くまぐー日記

くまさんの電脳室リポート

中国人研修実習生制度の現実

2008年04月27日 | Weblog
■国際交流センタで外国人研修生権利ネットワークというグループのセミナーに参加した。行政書士や受け入れ団体など素人以外の聴衆が大部分だが制度をよく知らない人もいて超満員の盛況。基本的なことの説明もあり、非常に印象的、というか衝撃的な内容だった。

中国人の研修生、実習生を搾取する実態のなまなましいレポートと誠実で新進的な経営者がいつのまにか極悪非道な人身売買の連鎖に組み込まれていく構図が浮かび上がる。これが日本の外国人労働者政策のもとでは強化推進されなければならないという方向性が出てくるところが恐ろしい。

外国人労働者の単純労働を認めないという日本の建前がきっとこの研修制度に全てのしわ寄せを集めているので政府が搾取を支援する形になる。人権擁護はボランティアまかせになるが、政府がまずなにをどうするべきかが見えてないのが問題。

単純労働をする外国人労働者に契約どおり帰国してもらうことが政府の目的なのだが、途中で帰国となると送り出し側の搾取システムの地獄に突き落とすことになる。これを利用した強制搾取システムが受け入れ側に出来てしまうのだ。問題の本質は今の日本人若者が働かないことにある。フリターの労働問題と同時に考えるべきだという講師のコメントが印象的。

中国人参加者から研修生の成功例を紹介すべきだという声がでた。研修生としては本国の地獄より日本の搾取はまだましだということも理解できる。今では中国の最貧層の人たちが売られてきて労働法の適用なく研修目的で単純労働で搾取されている。現実にこの労働者が日本の産業を支えるようになった以上、搾取のない回転の速い外国人労働者の供給システムを確立したいという政府の目的はうまくいかないどころか裏目に出るだろう。搾取は地下にもぐるだけだから。言い換えるとこの搾取がダイナミックな労働力供給を支えているのだから。

途は日本永住を認めるだけ。仕事のために教育の余裕がない永住外国人家族には家族内でさえ言葉のコミュニケーションが失われ、そして地域の教育現場が崩壊していく。日本文化を犠牲にして日本の産業を外国人に託さなけれが成り立っていかない社会が迫っている。

これを知らない日本人は西ドイツのように差別に走り争いを生む。しかし日本人は適応できる民族だと僕は思う。恨みも恩義もさっと水に流して新たに前進できる生命力をもっているから、、、、とこれはほめすぎかな。
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