報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「修学旅行2日目」 2

2024-08-29 11:22:43 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[5月9日09時00分 天候:晴 沖縄県那覇市 貸切バス車内]

 私達は予定通り、ホテルをあとにした。
 バス2台に分乗して、2日目最初の目的地へと向かう。

 

 バスガイド「皆さん、おはようございます。昨夜はよく眠れましたか?」

 

 というバスガイドの問い掛けへの回答者がどんな感じかで、この学校の民度が分かるというもの。

 男子生徒A「もうグッスリっス!」
 男子生徒B「別の意味で!?別の意味で!?」
 男子生徒C「何の意味だよ?」
 リサ「ナンパダメ!ゼッタイ!」
 愛原「ん!?」
 小島「あいつが私達の部屋に乗り込んで来たんで、魔王様が『革命的に指導』しました!」
 高橋「え?え?え?」
 愛原「左翼団体みたいなこと言わないでくれる?」

 この学校、民度が高いんだか低いんだか……。

 バスガイド「本日はこれより、南城市にございます『おきなわワールド』へと向かいます。『おきなわワールド』までの所要時間は、およそ40分を予定してございます。『おきなわワールド』は……」

 だいたい座っている席は、昨日と同じである。
 私も高橋も、リサもレイチェルも1番後ろに座っている。
 私はスマホを取り出して、善場係長に連絡を取った。
 メールを送るだけだが……。

 高橋「なに?オマエ、ナンパされたの?」
 リサ「痛い目に遭うって、まだ分かんないアホがいるんよ」
 高橋「オメェ、見た目『だけ』はいいからな。見た目『だけ』は」
 リサ「何で『だけ』を強調すんの!」
 高橋「中身はバケモンだろうが」
 リサ「あぁ!?」
 レイチェル「まあまあ。あまりうるさくすると、愛原センセイに怒られますよ?」
 高橋「はッ!?」
 リサ「しまった!」

 レイチェルの警告に、脊髄反射で私の方を振り向く2人。
 だが、今はそれどころではなかった。
 BSAAが沈没した客船をサルベージする作業をしていたところ、沈没地点付近である物を見つけたというのだ。
 それは金庫。
 もちろん海底に落ちていたので、相当錆び付いていたそうだが、状態からして中は浸水していないかもしれないというのだ。
 しかもよく見ると、アンブレラの紋章が施されているというのだ。

 善場「配線が付いていたところを見ると、普段はカードキーか何かで開ける電子金庫だったようです。アンブレラのマークが付いていて、カードキーで解錠できるということは、リサのゴールドカードが使えるということなのではないでしょうか?」

 とのこと。
 すると、昨夜見た夢は……。

 愛原「その金庫は、その客船に積まれていたものなのでしょうか?」
 善場「いいえ。劣化状態からして、もっと前から海底に沈んでいたと思われます。実はあの現場は、何年か前に別の船が沈没した現場にとても近い所なのです。その船の名は……『破邪顕正』号」
 愛原「うっ……!」

 私の脳裏にフラッシュバックが起こり、激しい頭痛と眩暈が起こった。
 そして、スマホを落としてしまった。
 スマホは座席の上に落ち、そこでバウンドして床に落ちた。

 高橋「! 先生?!」
 愛原「うう……」
 リサ「先生!?」

 危うく意識が途絶えるところであったが、すんでの所でそれは阻止できた。
 だが、意識は朦朧としている。

 高橋「先生!ここは1つ、病院に!」
 愛原「い、いや……それには及ばない……」
 高橋「で、でも……!」
 リサ「私のGウィルスを取り込めば、たちどころに治るよ!」

 リサは口を開けた。
 そこからGウィルスの胚がコンニチワと覗いている。

 レイチェル「射殺しますヨ?」
 高橋「俺も手伝う!」
 愛原「と、取りあえず静かにしてくれないか……」

 取りあえず、ロキソニンは飲んでおく必要がありそうだ……。

[同日10時00分 天候:晴 沖縄県南城市玉城前川 おきなわワールド]

 バスは9時45分頃に、おきなわワールドに到着した。
 ここも有名なテーマパークということもあり、多くの観光客が訪れている。
 もちろん、バス駐車場も完備。
 バスはここに駐車している。
 本来なら一緒に中に入る私は、大事を取ってバスの中で待機。
 高橋も残った。

 愛原「あー……くっそ……情けねぇ……」

 私はバスの座席をリクライニングし、すぐ横のカーテンを閉めていた。
 熱は無いのだが、一応、額には冷却シートを貼っている。

 高橋「しょうがないっスよ。あの後、善場のねーちゃんから鬼電来ましたからね」

 メール交信中に起きたもので、突然返信が来なくなったから、係長も心配してくれたのだろう。
 そこで高橋が正直に、私が倒れたみたいなことを言ったものだから……。

 高橋「沖縄に来るみたいなことを言ってたんで、『それはやめとけ』と突っ込んでおきました」
 愛原「クライアントさんなんだから、偉そうに言うなよ……。はー……」
 高橋「マジで大丈夫っスか?」
 愛原「ああ……。ちょっと、外の空気でも吸ってくるか」
 高橋「お供します!ついでにタバコ吸いたいんで!」
 愛原「あー、そうかい」

 私は席を立った。
 先ほどまでは動くだけで、ズキンと脳に電撃が走るような痛みがあったが、ロキソニンが効いたのか、今はそうでも無くなった。
 ただ、激痛から鈍痛に変わったといった感じ。
 後でまたロキソニンを飲むことになるのかな。
 それとも、ここでコーヒー投入した方がいいかな?
 取りあえず私達は、バスの外で待機している乗務員達に一旦降りる旨を伝えてバスを降りた。

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