を購入し、それで水分補給していた。
そこへまた善場係長が掛けて来る。
愛原「いえ、お気になさらないでください」
善場「例の船の事……それに関連したワードを出すと、激しい頭痛とフラッシュバックが起きるとのことですが……」
愛原「ええ、まあ……。でも、それらの船はもうこの世に無いですし、今更その原因を調べようとしても無理でしょう」
善場「精神科を受診してみるというのは如何ですか?催眠療法などで、それら封印された記憶を引き出すことは可能らしいですが……」
愛原「気が進みませんなぁ……」
高橋の話では、確かに豪華客船“破邪顕正”号には乗った。
今は“青いアンブレラ”のメンバーとなっている高野芽衣子君と一緒にだ。
この時は、まだリサとは再会していない。
リサから送られてきたゴールドカードを使って、船内を探索しようとしていたのではないか。
そしたら安全のはずの顕正号でバイオハザードが起こって、何とか船から脱出しようとしていた矢先、私はゾンビに襲われた。
その際、転倒して頭を打って、大ケガをしたはずだ。
私の意識と記憶はそこまでなのだが、高橋曰く、高橋と高野君が駆け付けてくれて、私の体に食らい付いていたゾンビを駆逐し、何とか救助ヘリがやってきた船首甲板のヘリポートまで連れ出してくれた。
そう聞いている。
その後、私は意識不明の重体に陥り、江東区の病院に半年近くも入院していた。
霧生市のバイオハザードの際、私の体には元からTウィルスの抗体があることが分かったので、今更そのゾンビに噛まれたところで感染するわけではない。
確かに恐怖体験ではあるものの、それがどうしてこんなフラッシュバックと激しい頭痛が起こるのかは分からずじまいだった。
転倒して頭を強打した際の後遺症ではないかと思うのだが……。
善場「所長は健康診断とかは受けられてますか?」
愛原「一応、年に1度は近くのクリニックで受けてますよ」
善場「その際、脳ドッグとかは?」
愛原「それは受けてません」
善場「そうですか……」
愛原「あの……それが何か?」
善場「……愛原所長。帰京したら、脳ドッグを受けられることを強くオススメします」
愛原「えっ?」
善場「私で宜しければ、脳神経科のクリニックを探しておきましょう」
愛原「そ、そんな!申し訳ないですよ!」
善場「そうでもしませんと、所長は受診されないようですから」
愛原「ええ……。わ、分かりました!帰京したら、脳ドッグを受けて来ます!」
善場「その方が宜しいです。それで金庫の件ですが……」
愛原「は、はい」
善場「BSAAが回収したとの報告が入りました。他にも似たようなものが無いか、探索を続行するとのことです」
愛原「そうですか……」
こりゃ、本格的に脳ドッグを受けなきゃいけなくなったようだ。
[同日12時00分 天候:曇 同市内 おきなわワールド・健食バイキング“ちゅら島”]
昼食はパーク内のレストランで食べる。
またもやバイキング形式で、リサは大喜び。
まあ、バイキング=食べ放題というわけだから。
リサ「先生!体の具合は良くなったの!?」
愛原「ああ。心配掛けて済まなかった」
リサ「わーい!それじゃ、こっちで一緒に食べよ!」
リサは私の手を取って、グイグイと席まで引っ張って行く。
鬼型BOWの力なので、振り解けそうにない。
レストランは広く、団体予約もしているくらいであり、当然修学旅行生の受け入れも行われている。
愛原「あ、ああ……」
バイキングには沖縄料理もあったが、他にも中華料理とかうどんとかもある。
ここでもリサは、ガッツリ肉を盛っていた。
三上「おや、愛原会長。体の具合はもう大丈夫なので?」
引率教師で学年主任の三上先生が話し掛けて来た。
愛原「三上先生。御迷惑をお掛けしました。おかげさまで、今はもう大丈夫です」
三上「そうですか。沖縄は、東京と気候が違いますからな。十分お気をつけて」
愛原「は、はい。どうもすいません」
どうやら三上先生は、私の体調不良の原因が、気候の違いによるものと思っているらしい。
