報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“愛原リサの日常” 「修学旅行前日の動向」 3

2024-08-15 21:28:32 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[5月7日17時37分~40分 天候:曇 東京都港区浜松町 東京モノレール浜松町駅→東京モノレール羽田空港線1723電車・最後尾車内]

 夕方のラッシュが始まっている時間帯。
 それは、東京モノレールも同じだった。
 東京モノレールには、3つの列車種別がある。
 各駅停車、区間快速と空港快速だ。
 各駅停車は言わずもがな、空港快速はその名の通り、空港ターミナルの駅にしか停車しない。
 東京モノレールでは、地元民や通勤客用に各駅停車、空港利用者には空港快速を案内するなどして、分離を図っている。
 その為、確かに空港快速を避けて並んでいる利用者もよく見られる。

〔まもなく、空港快速、羽田空港第2ターミナル行きが参ります。危ないですから、柵の前には、手や顔を出さないよう、下がってお待ちください。この電車は、途中、羽田空港第3ターミナル、羽田空港第1ターミナル、終点、羽田空港第2ターミナルに停まります〕

 ホームに接近放送が鳴り響く。
 モノレール浜松町駅のホームは、2面1線の頭端式。
 降車ホームと乗車ホームに分かれている。
 やってきたのは、10000系と呼ばれる、東京モノレールでは最新型の車両だ。
 都営大江戸線も最新型だったが、モノレールも最新型に乗れるということだ。
 乗車ホームが1つしか無い為、『○番線』のような番号は無い。

〔折り返し、空港快速、羽田空港第2ターミナル行きです。次は、羽田空港国際線ターミナルに、停まります。ご乗車の際は、足元にご注意の上、順序良くお乗りください〕

 降車ホーム側のドアが開いて、そこからここまで乗って来た乗客達が降りて行く。
 通勤客っぽいのが多く見られたことから、各駅停車だったのだろう。

〔停車中の電車は、空港快速、羽田空港第2ターミナル行きです。途中、羽田空港第3ターミナル、羽田空港第1ターミナル、終点、羽田空港第2ターミナルに停まります〕

 

 最後尾の車両に乗り込む。
 何故だか、先頭車から順に混んでいるので。
 また、リサがいる為、基本的には先頭車か最後尾にしか乗れない。
 この新型車両、跨座式モノレールということもあってか、座席の配置も変わっている。
 乗務員室の後ろは展望席になっており、その車両の後ろ半分はロングシートになっている。
 中間車は、ボックスシートとロングシートが混在したセミクロスシートとなっている。
 リサ達が乗り込んだ時、既に展望席の方は埋まっていたので、ロングシートに横並びに座った。
 画像を見れば分かるが、4人並びの席がある為。
 横には荷物置きがあり、荷物はそこに置いた。

〔「本日も東京モノレールをご利用頂きまして、ありがとうございます。この電車は17時40分発、空港快速、羽田空港第2ターミナル行きです。途中、羽田空港第3ターミナルには17時53分、羽田空港第1ターミナルには17時56分、終点、羽田空港第2ターミナルには17時58分に到着致します。まもなく、発車致します。ご乗車になりまして、お待ちください」〕

 東京モノレールではワンマン運転が行われているので、放送は運転士が行う。

〔空港快速、羽田空港第2ターミナル行きが、発車致します。途中、羽田空港第3ターミナルにも停車致します〕

 ホームに発車ベルが鳴り響く。

〔ドアが閉まります。ご注意ください。駆け込み乗車は、おやめください〕

 電車のドアが閉まる。
 転落防止用の柵はあるものの、ホームドアは無いので、車両のドアが閉まったら、すぐに発車した。

〔東京モノレールをご利用くださいまして、ありがとうございます。ご乗車のモノレールは、空港快速、羽田空港第2ターミナル行きです。次は、羽田空港第3ターミナルに停まります。途中、揺れる箇所もございます。お立ちのお客様は、手すりにお掴まりになり、お荷物からはお手を放さないよう、お願い致します。御一人でも多くのお客様にお座り頂けますよう、お荷物は座席に置かないよう、お願い致します。大きなお荷物は、車内中ほどにある荷物置き場をご利用ください〕

 空港快速ということもあり、途中駅はどんどん飛ばして行く為か、電車はどんどん加速する。
 それでも最高速度は時速80kmくらいであるが、軌道が古い為か、結構よく揺れる為にスピード感がある。
 ワンマン運転である為、車内には自動放送が流れる。
 穏やかな中年女性の声である。

〔航空機をご利用のお客様に、御案内致します。羽田空港へは、羽田空港第3ターミナル、第1ターミナル、第2ターミナルの順に停まります。ご利用便のターミナルは、お手元の航空チケットや、航空会社のホームページでお確かめください。国内線は、車内の航空会社別の降車駅案内をご確認ください〕

 リサは揺れる車内の中、器用にスマホを操作していた。

 レイチェル「リサ、前泊することは、皆には内緒なのではないですか?」
 リサ「明日、ネタバレする。その前に、景色の良さそうな所走ってるから、窓から写真撮る」
 愛原「既に観光気分かw」

 リサは席を立つと、ドアの窓からスマホで、外の景色の写真を撮った。
 尚、途中に大井競馬場前という駅があるが、空港快速は通過する。
 もしもナイターをやっている場合、その夜景は結構きれいに見えるのでオススメである。
 まあ、リサは先にレインボーブリッジの遠景を撮っていたが。
 間に色々と建物が建っているので、撮るのに一苦労したようだ。

 リサ「飛べたら、もっと上空から飛ぶのに」
 愛原「ラムちゃんじゃあるまいし……」
 レイチェル「逆に人間から遠ざかってしまうので、オススメできませン」
 愛原「リサ、大井競馬場の写真でも撮ったらどうだ?」
 リサ「大井競馬場?」
 高橋「大井のナイターには、よく行ったもんだ」
 愛原「俺も昔、その駅で降りたことがあったな」
 高橋「えっ!?先生も大井競馬に!?」
 愛原「い、いや……。駅から競馬場とは反対方向に歩くと、JR貨物の東京支社がある。学生時代、会社説明会がそこで行われて、参加した記憶がある」
 高橋「聖地!」
 リサ「聖地!」
 レイチェル「セーチ?」
 高橋「聖地巡礼!」
 リサ「聖地巡礼!」
 愛原「いや、空港快速だから、大井競馬場前駅、止まんねーってw」
 リサ「非常ボタン、非常ボタン」
 レイチェル「リサ、本当に押したら、暴走したと見なし、HQに報告しまスが、いいデスか?」
 リサ「!」

 リサ、さっきまで座っていた席にパッと戻り、フルフルと首を横に振った。
 さすがのリサも、BSAAの大軍には敵わないらしい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする