報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「修学旅行初日の夜」 2

2024-08-26 20:29:04 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[5月8日22時00分 天候:晴 沖縄県那覇市大道 沖縄ホテル旅館棟]

 高橋「よっし!見回の時間ですぜ!いっちょ、悪ガキはボコしますか!」
 愛原「ボコしてどうすんだよ!注意するんだよ!」

 


 高橋「ドーグはこれでいいっスかねぇ?」
 愛原「アンブレラの研究所の見回りじゃないぞ!……俺はリサ達の部屋を見て回るから、オマエは向こうの部屋から回って来い!」
 高橋「へーい……」

 高橋は男子生徒達が泊まっているフロアへと向かった。
 私はリサ達の部屋をノックした。

 リサ「来た来た!はーい!」

 リサは喜んでドアを開けた。

 愛原「おーす!就寝時間だぞ。今日は長旅だったんだから、早めに寝てくれや」
 リサ「はーい!」

 
(画像は沖縄ホテル公式サイトより)

 リサ達の部屋は和室であった。
 既に4組の布団が敷かれている。
 そして4人は、ホテル備え付けのナイトウェアに着替えていた。
 こういう旅館的な和室だと浴衣をイメージするが、リサ達が来ているのはビジネスホテルのナイトウェア風である。

 愛原「さすがに体操服じゃないんだな」
 リサ「そう言うと思って、ホラ」

 リサはナイトウェアの裾を捲った。
 ご丁寧にも、リサは緑色のブルマを穿いていた。

 リサ「皆も見せてあげて!レイチェルも!」
 レイチェル「は、はあ……」

 淀橋さんも小島さんもレイチェルも、お揃いの緑ブルマを穿いている。
 絵恋さんだけはまだ制服のままだったが、ネイビーブルーのスカートの下に緑色のブルマを穿いていた。

 愛原「分かった分かった!いい物見せてくれてありがとう!絵恋さんも、早く自分の部屋に戻って!」
 絵恋「はーい……」

 絵恋さんは寂しそうな顔をした。

 絵恋「リサさん、また明日来るからね」
 リサ「いつまで一緒にいるの?」
 絵恋「朝食の時間まで。朝食を御馳走になったら、学校に行くから」
 愛原「ホテルから直接?」
 絵恋「ええ」
 愛原「凄い体力だねぇ……」
 絵恋「リサさんの為ですもーん!」
 愛原「いいから早く部屋に戻って」
 絵恋「はーい」
 愛原「それじゃ、残りの4人は早めに休むように。就寝時間中は緊急時以外、部屋から出ることは許されない。トイレは室内にあるし、飲み物も自販機で買ったり、廊下のウォーターサーバーのをピッチャーに入れてあるね?」
 リサ「もちろんだよ」
 愛原「明日は7時から朝食で、9時に出発だ。もう高校3年生なんだから、いちいち何時に起きて……とか、そんな細かい事は言わない。もう自分で判断しなきゃいけない。もちろん、分からないことがあったら、それは何でも聞いてみるといい」

 こういうホテルの朝食は、バイキングスタイルだ。
 いちいち全員揃ってから、「いただきます!」とかやってる場合ではない。
 小中学校の修学旅行とかなら、そういう集団行動を身に付けさせる為にも、そういうことをやらせないといけないのかもしれない。
 しかし、彼ら・彼女らは既にその道を通っているはずなのだ。

 愛原「寝坊するなよ?朝食抜きになるぞ」
 リサ「それは困る!」
 淀橋「大丈夫ですよ。ここには寝坊しようものなら、スクワット何百回もやらされてきたエリート軍人さんがいますから」
 レイチェル「そういう訓練は受けてきましたが、BSAAは戦争の為の軍隊ではありませんよ?」

 そのこと。
 だが、レイチェルなら絶対に寝坊せず、寝坊したコを起こしてくれることだろう。

[同日23時00分 天候:晴 同ホテル・ホテル棟・愛原達の部屋]

 見回りが終わり、私と高橋は自分の部屋に戻った。
 その前に、引率の先生達と翌日の打ち合わせをしてからだ。

 高橋「ええーっ!先生、大浴場に入らないんですか?」
 愛原「こっちの専用風呂でいいじゃないか」
 高橋「狭いっスよ!?」
 愛原「1人で入るんだからいいだろう」

 私は旅館棟の大浴場ではなく、ホテル棟の室内にあるユニットバスに入ることにした。
 セパレートタイプではなく、ベタなビジネスホテルの法則通りの3点ユニット式である。
 即ち、トイレと洗面所とバスタブが一緒になっているタイプだな。

 愛原「いや、ここのホテルの大浴場、別に温泉ってわけじゃないし」
 高橋「そりゃそうっスけど」

 私はバスタブにお湯を溜めた。

 愛原「明日は本島北部だ。明日は明日で、別のホテルに泊まるんだから、そこでの楽しみがあるだろ」
 高橋「そこに期待しますよ」

[5月8日24時00分 天候:晴 同ホテル・愛原達の部屋]

 高橋が風呂に入っている間、私は自分のノートPCを出して、善場係長に対する報告書を書いていた。
 係長は伊豆諸島近海で起きたバイオハザード事件への対応で忙しい。
 リサのことは私とレイチェルに任されているので、報告書はしっかり作成しになくてはならない。

 愛原「寝る準備ができたら、早く寝よう。明日も早いしな」
 高橋「朝飯は7時からでしたね」
 愛原「その朝一に飯を食うからさ」
 高橋「そうなんスか?」
 愛原「引率者って、誰かが朝一に起きて生徒の監視しているってイメージ無い?」
 高橋「あー、まあ、確かに。それが俺達の役割ってことっスか?」
 愛原「頼まれたわけじゃないが、それくらいのサービスはしてあげてもいいだろう」
 高橋「まあ、先生がそう仰るのでしたら……」
 愛原「決まりだな。歯磨いて寝よう」
 高橋「はい」

 見回りをした時、生徒の中には疲れたのか、布団に入って既に眠っているコもいた。
 朝早かったし、長旅だったからだろう。
 生徒の場合はそれでも微笑ましい思い出になるだろうが、引率者がそれであってはいけない。
 私は歯を磨きながら、改めて自分に言い聞かせた。
コメント
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