そういうわけではないのだが、ややこしいので、そういうことにしておくことにする。
高橋とリサにも、目配せをしておいた。
三上「助手の方は大丈夫なんですか?」
高橋「あっ?あー……俺は大丈夫っス!」
三上「そうですか。それならいいですが」
リサ「お兄ちゃん、先生にジュース持って来てあげよう!」
高橋「お、おー……そうだな。先生、何にします?」
愛原「お茶がいいや。ジャスミン茶」
高橋「うス!」
私はリサ達の席の近くに座り、料理を持って来ることにした。
朝にガッツリ食べた上、そんなに体を動かしていないこともあり、そんなに今ガッツリ食べたいわけではない。
なるべく消化に良い物を選ぶことにした。
そうなると、やはり麺類ということになるか。
リサ「先生はサッパリした物がいいんだね」
愛原「あんまり腹減ってないんだ。具合が悪くなったこともあってさ」
リサ「ふーん……」
愛原「ま、取りあえず消化にいいうどんとかにするさ」
他に水餃子とか、ゆし豆腐とかもあったので、それをチョイスした。
愛原「高橋も気にしないで、どんどん食っていいからな?」
高橋「あ、はい。サーセン。……あの、ねーちゃんは何て言ってました?」
愛原「病院に行けって言われたよ」
高橋「そ、そうっスか」
愛原「東京に帰ったらな」
高橋「そ、それで、先生はどうなさるおつもりですか?」
愛原「まあ、脳ドッグくらい受けてもいいかなと思ってる。善場係長もそうしろと仰ってるし」
高橋「どこか、いい病院あるんですか?」
愛原「まあ、後で探すさ。というか、善場係長が探してくれるらしいが」
高橋「お、俺も探します!」
愛原「別にいいよ。係長がとても心配されてるんだから、係長オススメの所に行くさ。そこで何も無ければ、係長を安心させられるってもんだ」
高橋「は、はあ……」
高橋は何を狼狽してるんだろう?
やっぱり私が、脳の病気か何かだと疑っているのだろうか?
善場「私の配慮が足りませんでした。申し訳ございません」
高橋は喫煙所でタバコを吸っている。
私は自販機で飲み物を購入し、それで水分補給していた。
そこへまた善場係長が掛けて来る。
愛原「いえ、お気になさらないでください」
善場「例の船の事……それに関連したワードを出すと、激しい頭痛とフラッシュバックが起きるとのことですが……」
愛原「ええ、まあ……。でも、それらの船はもうこの世に無いですし、今更その原因を調べようとしても無理でしょう」
善場「精神科を受診してみるというのは如何ですか?催眠療法などで、それら封印された記憶を引き出すことは可能らしいですが……」
愛原「気が進みませんなぁ……」
高橋の話では、確かに豪華客船“破邪顕正”号には乗った。
今は“青いアンブレラ”のメンバーとなっている高野芽衣子君と一緒にだ。
この時は、まだリサとは再会していない。
リサから送られてきたゴールドカードを使って、船内を探索しようとしていたのではないか。
そしたら安全のはずの顕正号でバイオハザードが起こって、何とか船から脱出しようとしていた矢先、私はゾンビに襲われた。
その際、転倒して頭を打って、大ケガをしたはずだ。
私の意識と記憶はそこまでなのだが、高橋曰く、高橋と高野君が駆け付けてくれて、私の体に食らい付いていたゾンビを駆逐し、何とか救助ヘリがやってきた船首甲板のヘリポートまで連れ出してくれた。
そう聞いている。
その後、私は意識不明の重体に陥り、江東区の病院に半年近くも入院していた。
霧生市のバイオハザードの際、私の体には元からTウィルスの抗体があることが分かったので、今更そのゾンビに噛まれたところで感染するわけではない。
確かに恐怖体験ではあるものの、それがどうしてこんなフラッシュバックと激しい頭痛が起こるのかは分からずじまいだった。
転倒して頭を強打した際の後遺症ではないかと思うのだが……。
善場「所長は健康診断とかは受けられてますか?」
愛原「一応、年に1度は近くのクリニックで受けてますよ」
