報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“愛原リサの日常” 「修学旅行前日の動向」 4

2024-08-16 12:40:30 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[5月7日17時55分 天候:曇 東京都大田区羽田空港 東京モノレール羽田空港第1ターミナル駅→羽田空港第1ターミナル]

 昭和島駅を通過すると、電車はトンネルの中に入る。
 前面展望を見ていると、まるで海の中に飛び込んで行くかのような感じだそうだ。
 すぐに電車は地上に出て、整備場駅も通過する。
 再び地下に入って、天空橋駅も通過。
 地上に出ると、ようやく最初の停車駅、羽田空港第3ターミナルに到着する。
 ここは、かつての国際線ターミナルのこと。
 第2ターミナルからも国際線が出るようになった為、ターミナル名、駅名が変わったようである。
 ここを出ると、また地下に入る。
 そして、新整備場駅を通過して、ようやく下車駅の第2ターミナル駅である。

〔まもなく、羽田空港第1ターミナルです。出口は、右側です。お忘れ物に、ご注意ください〕

 電車は地下のホームに滑り込むようにして停車した。
 電車といっても、ゴムタイヤで走るモノレールだから、鉄軌道・鉄車輪の電車とは運転感覚が違うのかもしれない。

 愛原「夕食の前に、明日の集合場所を確認しよう」
 高橋「そこをショバにするんですね?」
 愛原「ヤクザの縄張りじゃないからな?」

 電車のドアとホームドアが開いて、リサ達は電車を降りた。
 ガラガラとキャリーケースを引く。

 愛原「といっても、すぐそこなんだけどな」
 リサ「?」

 エスカレーターを上って、改札口を出る。
 そこは羽田空港第1ターミナルの地下1階である。

 愛原「この通路を行くと……」

 このフロアは東京モノレールの他、京浜急行線の乗り場もある。
 その交点とも言える場所には、円形のインフォメーションカウンターがあって、その先には『月の塔』というモニュメントがある。
 ご丁寧に、『月の塔』のネームプレートの下には、『集合場所』というプレートも掲げられている。

 愛原「ここだな。多くの生徒は、やっぱりモノレールや京急でアクセスするだろうからってんで、ここに一旦集まってもらうことになった。そこから、あのスカイマークの出発ロビーまではエスカレーターで行けるから、これで……」
 リサ「あれ?『4番の時計台』じゃないの?」
 愛原「参加人数が思ったより多かったんで、急きょ、もう少し場所の広い所に変わった。もし、バスや車でアクセスするコが迷ったりした場合は、そこでもいいってことにしてね」
 リサ「ヨドバシ、バスで行くって言ってたな。LINEしておこう」
 レイチェル「写真も送ってあげるといいですヨ」
 リサ「そうする」

 リサは『月の塔』の写真を添付した。

 高橋「この辺りでも、食う所はあるんスね」
 愛原「そこにマックはあるが、恐らく立ち食いかテイクアウトメインの店だろうな」
 高橋「フツーの飯がいいっスね」
 愛原「そうだな。沖縄に行ったら、逆に食べれない物とか食べたいな」
 高橋「寿司とかですか?」
 リサ「肉!肉!」
 レイチェル「Clam(貝)以外の生魚はちょっと……」
 愛原「……取りあえず、上の階に行こう」

[同日18時15分 天候:曇 同地区内 羽田空港第1ターミナル4階・黄金色の豚]

 愛原「とんかつならどうだ?」
 高橋「さすがは先生です」
 リサ「さすがは先生です」
 レイチェル「さすがはセンセイです」

 愛原はターミナル4階のとんかつ料理店に、リサ達を案内した。
 テーブル席に一塊で座る。

 愛原「何がいいかな?」
 リサ「肉!肉ガッツリ!」
 高橋「俺は、このカツカレーで。思いっ切り辛くしてもらって」
 愛原「俺は取りあえず、ビールがいいや」
 リサ「明日があるのに、飲むの?」
 愛原「一杯くらい、いいだろ?」
 リサ「じゃあ、わたしも飲む」
 愛原&高橋「オメーは“鬼ころし”でガマンしてな!」
 リサ「えー……」
 愛原「レイチェルも、好きなもん頼んでいいぞ。何しろ明日から、リサの監視役は俺からキミに移るんだから」
 レイチェル「ハイ。ありがとうございます」
 リサ「これ!」
 愛原「んー?おい!生肉はダメだ!」

 メニューには、この店のこだわりについて紹介されているページがある。
 その中に、豚肉の塊を包丁で切り落としている写真があるのだが、リサはこれを指さした。

 レイチェル「生肉を食べたら、更にBOW化が進んで、人間に戻れなくなりますよ」
 リサ「えー……」
 愛原「とにかく、注文しよう。高橋もビール飲むか?」
 高橋「オナシャス!」
 リサ「わたし達はー?」
 愛原「ジュース一杯なら奢るよ」
 リサ「おー!じゃあ、オレンジジュース」
 レイチェル「ジンジャーエールをお願いします」
 愛原「あいよ」

 愛原は店員を呼んで、注文を開始した。

 リサ「180gは少ないような気がするなぁ……」
 レイチェル「Pork Cutletですよね?十分だと思いますが」
 リサ「まあ、足りなかったら、コンビニで何か買えばいいか……」

 リサ達が座っている席は、あいにくと少し窓から離れているのだが、それでも全く見えないわけではない。

 愛原「何か、雨でも降ってきてるかな?外が随分暗いが……」
 高橋「夜は雨らしいですね」
 リサ「明日、大丈夫かな?」
 レイチェル「明日は晴れるみたいですよ。雨が降るのは夜だけで」
 リサ「何だ、そうか」
 レイチェル「夜に降る雨は、BSAA隊員にとっては警戒するべき状況です」
 リサ「ん、何で?」
 レイチェル「ラクーンシティ最後の日の夜も大雨だったそうですし、トールオークスシティ最後の夜……12時過ぎには雨が降り出していました」
 リサ「そうなんだ……」
 高橋「雨の夜の方が暴れやすいのか?」
 リサ「そんなわけないじゃんw わたしだって雨ん中、外に出たくないよ」
 レイチェル「リサ・トレヴァーは、屋敷の外に出なかったそうじゃないですか」
 リサ「あ……そうだっけ?」
 高橋「引きこもりかよw」
 リサ「うるさいな」

 先に飲み物が運ばれてくる。
 ジンジャーエールはストローが差さっていなかったら、まるでシャンパンのように見える。

 愛原「因みにリサの部屋には、桜谷さんが描いてくれた肖像画の他、オリジナルのリサ・トレヴァーの肖像画と生前の写真が飾ってあるぞ」
 リサ「わたしのGウィルスは、大先輩から受け継いだものだから」
 レイチェル「世界的には、それを『負の遺産』というらしいですが。日本政府は核兵器が持てないからと、リサみたいなBOWを研究対象にしているらしいですが?」
 リサ「わたし、知らなーい」

 まあ、自ら進んでBOW(生物兵器)になったわけではないリサには、確かに分からないだろう。
コメント
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