「自分の体ひとつで、どこまでやれるのか」を知りたくて始めたランニング。ロードでは地元で行われる『飛騨高山ウルトラマラソン』100kmに完走できれば、まあ十分かなと考えて、来月9日にいよいよ挑戦が迫っているところですが、それに先立って、同じくらい厳しいコースといわれる『第19回野辺山ウルトラマラソン』100kmに挑戦してきました。
去年、飛騨高山で72kmに初挑戦してゴールはしたのですが、ランニングの師匠の一人に「72kmと100kmは別次元の厳しさだ」と言われ、100kmの世界を体験してみたい、と思ったのがきっかけです。
結果は、制限時間ギリギリの完走。その後2日間くらいは階段の上り下りに苦労しましたが、一週間たって、ほぼ復調しました(とはいえ、今は、昨日の「位山三山早駆け」の筋肉痛に悩まされていますが・・・)
どっちが厳しいコースかの議論はありますが、体の故障さえでなければ、飛騨高山ウルトラマラソン100km完走の目途はたった気がしています。無理しすぎない範囲で無理をしてゴールを目指せば、完走できそうな自信がちょっと出てきました。大きな収穫です。
前日の5月18日、夕方から寝て夜8時起床、9時半ころに出発。深夜2時に開門の駐車場を目指します。長坂ICで高速を降り、朝食用おにぎりなどを買いにコンビニに寄ると、出走者らしき出で立ちの客を数名見かけました。
野辺山に近づくにつれ、霧が濃くなり、駐車場に行くルートが不安になってきた頃、ウルトラマラソン駐車場の表示が見つかり、ホッとしました。丘に上がっていくと、誘導員がいて、2時前でしたが駐車することができました。シャトルバスが動きだす3時までまだ時間があるので、早めに着いたほかの車と同様に車内で仮眠をとりました。
2時半に再起床、おにぎりを食べ、身支度を整えるとシャトルバス乗り場へ移動。バスに乗り15分くらいでウルトラマラソン会場に到着、受付を済ませます。受付では、ゼッケンやパンフ類とともに、スポンサーからのパスタ、レーズンなども入っていました。
直前まで雨の予報だったので、山用カッパなども持っては来ていましたが、最終的に服装は短パンとTシャツ(昨年の飛騨高山ウルトラマラソン参加者用)、薄いウィンドブレーカーと手袋、そして『宮笠!』としました。ウェストポーチには、デジカメ、アミノ酸、芍薬甘草湯(つった時の薬)、お金少々。
4時ころに荷物を預けたのですが、通過時間の見込みや関門時間を書き込んだコース図を入れたまま預けてしまい、取りに行こうと思ったのですが人でごった返していてあきらめました。自分の不注意にちょっと落ち込みましたが、逆に細かいことは気にせず自分の力を試してみよう、と切り替えました。
周りが明るくなってきた頃、みんなのカウントダウンで5時にスタート。長い一日が始まりました。
コースは農村地帯を通っていきます。しばらく行くと、ウシたちがランナーを不思議そうに見ている脇で桜が咲いていました。そう、ここは標高1300mあるので、平地より寒いのです。またきっと酸素もやや薄いんだろうな、と改めて思いました。
その後2度目の踏切を渡った直後に、いきなり遮断機が降りはじめました。ウルトラランナーもJRには勝てません。線路に沿って進むと、モヤが晴れて右前方に八ヶ岳が見えてきました。
しばらく行くと、『日本最高所の踏み切り』がありました。ここは約半年前、「八ヶ岳スーパートレイル100マイルレース」で暗くなってから通ったあたりで見覚えがありました。その時は先の八ヶ岳林道はあまり走れず、松原湖の関門で時間切れになったのです・・・。そういう意味で、今回の野辺山ウルトラマラソンは、飛騨高山のためのトレーニングという意味と、今秋リベンジを目指す八ヶ岳スーパートレイルレースの下見も兼ねているのです。
国道141号を横断し、いよいよ八ヶ岳林道に。始めは舗装路ですが、やがて未舗装路になります。このあたりで、同じ飛騨高山ウルトラマラソンのTシャツを着たランナーを見かけたので話しかけてみました。すると、その方は去年出走され、今年も参加予定とのこと。その後、別のランナーからもTシャツを見て「飛騨高山のコースは厳しいですか?」と話しかけられました。野辺山を制するものは飛騨高山も制す!と言えるかもしれません。
徐々に傾斜を増していく林道ですが、今回の目標としてひそかに掲げた「歩かない!」を守って、ゆっくりですが走って登りました。前方には八ヶ岳が目前に迫ってきました。去年の飛騨高山では、千光寺の坂・階段以外は一応走りきれましたが、今年挑戦する100kmの周回コースには、恵比寿の湯からいい感じの坂が続いています。それを想定し、野辺山では「歩かない!」を目標としたのです(ただし、やはりというべきか馬越峠以降、心が折れまくり、目標は達成できませんでしたが…)
着実に標高を稼いでいき、7時過ぎには富士山撮影ポイント、またそのちょっと先で最高地点1,908mの表示がありました。いずれも記念写真を撮るちょっとした人だかりができていました。あ、あとその先では名所(?)の「生命の水」もありました。
最高地点を過ぎると下り基調になり、23kmエイドからは舗装路になります。その後、何度かアップダウンがあり、ちょっとした登りで歩くランナーもいましたが、「歩かない」目標を守る自分はゆっくりですが走り続けました。
やがて、右手の大きな谷を挟んで対岸の山肌にある林道を駆け下るランナーがゴマ粒のように見えました。八ヶ岳スーパートレイルレースで、闇夜に遠く動くヘッドランプを見た場所だ、と記憶がよみがえりました。大丈夫、今日はまだ走れています。
ふと先を見ると、笠をかぶったランナーを発見。青いゼッケンのデカフォレスト(野辺山ウルトラマラソンを10回以上完走したランナーに対する尊称)の方です。ついつい親近感が湧いて話しかけ、一緒に写真をとっていただきましたー。笠はスゲ笠のようでしたが、勝手に仲間にさせていただきました。この方についていけばきっと完走できるはず!
9時過ぎ、稲子湯のエイドに到着。ここはお汁粉で有名(?)なエイドということで、少し並んでいただきました。35km走って来た体にしみこむ程よい甘さでした。ここでは他にもおにぎりとバナナ、オレンジをいただきました。
エイドを出ると、またいい感じの登りが・・・。休んだこともあり足は動きましたが、けっこうおなかに入れた直後で横腹が痛くなりそうだったので、無理せず歩きをいれました。ここは「歩かない」目標の例外ということで・・・。
その後、広い二車線道路に出ると、一気に下ります。歩道を走るのですが、珍しく芝生のような足に優しい歩道でした。とはいえ、まだまだ先は長いので、ひざに負担がかからないようにスピードをセーブして行きました。途中で気づきましたが、この道は、八ヶ岳スーパートレイルレースで松原湖の関門で時間切れになった後、回収バスでスタート地点に戻る途中見た景色でした。あの時とは逆向きに進んでいますが。(また9月には、深夜にこの長い長い坂を登ることになるのですね…)
10時10分、沿道に人が増えてきて、第一関門&42kmコースのゴールが見えてきました。声援があると、普段よりちょっとだけ多くがんばれます。42kmコースの方がゴールインしてリラックスしているのを横実で見ながら、まだ全体の半分に達していないコースの先を急ぎました。
さらに坂を下り、傷心の(どれだけ引きずっているのだ!?)松原湖を過ぎ、小海方面に向かいます。やがて見えてきた50kmエイドの小海町公民館は、第2関門&今回のコース中最低標高の880m。ここの名物はそばということで、たくさん並んでいましたが、お姉さん&おばちゃんの手馴れた連携で、3分ほどでそばをゲット。おいしくいただき、水をかぶってから11時20分頃出発しました。
さて、コースの半分で6時間20分かかっています(キロ7分半ほどのペース)。
残り7時間40分で50キロ。この先馬越峠という難所があることは分かっていますが、特に故障も無い現状で、このままがんばれば、何とか完走はできそうかな・・・という気持ちが芽生えてきました。
さて、ここからの登り勾配の道も、「歩かない」目標を実行! (後編に続く)
去年、飛騨高山で72kmに初挑戦してゴールはしたのですが、ランニングの師匠の一人に「72kmと100kmは別次元の厳しさだ」と言われ、100kmの世界を体験してみたい、と思ったのがきっかけです。
結果は、制限時間ギリギリの完走。その後2日間くらいは階段の上り下りに苦労しましたが、一週間たって、ほぼ復調しました(とはいえ、今は、昨日の「位山三山早駆け」の筋肉痛に悩まされていますが・・・)
どっちが厳しいコースかの議論はありますが、体の故障さえでなければ、飛騨高山ウルトラマラソン100km完走の目途はたった気がしています。無理しすぎない範囲で無理をしてゴールを目指せば、完走できそうな自信がちょっと出てきました。大きな収穫です。
前日の5月18日、夕方から寝て夜8時起床、9時半ころに出発。深夜2時に開門の駐車場を目指します。長坂ICで高速を降り、朝食用おにぎりなどを買いにコンビニに寄ると、出走者らしき出で立ちの客を数名見かけました。
野辺山に近づくにつれ、霧が濃くなり、駐車場に行くルートが不安になってきた頃、ウルトラマラソン駐車場の表示が見つかり、ホッとしました。丘に上がっていくと、誘導員がいて、2時前でしたが駐車することができました。シャトルバスが動きだす3時までまだ時間があるので、早めに着いたほかの車と同様に車内で仮眠をとりました。
2時半に再起床、おにぎりを食べ、身支度を整えるとシャトルバス乗り場へ移動。バスに乗り15分くらいでウルトラマラソン会場に到着、受付を済ませます。受付では、ゼッケンやパンフ類とともに、スポンサーからのパスタ、レーズンなども入っていました。
直前まで雨の予報だったので、山用カッパなども持っては来ていましたが、最終的に服装は短パンとTシャツ(昨年の飛騨高山ウルトラマラソン参加者用)、薄いウィンドブレーカーと手袋、そして『宮笠!』としました。ウェストポーチには、デジカメ、アミノ酸、芍薬甘草湯(つった時の薬)、お金少々。
4時ころに荷物を預けたのですが、通過時間の見込みや関門時間を書き込んだコース図を入れたまま預けてしまい、取りに行こうと思ったのですが人でごった返していてあきらめました。自分の不注意にちょっと落ち込みましたが、逆に細かいことは気にせず自分の力を試してみよう、と切り替えました。
周りが明るくなってきた頃、みんなのカウントダウンで5時にスタート。長い一日が始まりました。
コースは農村地帯を通っていきます。しばらく行くと、ウシたちがランナーを不思議そうに見ている脇で桜が咲いていました。そう、ここは標高1300mあるので、平地より寒いのです。またきっと酸素もやや薄いんだろうな、と改めて思いました。
その後2度目の踏切を渡った直後に、いきなり遮断機が降りはじめました。ウルトラランナーもJRには勝てません。線路に沿って進むと、モヤが晴れて右前方に八ヶ岳が見えてきました。
しばらく行くと、『日本最高所の踏み切り』がありました。ここは約半年前、「八ヶ岳スーパートレイル100マイルレース」で暗くなってから通ったあたりで見覚えがありました。その時は先の八ヶ岳林道はあまり走れず、松原湖の関門で時間切れになったのです・・・。そういう意味で、今回の野辺山ウルトラマラソンは、飛騨高山のためのトレーニングという意味と、今秋リベンジを目指す八ヶ岳スーパートレイルレースの下見も兼ねているのです。
国道141号を横断し、いよいよ八ヶ岳林道に。始めは舗装路ですが、やがて未舗装路になります。このあたりで、同じ飛騨高山ウルトラマラソンのTシャツを着たランナーを見かけたので話しかけてみました。すると、その方は去年出走され、今年も参加予定とのこと。その後、別のランナーからもTシャツを見て「飛騨高山のコースは厳しいですか?」と話しかけられました。野辺山を制するものは飛騨高山も制す!と言えるかもしれません。
徐々に傾斜を増していく林道ですが、今回の目標としてひそかに掲げた「歩かない!」を守って、ゆっくりですが走って登りました。前方には八ヶ岳が目前に迫ってきました。去年の飛騨高山では、千光寺の坂・階段以外は一応走りきれましたが、今年挑戦する100kmの周回コースには、恵比寿の湯からいい感じの坂が続いています。それを想定し、野辺山では「歩かない!」を目標としたのです(ただし、やはりというべきか馬越峠以降、心が折れまくり、目標は達成できませんでしたが…)
着実に標高を稼いでいき、7時過ぎには富士山撮影ポイント、またそのちょっと先で最高地点1,908mの表示がありました。いずれも記念写真を撮るちょっとした人だかりができていました。あ、あとその先では名所(?)の「生命の水」もありました。
最高地点を過ぎると下り基調になり、23kmエイドからは舗装路になります。その後、何度かアップダウンがあり、ちょっとした登りで歩くランナーもいましたが、「歩かない」目標を守る自分はゆっくりですが走り続けました。
やがて、右手の大きな谷を挟んで対岸の山肌にある林道を駆け下るランナーがゴマ粒のように見えました。八ヶ岳スーパートレイルレースで、闇夜に遠く動くヘッドランプを見た場所だ、と記憶がよみがえりました。大丈夫、今日はまだ走れています。
ふと先を見ると、笠をかぶったランナーを発見。青いゼッケンのデカフォレスト(野辺山ウルトラマラソンを10回以上完走したランナーに対する尊称)の方です。ついつい親近感が湧いて話しかけ、一緒に写真をとっていただきましたー。笠はスゲ笠のようでしたが、勝手に仲間にさせていただきました。この方についていけばきっと完走できるはず!
9時過ぎ、稲子湯のエイドに到着。ここはお汁粉で有名(?)なエイドということで、少し並んでいただきました。35km走って来た体にしみこむ程よい甘さでした。ここでは他にもおにぎりとバナナ、オレンジをいただきました。
エイドを出ると、またいい感じの登りが・・・。休んだこともあり足は動きましたが、けっこうおなかに入れた直後で横腹が痛くなりそうだったので、無理せず歩きをいれました。ここは「歩かない」目標の例外ということで・・・。
その後、広い二車線道路に出ると、一気に下ります。歩道を走るのですが、珍しく芝生のような足に優しい歩道でした。とはいえ、まだまだ先は長いので、ひざに負担がかからないようにスピードをセーブして行きました。途中で気づきましたが、この道は、八ヶ岳スーパートレイルレースで松原湖の関門で時間切れになった後、回収バスでスタート地点に戻る途中見た景色でした。あの時とは逆向きに進んでいますが。(また9月には、深夜にこの長い長い坂を登ることになるのですね…)
10時10分、沿道に人が増えてきて、第一関門&42kmコースのゴールが見えてきました。声援があると、普段よりちょっとだけ多くがんばれます。42kmコースの方がゴールインしてリラックスしているのを横実で見ながら、まだ全体の半分に達していないコースの先を急ぎました。
さらに坂を下り、傷心の(どれだけ引きずっているのだ!?)松原湖を過ぎ、小海方面に向かいます。やがて見えてきた50kmエイドの小海町公民館は、第2関門&今回のコース中最低標高の880m。ここの名物はそばということで、たくさん並んでいましたが、お姉さん&おばちゃんの手馴れた連携で、3分ほどでそばをゲット。おいしくいただき、水をかぶってから11時20分頃出発しました。
さて、コースの半分で6時間20分かかっています(キロ7分半ほどのペース)。
残り7時間40分で50キロ。この先馬越峠という難所があることは分かっていますが、特に故障も無い現状で、このままがんばれば、何とか完走はできそうかな・・・という気持ちが芽生えてきました。
さて、ここからの登り勾配の道も、「歩かない」目標を実行! (後編に続く)