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飛騨の自然と巨木に親しむブログ

飛騨をうろうろぐるぐる歩き、飛騨高山の自然と巨木をご紹介します。あと、宮笠、登山、トレランのネタなども登場します。

宮笠講座、第2回(12.16)

2013-12-16 23:09:28 | 宮笠の製作
 今日は、第2回の宮笠講座がありました。

 雪が積もる中、受講生の方が集まり、熱心に学ばれました。


 
 今日は、笠の本体を編み始める工程の「いかだ作り」という作業をしていただきました。桧やイチイの笠ヒデを縦横に編み、文字どうりいかだのような長方形の形にします。
 編む過程で、編み目をひとつづつずらすところなどが、初めての方はわかりにくかったようですが、問坂さんの指導により、皆さん順調に編めるようになりました。



 終盤には、次回受講者が取り掛かる「辻つくり」の工程を見学。平面のいかだが、見る見るうちに円錐になる不思議を目にしていただきました。
 皆さん驚いていましたが、次回は皆さんが自分の手で作るんですよ!

 次回講座は年明けになりますが、受講者の方にはお年玉代わりの宿題(?)となったようです。


宮笠講座・第一回(2013.12.2)

2013-12-02 23:46:46 | 宮笠の製作
 久々の更新、なんとなく燃え尽き感に蝕まれ・・・。

 さて、気を取り直して、3年目を迎えた宮笠講座、今年度の講座が今日第一回を迎えました。

 講師は今回も、高山市の無形文化財『宮笠』の継承者である、『問坂義一さん』です。

 過去の受講生は中級講座の「紅白」を作成、初めての方は初級講座の「桧笠」を、それぞれ2枚ずつ作っていただきます。2枚同時に作っていただくことで、経験の厚みを増して覚えやすくしようという目論見です。

 受講生は過去の受講生に新規が加わり、25名となっています。これだけになると、全体に目が行き届きません・・・。ちゃんと理解されているか、材料はいきわたっているか、進み具合はどうかなどなど。

 ただ、過去の受講生が、先輩として新人さんの面倒を見ていただけるので助かる面があります。

 毎月2回で3月まで、計8回の講座。今日は前半オリエンテーション、後半は竹の部材(さし骨、輪竹、おたて竹)の加工と、最後に縫い付ける縁の編み方を学んだいただきました。


 いずれも今日だけで作業が終わらないので、作り方を覚えて帰って、次回までに一工程を仕上げてきていただく形をとっています。


 さてさて皆様、次回からはいよいよ笠本体の編み方を学んでいただきます。がんばって!


桧笠をたずねて、白山の西麓へ。

2013-04-02 00:27:07 | 宮笠の製作
 先日、白山市白峰にある「白山ろく民俗資料館」へ行ってきました。

 これは、飛騨で活動する『飛騨の未来の森づくりネットワーク』の活動の一環で、白山をはさんで飛騨の西の麓にある地域の、自然を活かした暮らしぶりを学びに行くバスツアーでした。

 資料館の資料や神社、伝建地区、おいしい郷土料理(堅どうふなど!)もとても興味深かったのですが、私の興味はなんといっても『笠』。

 かつて、尾口村深瀬地区で盛んに作られていた桧笠は、今はダム建設により住民が移住した鶴来町で作られているとのこと。全国でも少なくなった桧笠の生産地として、親近感を覚えるとともに、作り方の違いや共通部分などが気になっていました。

 白峰地区は深瀬地区とは産業構造などが違い、笠の生産は無かったようですが、資料館の資料や、近くの食堂・お菓子屋さんの玄関先などで目にすることができました。

 まずは、昼食をとった食堂の玄関先にあったもの。雪かき道具と一緒にあったので、今でも使われているもののようでした。



 次は、資料館最大の古民家『旧杉原家』の玄関先にあったもの。ふちは巻いていなくて、輪竹がむき出しになっているタイプでした。ほこりをかぶっていて、使われてはいないようでした。ここでは、囲炉裏の間で温かいお茶をいただきながら、館長さんから丁寧な興味深いお話を聞かせていただきました。ありがとうございました。



 資料館の中に展示してあったもの。杉原家の玄関先にあったものと同タイプのようです。



 白峰の街中を散策していたら、お菓子屋さんの中に飾ってある笠を発見。お菓子を買いつつ見せていただきました。丁寧なつくりで、お土産用(?)になっているもののようでした。ふちは、ミシンで縫いつけてあるうように見受けました。




 今回いくつか見た笠は、細かくはいろいろありましたが、編み方は二枚綾(2枚飛ばしで編んでいる)ということと、おたて竹は竹ひごを笠に丸く縫いつけ、上から「被せ笠」で覆って補強(目隠しの役目も?)していること。前者の特徴は宮笠の『せみ笠』の土台となる笠に共通した編み方です。おたて竹と被せ笠は、宮笠とは異なる造りですが、その合理性に「なるほど!」という印象を受けました。

 宮笠のことをある程度知ったうえで、見学した今回の桧笠、いろいろと感じるところがありました。

 いつか、深瀬地区から移住した編み手の方にお会いし、こちらの編み方を見学させていただきたい、と感じました。

 木曽の桧笠産地も訪ねてみたいし・・・今年もいろいろやることが増えちゃいますねー!


平成24年度宮笠講座・第1回

2012-12-17 23:33:59 | 宮笠の製作
 今日は、平成24年度宮笠講座の第1回講習会でした。

 宮笠は、ヒノキやイチイの材をリボン上にしたものを編んだ笠で、軽く通気性がよく、雨が降ると(濡れると)編み目が詰まって雨漏りがしない優れもの。今でも飛騨では(私もそうですが)、野外作業の時に普通に使われています。伝統工芸品でもあり、生活用具でもあるところが、いいですよね。

 第一回目ということで、オリエンテーションの後、約20名の参加者は竹の加工作業を体験。笠のふちや骨になる部品です。

 高山から南に少し行った益田郡のマダケを使い、割って削って・・・昨年度参加した中級講座受講者も、忘れているようで思い出したりして、皆さん何とか作り進めておられました。








 (3枚目の写真で指導しているのが、講師の問坂さん)


 次回は翌1月7日。3月までの計7回で、2枚の笠を作っていただく予定です。

今日宿題をもって帰った方は、次回までに作り進めていただけるでしょうか。ぜひ進めていただき、次回みんな笑顔で集いたいものです。


宮笠伝承セミナーを開催しました。

2009-03-14 17:50:17 | 宮笠の製作
夕べは春の嵐が吹き荒れましたが、今日は一転、冬に逆戻りのような天気で、ミゾレ混じりの雪で一面銀世界に。平地はほぼ溶けましたが、山はまだ白く残っています。

 さて。13日夜、一之宮町公民館にて、『飛騨宮笠伝承セミナー』が開催されました。飛騨宮笠愛好会が主催で、NPOひだ位山ふるさと学校の共催という形での開催でした。



 一之宮町の方をはじめ、旧高山市や清見からの参加もあり、20名以上の方が参加されました。
 伝統技能保持者の問坂さんと、笠ヒデ工場の村上さんのお話を聞いたり、宮笠製作実演見学や、笠ヒデ細工体験など、盛りだくさんの内容でした。



 最後のアンケートでは、みなさん「宮笠を編んでみたい」「保存会をつくろう」などのご意見があり、宮笠に対する思いが深まった行事となったようでした。春以降、宮笠製作講座を開催できるよう、準備・調整を進めたいと思います。