報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「101回目のプロポーズからの……」

2020-04-15 20:20:52 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[3月15日09:30.天候:曇 埼玉県さいたま市中央区 某ガソリンスタンド]

 私の名前は愛原学。
 都内で小さな探偵事務所を経営している。
 昨日は斉藤社長の御宅に一泊させて頂き、今から帰るところである。
 私達は斉藤家をあとにすると、新庄運転手が車のガソリンを入れに行っているスタンドへ向かった。
 それは国道沿いにあり、ここからなら首都高の入口は近い。

 愛原:「おい、高橋」
 高橋:「何ですか、先生?」
 愛原:「実は……言うべきか言うまいか迷っていたことがあってだな。やはり、言っておこうと思う。実は昨夜、オマエが霧崎さんの部屋に向かったことは知っている」
 高橋:「先生……!」
 愛原:「すまない。これも探偵のサガってヤツだ。だから、オマエがフラれてしまったことも知っている」
 高橋:「御心配をお掛けして、サーセン……いえ、申し訳ありません」
 愛原:「いや、いいんだ。それより、まだ諦めるのは早いと思う。もし良かったら、俺が手伝ってやるぞ?自分の恋愛もままならないからといって、別に他人の恋愛の手伝いができないわけじゃないからな。俺に1つ考えがあるんだが、どうだ?乗ってみないか?」
 高橋:「それは申し訳ないです」
 愛原:「いいんだ。こうなったら、乗りかかったバスだ。やるしかねぇ」

 乗り掛かった舟、な。

 高橋:「せっかくのお申し出ですが、俺には俺で考えがあります」
 愛原:「まさか、『デキ婚狙いのパワープレイ(※)』とか言うんじゃないだろうな?」

 ※正式名称?は『中○しレ○プ』である。

 高橋:「ダメっスか?」
 愛原:「オマエなぁ!」

 てか、そんなパワープレイができるんだったら、やっぱり根っからのゲイじゃないじゃん。
 そういった意味では良かった。

 高橋:「先生の御力添えって、それでは?」
 愛原:「なワケねーだろ!てか、そんなパワープレイできるパワーがあるんだったら、『101回目のプロポーズ』みたいなこともできるってことだよな?」
 高橋:「え、何スか、それ?」

 そ、そうか。
 私が子供の頃に流行ったドラマだ。
 ということは、高橋はまだ生まれてないってことか。
 この辺、世代のギャップを感じるなぁ。
 私はザッとあらすじを高橋に説明した。
 もう、そろそろガソリンスタンドが見えてくる。
 給油所にはいない所を見ると、もう既に移動しているのだろうか?

 高橋:「……なるほど。つまり、『漢を見せろ』と先生は仰るのですね?」
 愛原:「『漢を見せる』っていうか……まあ、そうとも言えるのかな」
 高橋:「分かりました。せっかくの先生のアドバイスです。早速実行致します!」
 高橋:「え?え?え?実行するって……おい!」

 だが高橋、ツカツカと先頭を歩くメイド服姿の霧崎さんの所へ歩いていった。
 そして、後ろからガッと霧崎さんの右肩を掴む。

 霧崎:「触るな、ヘンタイ!!」
 高橋:「うるせぇっ!これから漢を見せてやっから、それで俺と付き合え!!」
 霧崎:「はあ!?」
 高橋:「『僕は死にましぇん!!』」
 愛原:「おい、バカ、やめろ!!」

 高橋は何と、道路に飛び出した。
 高橋の目の前に走ってくる大型車!
 武田鉄矢の場合はダンプカーだったが、こちらは海上コンテナを積んだ大型トレーラーである。
 どちらも轢かれたら命が危ない!

 愛原:「わぁぁぁぁぁぁっ!!」

 私は思わず叫び声を上げた。
 大型トレーラーはクラクションを鳴らす暇も無く、急ブレーキを踏んだ。
 そして急ハンドルを切って中央分離帯に乗り上げた後、バランスを崩して横転!
 後ろのコンテナもジャックナイフ現象を起こし、歩道に乗り上げて来て、街灯をなぎ倒した。

 高橋:「…………」

 で、高橋は無事だった。
 しかし……。
 じ、人的被害は……?
 物的被害は……?

 『埼玉県の国道で大型トレーラー横転!』『探偵の助手、突然道路に飛び出す!』『問われる上司の責任!』『探偵と助手を逮捕!』

 上記のような新聞記事の見出しが私の頭の中によぎり……おー、オーマイガッ!オーマイガッ!おー、まいがっ♪オーマイガッ!おーまいがっ♪
 さあ、皆さんもご一緒に!踊ろう!歌おう!

 オーマイガッ♪おーまいがっ♪オーマイガッ!オーマイガッ♪オーマイガッ♪おーまいがっ♪オーマイガッ!オーマイガッ♪オーマイガッ♪おーまいがっ♪オーマイガッ!オーマイガッ♪オーマイガッ♪おーまいがっ♪オーマイガッ!オーマイガッ♪オーマイガッ♪おーまいがっ♪オーマイガッ!オーマイガッ♪オーマイガッ♪おーまいがっ♪オーマイガッ!オーマイガッ♪オーマイガッ♪おーまいがっ♪オーマイガッ!オーマイガッ♪オーマイガッ♪おーまいがっ♪オーマイガッ!オーマイガッ♪オーマイガッ♪おーまいがっ♪オーマイガッ!オーマイガッ♪オーマイガッ♪おーまいがっ♪オーマイガッ!オーマイガッ♪オーマイガッ♪おーまいがっ♪オーマイガッ!オーマイガッ♪

 愛原:「オーマイガッ♪おーまいがっ♪オーマイガッ!オーマイガッ♪オーイエー!オーマイガッ♪おーまいがっ♪オーマイガッ!オーマイガッ♪どうしたどうした!オーマイガッ♪おーまいがっ♪オーマイガッ!オーマイガッ♪……」
 リサ:「一体……何が起きた……?」

 ※主人公、愛原学の錯乱により、字数不足ですが、強制終了致します(一人称物語のデメリットの1つ、主人公が行動不能になると強制終了される)。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする