報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“愛原リサの日常” 「修学旅行前日の登校日」

2024-08-12 22:08:19 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[5月7日06時00分 天候:曇 東京都墨田区菊川2丁目 愛原家4階リサの部屋]

 リサ「うーん……。っ、ハッ!?」

 リサは変な夢を見て目が覚めた。
 鬼が棲む岩山で、男の鬼達に担ぎ上げられてお姫様扱いされる夢だった。
 それはいいのだが、逆にリサにとっては気持ち悪くて、それで変な目覚め方をした次第。

 リサ「っ……何だこの夢?」

 と、枕元に置いたスマホがアラームを鳴らした。
 アラームが鳴る直前に起きれたということだ。

 リサ「まあ、いいや」

 リサは起き上がると、顔を洗いに洗面所に向かった。

 愛原「おはよう、リサ」
 リサ「あっ、先生。おはよう」
 愛原「おはよう。今日はちゃんと起きれたな?」
 リサ「わ、わたしだって、起きる時は起きるよ」
 愛原「今はいいが、学校に行く時は人間形態でな?」
 リサ「あ、あー……うん」

 リサは洗面所の鏡を見た。
 2本角が生えていて、瞳も今は赤色だ。
 角はそんなに長くなく、おかげでフードや帽子で隠せるほど。
 ただ、それでも2本角が前髪を3つに分けてしまうくらいの長さはある。
 愛原は洗面所隣のトイレに入った。

[同日06時30分 天候:曇 同地区内 愛原家3階ダイニング]

 朝食はパールが作ってくれた。

 

 今朝はベーコンエッグである。
 愛原はテレビを点けていた。

 愛原「船が……沈んだそうだ」
 リサ「そう、か……」

 NHKニュースでは、BSAAが船内に突入したものの、生存者は誰一人おらず、ウーズというTアビスウィルスに感染した者の成れの果てであるクリーチャーが跋扈していた状態だったそうだ。
 当然ながら、番組では2005年に地中海で起きたバイオハザード事件を持ち出している。
 Tアビスウィルスは、実は全てが回収されておらず、一部が行方不明になったままであることが報じられ、それが今頃使われたのではないかと報道している。

 愛原「やっぱり、ヴェルトロの残党っていたのかなぁ?」
 高橋「でもあいつら、カルト宗教っスよね?何でそいつらが、塾の連中を襲うんです?」
 愛原「えっと……そりゃあ……」
 リサ「これから調べるんでしょう。Tアビスをバラ撒いたヤツは捕まえたのかなぁ?」
 愛原「それも含めて、レイチェルに聞いてきてくれないか?」
 リサ「分かったー」

[同日08時15分 天候:曇 東京都台東区上野 東京中央学園上野高校・正門→3年3組]

 リサ「おはようございまーす」
 三上「おはよう。今日は遅刻しなかったな?」
 リサ「わたしだって、いつもいつも遅刻してるわけじゃないですよ」
 三上「嘘つけ!今度校門を跳び越えたりしたら……」
 リサ「その竹刀で滅多打ち?」
 三上「今年の女子陸上部のインターハイに出てもらうからなぁ!?」
 リサ「それ、リンの仕事!!」

 生活指導教師兼3学年主任の三上とそのようなやり取りをした後、リサは教室へ。

 リサ「おはよう」
 淀橋「あっ、魔王様、おはよう」
 小島「おはよー」
 リサ「えーと……レイチェルはいる?」
 淀橋「いや、来てないね」
 小島「もしかして、あれじゃない?伊豆諸島近海のバイオハザード?で、出動してるんじゃない?」
 リサ「むー……。養成学校生は、まだ実戦に出れないって聞いてるんだけど……」
 淀橋「LINEは?」
 リサ「応答なし」
 小島「じゃあ、やっぱり出動してるんだよ、きっと」
 淀橋「見学とかしてるんじゃない?」
 リサ「体育かよ」

 因みに今日は登校日だが、何も修学旅行前日の結団式をやるだけではない。
 授業日数確保の為、午前中の2時限だけは授業を行うことになっている。
 その後、結団式を行い、あとは帰宅という流れ。
 尚、体育の授業は、就学旅行前にケガをしては大変だということで、保健体育や座学を行うことになっている。
 もっとも、リサのクラスでは、今日は体育は無いが。
 今日はクラス担任と副担任が受け持つ教科を受けることになっている為。
 坂上の現代国語と、倉田の公民という文系の授業だけだ。
 そんなことを話していると、朝のホームルームの予鈴が鳴る。
 日曜日だから鳴らないと思ったが、今日は鳴るように設定されたようだ。
 で、この時間になってもレイチェルは来なかったので、やはり今日は休みなのだろう。

 坂上「はい、皆、おはよう。こんな日曜日に登校お疲れ様です。今年は連休が長い上に、修学旅行が全部平日なもんだから、授業日数が足りなくなる恐れがあるということで、今日は特別に2教科だけ授業を受けてもらうことになりました。もちろん日曜日の時間割なんてあるわけないので、それぞれクラスの担任と副担任の教科を受けてもらう。こういうことになりました。皆さん、ちゃんと教科書持って来ましたかー?」
 リサ「(何この小学校みたいなノリw)先生!」
 坂上「忘れたのなら、淀橋さんが小島さんに見せてもらって」
 リサ「いや、違う違う違う!レイチェルは今日休み?……ですか?」
 坂上「あー……レイチェルは……諸事情により、今日は休みという連絡が来てます。あ、でも、明日の修学旅行への欠席届は出ていないので、修学旅行には来ると思います」
 淀橋「なーに?先生、しどろもどろになっちゃって……」
 小島「まさかレイチェル、本当に出動してケガとかしたんじゃ?」
 リサ「えっ!?」
 坂上「そこの『魔王軍』、静かに!特にケガをしたとか、そういう連絡は入ってないので、変な事は言わないように!それでは、今日の予定をお話しします。この後、1時限目は先生の授業。2時限目は倉田先生の授業ですね。その後、休み時間を挟んで、体育館にて修学旅行結団式を行います。それが終わった後は、順次解散です。教室に戻ったら、そのまま荷物を持って下校してください。明日、沖縄組の集合時間は早いですからね?お昼頃に帰れるからといって、そのまま遊び惚けたりしないように」
 リサ(てか、本当にレイチェルは参加できるんだろうか?)

 坂上の言う通り、集合時刻が早い。
 羽田空港第1ターミナルに朝7時という早さである。
 その為、今日は羽田空港のホテルに前泊することになっている。
 PTA会長としての愛原やその助手の高橋の他、リサとレイチェルもだ。

 淀橋「明日は始発電車かぁ……」
 小島「いや、そこまで早くなくてもいいんじゃない?」
 リサ「…………」

 尚、リサ、前泊することはこの2人には内緒である。
コメント
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