善場「その際、脳ドッグとかは?」
愛原「それは受けてません」
善場「そうですか……」
愛原「あの……それが何か?」
善場「……愛原所長。帰京したら、脳ドッグを受けられることを強くオススメします」
愛原「えっ?」
善場「私で宜しければ、脳神経科のクリニックを探しておきましょう」
愛原「そ、そんな!申し訳ないですよ!」
善場「そうでもしませんと、所長は受診されないようですから」
愛原「ええ……。わ、分かりました!帰京したら、脳ドッグを受けて来ます!」
善場「その方が宜しいです。それで金庫の件ですが……」
愛原「は、はい」
善場「BSAAが回収したとの報告が入りました。他にも似たようなものが無いか、探索を続行するとのことです」
愛原「そうですか……」
こりゃ、本格的に脳ドッグを受けなきゃいけなくなったようだ。
[同日12時00分 天候:曇 同市内 おきなわワールド・健食バイキング“ちゅら島”]
昼食はパーク内のレストランで食べる。
またもやバイキング形式で、リサは大喜び。
まあ、バイキング=食べ放題というわけだから。
リサ「先生!体の具合は良くなったの!?」
愛原「ああ。心配掛けて済まなかった」
リサ「わーい!それじゃ、こっちで一緒に食べよ!」
リサは私の手を取って、グイグイと席まで引っ張って行く。
鬼型BOWの力なので、振り解けそうにない。
レストランは広く、団体予約もしているくらいであり、当然修学旅行生の受け入れも行われている。
愛原「あ、ああ……」
バイキングには沖縄料理もあったが、他にも中華料理とかうどんとかもある。
ここでもリサは、ガッツリ肉を盛っていた。
三上「おや、愛原会長。体の具合はもう大丈夫なので?」
引率教師で学年主任の三上先生が話し掛けて来た。
愛原「三上先生。御迷惑をお掛けしました。おかげさまで、今はもう大丈夫です」
三上「そうですか。沖縄は、東京と気候が違いますからな。十分お気をつけて」
愛原「は、はい。どうもすいません」
どうやら三上先生は、私の体調不良の原因が、気候の違いによるものと思っているらしい。
そういうわけではないのだが、ややこしいので、そういうことにしておくことにする。
高橋とリサにも、目配せをしておいた。
三上「助手の方は大丈夫なんですか?」
高橋「あっ?あー……俺は大丈夫っス!」
三上「そうですか。それならいいですが」
リサ「お兄ちゃん、先生にジュース持って来てあげよう!」
高橋「お、おー……そうだな。先生、何にします?」
愛原「お茶がいいや。ジャスミン茶」
高橋「うス!」
私はリサ達の席の近くに座り、料理を持って来ることにした。
朝にガッツリ食べた上、そんなに体を動かしていないこともあり、そんなに今ガッツリ食べたいわけではない。
なるべく消化に良い物を選ぶことにした。
そうなると、やはり麺類ということになるか。
リサ「先生はサッパリした物がいいんだね」
愛原「あんまり腹減ってないんだ。具合が悪くなったこともあってさ」
リサ「ふーん……」
愛原「ま、取りあえず消化にいいうどんとかにするさ」
他に水餃子とか、ゆし豆腐とかもあったので、それをチョイスした。
愛原「高橋も気にしないで、どんどん食っていいからな?」
高橋「あ、はい。サーセン。……あの、ねーちゃんは何て言ってました?」
愛原「病院に行けって言われたよ」
高橋「そ、そうっスか」
愛原「東京に帰ったらな」
高橋「そ、それで、先生はどうなさるおつもりですか?」
愛原「まあ、脳ドッグくらい受けてもいいかなと思ってる。善場係長もそうしろと仰ってるし」
高橋「どこか、いい病院あるんですか?」
愛原「まあ、後で探すさ。というか、善場係長が探してくれるらしいが」
高橋「お、俺も探します!」
愛原「別にいいよ。係長がとても心配されてるんだから、係長オススメの所に行くさ。そこで何も無ければ、係長を安心させられるってもんだ」
高橋「は、はあ……」
高橋は何を狼狽してるんだろう?
やっぱり私が、脳の病気か何かだと疑っているのだろうか?